その27
ニュイのセリフは一部某さやかから拝借しました。
銃弾が脇腹を貫通した。痛みに悶える事はせず、ニュイはお返しと言わんばかりに相手に銃弾を打ち込んだ。相手は打ち抜かれた部位を手で押さえ、悶えている。情けない奴、と心の中で笑ってもう一度銃を構えた。
「ナハト!」
アールツトの声がした。
「なに馬鹿正直に突っ込んでんだよ! 傷見せろ!」
「……いい、このままで」
出血は収まっていない。いくら体が頑丈ですぐに傷が治るとは言え、このまま放置して動き続けていればおそらく出血死は免れない。
体を引かれ、遮蔽物のある場所に隠される。
「なに言ってんだよ! 死ぬ気かよ!」
服をめくり、傷の具合を確認するアールツトと、それを援護するように銃を向け、敵を散らしていくフィデーリタース。
ニュイは笑ってアールツトを押し返した。
「……痛みなんて、気になるもんか!」
銃を引っ掴み、ニュイはその場を駆け出した。銃弾がなくなれば倒れている味方から奪い取った。身を守る物がなくなった味方は、なんとか四肢を動かして銃弾の雨から逃げようともがいていた。
腕を打たれ、足を打たれた。頬を掠めた銃弾は、肉を抉った。血飛沫が辺りに飛び散る。それに負けないくらい、ニュイも銃弾を放った。ニュイに撃ち抜かれた敵国の軍人たちは、皆痛みに悶えていた。ニュイはそれを見て笑い声を上げる。
「痛いか! 痛いのか! 痛みなんて、その気になれば簡単に消せるだろう? お前たちはそんなこともできないのか?」
誰かが、化物、とニュイに向かって叫んだ。それは敵国の人間だったかもしれないし、帝国の人間が言ったものかもしれない。誰がそう言ったか、その判別はできなかった。




