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2話



景色が変わったと思うと、そこは深い森の奥であった。


草木に囲まれており視線は草むらで前が見ない。余りにも大き過ぎる木々に、漸く気づいたのだ。俺の身体が小さいことに。



「……ぇ?」



間抜けな声しか出ない俺。辺りを見渡すが、直ぐ見下ろせば地面である。しかも虫がいるが、サイズが一際多きのだ。キモいったらありゃしない。なので無言で虫から離れると状況を整理することにした。



「えっと……確か、ゲームの説明で、モンスターとして冒険するんだよな。ってことは……俺はモンスターだけど、一体何のモンスター?」



画面にはステータスというウィンドウが載せられている。ウィンドウのマークは(L)と記されていた為、左のコントローラーの一番下にあるLボタンを押すと大きな画面が現れた。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

【ヘヴィ:♂】

【種族:オリジン[ランク:E]】

Lv.1

HP:5/5

MP:0/0


攻撃:5

防御:5

俊敏:6


【スキル】

・なし


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



オリジンって、なんぞ?


いや、意味わからん。しかもこれ、俺がどんな姿かわからないぞ?うーん、えぇー?


すると、画面から電子案内板の様なお知らせのメッセージが送られてきた。



《"Monster Online"リリースキャンペーン!!!今から一時間、経験値が3倍ッ!!!※途中ログアウトされた場合は、残った時間は次のログインに引き継がれます》



ほほーぅ。


経験値、3倍か。


よしっ!とりあえず戦おうっ!


さてさて、戦いつつこの"AC"に慣れないと……おっと、近くに兎さんがっ!!!


……何て言うモンスター何だろうか。


よし、今背中向けてもしゃもしゃと草を食べるのに夢中になってる。そろぉり、そろぉり────今だっ!手足無いっぽいから、身体全体でアターックッ!!!



「ギュピッ!?」



後ろから体当たりした為に兎の顔は地面にぶつけてしまう。だが、これはゲームだ。首や腹に向けて全身での体当たりで五回程繰り返すと、兎は突き飛ばされ近くにあった石を頭にぶつけてしまう。ふらふらと身体を起こしたかと思うと、一歩二歩と進んでそのまま倒れてしまった。


……兎の頭から血が出ている。


何だろう。やっちゃいけないことをした感じだ。ゲームなのに……何だ、この罪悪感。かなりリアルだから、凄いヤな感じだ。けど、この兎を殺したのは俺。でも、これは強くなるため……何て考えたら、これが弱肉強食って事なんだろう。


確かにこのグロさと残酷さは【R15】に認定されるか。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

≪Level up!!!≫

【ヘヴィ:♂】

【種族:オリジン[ランク:E]】

Lv.3

HP:13/14

MP:6/6


攻撃:13

防御:12

俊敏:16


【スキル】

・なし


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



まあ……こんなものか。


キャンペーン時間は後56分。


とりあえず、ここら辺でレベル上げだな。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

≪Level up!!!≫

【ヘヴィ:♂】

【種族:オリジン[ランク:E]】→〔進化可能:(A)〕

Lv.20

HP:57/78

MP:27/27


攻撃:30

防御:28

俊敏:35


【スキル】

・なし


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



何とか、兎だけ狩ってここまでレベルは上がった。


経験値3倍なのに、こんだけとか……本来めっちゃ大変じゃないか?いや、それともモンスターが兎だけだからかな。うーん、兎以外に他のモンスターを倒せば良かったか……。


にしても、ゲームとは言え兎を殺すのは少しキツい。少しだけグロいゲームだが、血とかそういうのが嫌な人はダメだなこれは。こうしていると、何時自分がこんな目に会うかわからないよなー、オー恐い。


で、だ。


〔進化可能(A)〕


確か説明書にはモンスターは進化出来るんだよな。しかも上限は五回。だが、このゲームは進化して終わり、というゲームではないのだ。進化もあるが、退化もある。この退化は更に強くなる為にあるもの。その次の進化はステータス的にも強力になっているらしい。


……まあ、進化しない事には出来ないよな。


さて、ボタンを押して進化先は……?


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

〔進化先〕

▼◆ワーグ(R:説明)

◆イーグル

◆シャドースネーク

◆野狐

◆ポイズンスパイダー


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



……名前だけでわからないものがあるぞ?


説明見てみようか。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

◆ワーグ[ランク:D]

・狼種モンスター。

・森や渓谷に住まうモンスター。俊敏力が高い。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

◆イグール[ランク:D]

・鳥種モンスター。

・鋭利な嘴と爪を持つ鷲。攻撃が高い。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

◆シャドースネーク[ランク:D]

・竜種モンスター。

・影に紛れて潜む蛇。潜伏スキルを得られる。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

◆野狐[ランク:D]

・妖種モンスター。

・まだ妖術が使えない妖狐。MPが高い。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

◆ポイズンスパイダー[ランク:D]

・虫種モンスター。

・毒を使う暗殺蛇。毒牙スキルを得られる。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



……確か、進化先って環境や倒したモンスターによって変わるんだよな。そうか、兎を狩りまくってたから肉食系が多いんだ。しっかし……どれに進化する?


何れもいいとは思うけど……ワーグって狼か。


この中でヘヴィのイメージ的に……ワーグかなぁ。


ぶっちゃけ、何でもいいんだよ。最終的に、退化すれば何時でも選べるからなんだけど。


とりま、ワーグに決定っ!



《進化を開始します。ご注意ください。進化を開始します。ご注意ください。進化を開始します。ご注意ください》



何だよこのアナウンス。


電車が参ります、みたいなアナウンス。嫌いじゃねーぞ。むしろ女性の声だから好きぃ♪



《進化が完了しました。ステータスも更新されてます》



よし、見てみよう。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

【ヘヴィ:♂】

【種族:ワーグ[ランク:D]】

Lv.1

HP:30/60

MP:19/19


攻撃:20

防御:21

俊敏:30


【スキル】

・遠吠えLv.1(広範囲に自身の攻撃の10分の1のダメージを与える)使用回数:残り3回(1日3回)


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



前と比べれば強いな。


しかし、進化したらレベルが初期に戻るのか。まあ、前より強いからいいか。


さて、スキルが一つ得られたな。ラッキーだ。


遠吠えLv.1が広範囲に自身の10分の1のダメージってことは、今の攻撃が20。つまり2ダメージか。ま……強くなれば使えるか。いや待て、これ固定ダメージ?強くなればめちゃ強くなるんじゃないか。だが、それも考慮しているのか回数制限がある。仕方がない。



「おおっ、高くなってる」



さっきまで草むらが邪魔だったけど、今は見下ろしてるぜ。まあリアルよりはまだまだ低いか。だが、このサイズは大型犬よりかは大きいぞ。こんなのがリアルにいたら……うん、恐怖だ。


……進化したし、もう少しレベルを上がるついでにこの辺りも探索してみるか。


どんなモンスターがいるか楽しみだ!


それに……多分、俺以外にもプレイヤーもいる筈だし。でも見掛けないな。まさか……このエリア、俺だけだったり……?

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