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第9話 三十年前のあの日へ
トムが寝ていた時に話しかけた声は続けて言いました。
「さろそろ三十年が経つ日になります。明日あなたはジョーじいさんを連れて私があなたに指示するとおりにするようにして下さい」と言うと声が聞こえなくなりました。
トムは父親から聞いたことを話し終えると「ジョーじいさんを次に向かうところへ決められた時刻までに案内するよう言われました。しかし、これからあとのことは、私にもわかりません。わかっているのは、ジョーじいさんに素晴らしい贈り物が待っているだろうというだけです」と続けて言いました。
ジョーじいさんは「いや私は君達ネズミに、ただ当たり前のことをしたにすぎない。君のお爺さんやお父さんの気持ちや忠実さこそ素晴らしいことだよ」と涙を流しました。
トムは「ジョーじいさんの親切への贈り物だと思います。私たち家族に本当によくしていただき、ありがとうございます。さあ、もう到着です。時間もピッタリです。今日は何の日かお忘れですか?三十年前にジョーじいさんがマリアさんと結婚式をあげることになっていた日なのです」と自分の役目を無事に果たすことができた事に満足した清々しい顔で言いました。




