第6話 年寄りから若者になったジョーじいさん
宝石店でネズミのトムは指輪を受け取ると「さあ、おじいさん、もう一軒で支度が整いますよ。さあ急ぎましょう」と言うと、すぐ隣りの理容店に入って行きます。
理容店には白衣のよく似合うクマが「これはトムさん、ようこそいらっしゃいました。それで今日はどのような髪型になさいますか?」と言いました。ネズミのトムは「いや、今日は私ではないんだ。この人に似合う髪型を頼むよ」とクマのご主人に言いました。
ジョーじいさんは、ピカピカに磨かれた鏡の前の椅子に案内されました。椅子に座って鏡を見ると、なんとそこには若かった頃の自分の姿が映っているのです!「これは、どうしたことだ、おかしなことばかりだ。まるで夢でも見ているようではないか」と、自分の顔を触りました。
クマのご主人はハサミを器用に動かして、みるみるうちに髪を整えていきます。
ジョーじいさんは若い頃、とてもハンサムな男性でした。のびていた髭も剃ってもらうと、見違えるほどスッキリした若い男性になりました。
「クマのご主人はやはり腕がいいですね、感謝します。急ぎますので、お礼はまた次回伺った時に」とネズミのトムがそう言うと「お礼なんていいのさ、トムさんまたのご来店お待ちしていますよ」と、クマのご主人はうれしそうに言いました。
ネズミのトムは、今度は店のある町並みを抜けて、丘に続く小道を早足で歩いていきます。若者になったジョーじいさんはトムの歩みに足取りも軽く付いていきました。




