屋根裏に咲くひまわり
初恵は、孫娘夫婦たちと暮らすことになり。住んでいた古民家のリフォーム工事が始まり。孫娘と初恵は、壊されて行く家を見ていると。初恵は亡くなった夫のことを思い出していた。
突然、退職金と貯金を合わせて、2000万円を親友に貸し。借金のかたとして1枚の絵画を預かり。もし借りた金を返せなくなったら、その絵を売って返すと言う。
初恵は、ダマされたと思い。その絵画を主人に黙って鑑定士もらうと。確かに、いい絵だが売っても10万だろうと言われ。老後はどうするのか、親友にダマさた主人が不憫で、途方に暮れていた。しかし、主人は鑑定士を信じず親友を信じた。半年後、親友は交通事故で亡くなり、貸したお金は返ってこず。
初恵は、あのお金さえあれば、孫娘は借金をしなくてもすんだのに。そんなことを思っていると。深刻な表情でリフォーム工事の責任者が2人の前に来て、妙なことを言い出した。
天井を剥がしていたら、突然、屋根裏から段ボール包まれた何かが落ち。ガラスのような割れた音がしたと言う。
初恵は、まさかと思い、あの絵画のことを孫娘に話し。2人は、とりあえずその現場に行き、段ボールを開けて見ると。あの絵画が現れ、額縁のガラスは割れ。そこには、油絵の風景画が描かれていた。
絵画に詳しい孫娘は、その油絵を見て愕然とし。確かに、いい絵だが売っても10万くらいだろうと思っていると。その油絵に、何か違和感を感じ。何を思ったか、その油絵を額縁から外し始め。
すると、もう1枚、油絵が重なった状態で出てきた。そして、その油絵を見て孫娘は呆然としている。
そこには、見たこともないひまわりの油絵が描がれ。まるでゴッホのひまわりのように思え、サインはない。
その後、あの油絵は、新発見として、「ゴッホのひまわり」として本物と鑑定された。おそらくとんでもない値段がつくであろう。
亡き夫は、親友の言葉を信じ、そのことにウソなどなかった。きっとあの世で喜んでいるに違いない。