海と星/愛
海と星
涙がぽろぽろ
止まらない
夜の海のさざ波の音
木の擦れる音
静かな、静かな夜でした
私は一人だと思っておりました
そうして、
涙がこぼれ
あふれ
カーテンの隙間から
輝くお星が見えました
夜の海のさざ波は
優しい父さんの温かい大きな手
輝くお星の瞬きは、優しい母さんの眼差し
ひととき、私は海と星の子供となって
お布団にくるまって
幼い子供のように
眠ります
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愛
愛は存在するのかな?
赤いお鍋はぐつぐつと
赤い竜はじろりと見ます
崖の上では、兄弟が取っ組み合って
喧嘩して
崖の真ん中では、若い恋人達が幸せ
そうに手を繋いで
恋人達の真上には、孫とお爺さんが
笑ってる
そして崖の端の方には
落ちそうな奥さんを支えてる旦那さん
色んな愛が
あるんだね
悪魔は船を漕ぎながら
いいました。
私は彼の漕ぐ船を
降りて
崖を登るか
思案中
色んな愛が
あるけれど
選べないのが
恐ろしい