表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣士アスカ・グリーンディの日記  作者: sayure
第1章 ドラゴンバスター
5/14

僕の本心

マッドク王国は、動きがない。


不気味なほどに。


どうした?


竜がいないのは、知っているんじゃないのか?


こんな小国に、マッドク王国は、怖気づいたのか。


そうか。


まぁ、いいか。



サヴィエルの26日

ウレリアの砦にて

___________________


一度、僕らリガード竜騎士団は、ウイプルの城に戻された。


久し振りに会った、幼馴染のミスルタは、とても悲しそうな顔をしていた。


マッドク王国は、腰抜けだったよ。


でも、戦っていない街のみんなは、待つしかない。


僕ら以上に、状況もはっきりわからないから。


恐いんだ。


だから、


大丈夫だよ、と声をかけたんだけど。


身構えられた。




もしかして、




僕が、竜を殺したから。


恨んでいるのか。




そうだろうね。


大いなる翼竜の力は、ウイプル王国の力の象徴だっただろう。


君なんかには、わからないだろう。




僕が、好きで殺した、とでも?




いいさ、誰にもわからない。


君を信用したつもりもないから。




もう二度と、話しかけないでくれ。




サヴィエルの27日

自分の部屋にて

___________________


マッドク王国が、兵力を整え、ウイプル王国への進軍を開始した。


城に残す兵は限りなく少ない。民から男達を一時的に兵と化し、城下町を守らせる。


進軍している敵兵は、1000位と聞く。


僕らは、800位。


マッドク王国は、進軍していない兵もそれなりの数がいるはず。


こちらには、それがほぼない。


圧倒しなければ、ウイプル王国の未来はないだろう。


幼馴染の、ミスルタが会いにきた。


これが最後の別れだとしたら、




淋しい、かな。




二度と会うつもりは、ないだろうと。


思っていたのは、見当違いだった、か。




僕に気を遣っているのは、伝わるけど。




お元気で。




僕の顔を見て、ミスルタは涙を流していた。


どうして、戦に行く前は、そんな顔をするのか、って。




君は、気づいていたのか。




そうだよ。




強がっていても、


本当は。




死に場所を、探している。




サヴィエルの28日

ウレリアの砦にて

___________________


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ