表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心緒  作者: 宮田カヨ
28/62

その28

祝ポケモンdlc配信+dbd静岡コラボ!

 安静にしてろ。

 心底怒っているアールツトからはそう言われていたが、ニュイはベッドを抜け出して、駐屯地から離れた場所まで来ていた。打たれた部位を抑えながら、夜空を仰いだ。

 晴れていたせいか、星がよく見える。イノセンスとの約束は延期された。ニュイの怪我を心配したイノセンスから、また今度でいいと言われたからだ。

「……起きたなら声かけてくんない?」

「……寝てたんじゃないのか?」

 あくびを噛みしめながら、心底めんどくさそうにため息をつく。

「監視は無給、もし不備があれば減給なの」

「……すまない」

 イノセンスは眠っているのか。ニュイの問いかけに、シュティレはうなずいた。

 喋っていたら気が抜けたのか、立ちくらみがした。倒れるようにその場に膝から崩れると、シュティレが隣で膝をついた。

「血、流しすぎ。痛みは?」

 お前も人のこと言えないだろう、ニュイがそう言えば、俺はいいの、と返された。

「で、痛みは?」

「少しだけな……」

「後で鎮静剤もらったら? ベレッタならすぐにくれるだろうし、なんなら取っておいてあるかもよ」

 さっさと治してくんなきゃ困るしね、と付け加えるとシュティレはニュイの体を壁にもたれさせた。

「……お前、本当イノセンスのこと大好きだな」

「……痛いんだったら喋んないで黙ってたら?」

 照れることないだろ、言ったら臍を曲げるので、ニュイはシュティレの指示に従った。痛みを逃すように息を吐き、

 足音がした。駐屯地の方からではなく、暗闇からだ。シュティレは銃を取り出し、相手を警戒する。

「レミルトンか……」

 敵を前にして銃を出すこともなく、傷を抑えて苦しそうに喘ぐニュイに、プラヴァスは絶句した様子だった。

「なにをしてるんだ! そんな怪我でうろつくなんて……自殺行為だぞ!」

 お前、敵になんてこと言ってるんだ。そう言いたかったが、痛みの方が勝った。

「で、なんの用なの。レミルトンさん」

 喋れないニュイの代わりに、シュティレが用件を聞いた。声を抑えろ、口では言っていないが声で言っている。

 プラヴァスは慌てて声を抑えた。誰も来ていないことを確認すると、口を開く。

「……ジェニングス、黙っていてもいいから話を聞いてくれ」

 哀れんでいるような目で、ニュイを見つめてきた。

「もう十分戦っただろう。これ以上戦う意味はないだろう」

 なにも知らないやつ、と心の中で嘲笑する。

「親族を盾に取られているわけではないだろう……調べさせてもらったが、お前の母君と父君は」

 ニュイは立ち上がってプラヴァスの胸倉を掴んだ。急な動きをしたせいで、腹部に血が滲む。

「それ以上は言うな……」

 赤の他人に家族のことを話されたくなかった。

 まさかの行動に驚いているようだが、ニュイの腹部から血が滲んでいることに気付いたプラヴァスは肩に手を触れようとした。だが、シュティレが割って入り、ナハトを支える。

「……ジェニングス、お前の望みはなんだ? なにをしたら、こちら側に来る?」

 困惑したようなプラヴァスの声に、ニュイは顔をあげた。

「……なんでもいいのか?」

「ああ、俺たちが叶えられるものなら」

 シュティレから離れてプラヴァスの服を掴んだ。

「……だったら、どうかもう殺してくれ」

 俺のせいであの人たちが危険な目に遭い、戦争だって続いてしまった。

 プラヴァスはニュイの言葉に絶句していた。そんなこと言われるとは思っていなかったようだ。

 泣きながら懇願するニュイに、プラヴァスは言葉をつまらせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ