その24
プラヴァスと名乗った男は、一度直ると強い意志のこもった目で真っ直ぐこちらを見据えて来た。俺はね、と名前を言おうとしたイノセンスの口を、シュティレが塞ぐ。
「知らない奴に名前を聞いちゃダメだし言うなって、この前教えたばかりでしょ」
シュティレの言葉に、プラヴァスは何か言いたげだった。それよりも早くシュティレが口を開く。
「あんた、少し落ち着きなよ。こいつだって、急に言われて『はいそうですかわかりました』なんて返事できないんだしさ」
言葉では、さっさと帰れ、というのを隠しているが声は隠し切れていない。
プラヴァスという男は、その言葉に口を噤むと、自身を落ち着かせるように深呼吸をした。
「……此度は退く。そして、また会いにくる。答えはそのとき改めて聞こう」
プラヴァスは闇の中に姿を消した。完全に気配が消えたことを確認すると、シュティレはイノセンスから手を離した。
「……イノセンス、今日のことはお前と俺とナハトの三人の秘密にして」
不貞腐れているのか、シュティレのことを無視しながら、その場に座り込んだ。どれだけ話しかけても無視を徹底している。ああもう、ガキって本当にめんどくさい、と頭を抱えているシュティレを見ながら、ニュイは膝をつく。
「イノセンス、明日は星をみよう。望遠鏡はないけど……構わないか?」
「……うん」
不貞腐れてはいるが、話は聞いてくれている。
「それと、お願いがあるんだ。今日のことは内緒にしてくれないか?」
「……うん、いいよ」
イノセンスは首を縦に振った。
「……なんでお前の言うことは聞くの?」
シュティレは不服そうな顔をしている。育ててきた自分の言うことは聞かず、他人の言うことは素直に聞くと言うのは、親代わりの身からしたら腹が立つのだろう。
「……子供なんて、そんなもんだよ」
「……ガキって、本当に面倒」
シュティレは髪をかき回した。
dbd静岡コラボおめでとうございます。




