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剣士アスカ・グリーンディの日記  作者: sayure
第1章 ドラゴンバスター
3/14

ウレリアの砦

僕の身に板金鎧、手には竜剣ジオグリシェル。


ウイプル王国最大規模の砦、ウレリアの砦に、僕らはいる。


マッドク王国は本土、またはセケメント地域を拠点としての進軍をするとしても、このウレリアの砦付近を経由しなければ、ウイプル王国本拠地へは侵入できない。


砦の真ん中の見張り台に、旗を掲げている。


ウイプルは、小国だ。


だけど、幾多の戦いをかつての翼竜と共に勝利に導いた、脅威がある。


竜と炎の紋章が描かれた赤い旗。


リガード竜騎士団が、ここに居る事を示している。


マッドク王国は、精鋭部隊がいないと訊く。


数で勝負するしかないはずだ。


だけど。


この戦は、厳しいものになるだろう。




サビィエルの15日

ウレリアの砦にて

___________________


偵察兵が、帰ってきた。


マッドク王国軍は、進軍を開始していない。


そのかわり、セケメント地域にある、アルタイ岩頭院管轄の軍に動きがある。


先の遠征での成功により、セケメント地域にはすでにウイプル王国の部隊が幾らか配備され、アルタイ岩頭院単独では、下手には動けないはずだ。


もし、アルタイ岩頭院の軍が勝てば、僕らのあの遠征は、意味のないものになる。


僕らが、セケメント地域に加勢に向かえば、マッドク王国軍は、手薄になったウイプル王国への進軍を開始するだろうか。


そうなれば、僕らは終わる。


僕らは、マッドク王国へ自ら進軍するのか。


そう。


有り難みを知ればいいさ。


竜がいなくなった。


その報いを。


受ければいい。


そして、この僕も。



サヴィエルの16日

ウレリアの砦にて


___________________


同じ、リガード竜騎士団にいる、少しばかり年上の男に、言われた。


笑ったところを見た事がない、と。


戦では、笑わないでしょう。


でも、戦以外でも、そうだ、と。


知らないさ。


そんなに、笑顔が必要か?


ただ。


お母様は。


笑顔を見せていたな。


幼馴染のミスルタも、同じだ。


それを見ていた僕は。


安らいだ。


僕は、


笑顔の才能がないんだ。



サヴィエルの17日

ウレリアの砦にて

___________________


セケメント地域にて、アルタイ岩頭院の軍とウイプル王国軍配備兵が戦闘に入った。


ウイプルから国王軍200兵が、ウレリアの砦に到着。


この合流した200兵は、そのまま留まる。


そして今夜、すでに砦で構えていたリガード竜騎士団率いるウイプル王国軍が、マッドク王国への進軍を開始する。


この戦いを、貴女へ捧げましょう。


お母様の大好きな、ウイプルのため、勝利へと導く。


そして。


僕は、あの言葉を、言われ続けるんだ。


いつまでも。


そう。


いつまでも。



サヴィエルの18日

ウレリアの砦にて

___________________

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