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0.死にたくない、ただそれだけ

毎日19時更新。

完結まで大体10万文字前後を予定しています。

よろしくお願いします。

 前世の記憶が戻ってから、二ヶ月。

 その後、社交界デビューを無事に果たした十八歳の夏から、二ヶ月。

 グレイス・ターナーはずっと、ある人物から逃げ続けてきた。


 花、花、花。ひたすらに壁の花を演じ、目立たない。

 そして殿方と極力話さない、関わらない、存在感を消す。


 この三点を心がけ、今まで影のようにしてなんとか逃れてきたつもりだ。


 それなのに。


「グレイス嬢。あなたは何故、わたしのことをこんなにも避け続けるのですか?」


 その、避けに避け続けた行動が、逆に聖人公爵――リアム・クレスウェルの目に留まる理由になるなんて、一体誰が想像できただろうか。


 夜会が開かれている宮廷、そのテラスの端にまで追い詰められ、完全に逃げ場をなくしたグレイスは、愛想笑いを浮かべながら心の中で叫ぶ。


(それは……ラスボス予定のあなたから逃げて、自分の死亡フラグをへし折るためですよーーー!!!)


 しかしその切実な叫びは誰の耳にも届くことなく、きらめく星空へと溶けていったのだ――


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