腐女子の魔女
タイトル通り腐女子でできます。
腐っている魔女があるところにいました。
それは言い換えると、腐女子の魔女でした。
魔女はBLというジャンルがたいそうお気に入りで、毎回コミケで同人誌を買い占めする魔女でした。
ある日、使い魔のカラスが重たそうに籠を拾ってきました。その中には、赤子が2人入っていました。
使い魔のカラスは、今日は豪華な飯だ!やったぞ!と喜んでいましたが、魔女は食べ物ではないとカラスに言いました。
カラスは人間は食用といいますが、魔女は横に首を振ります。通常なら人間は美味しく食べるのですが、人間にとっては幸運か、その双子の赤子は男の子だったからです。
魔女は、双子の純愛(BL)を生で見ることができると喜び、その赤子に一人はニア。もう一人はノアと名付け、魔女の家で育てることにしました。
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「母さん、カラスに飯上げてきたよ。ね?手伝いできたからいい子いい子して?」
「これ…野菜……育っていたから畑のを収穫してきたよ…?」
拾ってから何年経っただろうか。ニアとノアは、立派な美女と美男になった。
カラスに餌を上げて、いい子いい子を求めるのが女の子ニア。
野菜をとってきたのが男の子ノア。
気づいたのは双子が成長してからだ。なんかニアが女の子だと使い魔のカラスが言うので、急いで他の魔女に確認しに行ったら、ニアは女の子だと言われた。ノアのほうが性格的に女の子だと思っていたのだが、まさかのニアだった。
確かに、BLが見れないことには残念だった。でも、なついてくれた双子のニアとノアが可愛くて、今更捨てることもできずに育てていたら、美男美女になった訳だ。
でも!私は諦めなかった!
BLではないが、目の前に美男美女美男美女がいるわけだし、BLではないが妄想していた純愛ラブストーリーを漫画にしたら大ウケしたのだ。今では、魔女ではなく、漫画家として人気になってしまった。そして、手元に来たお金はすべて、BLのグッズ、同人誌などに消えていくのであった。
それをみかねたニアとノアは、漫画のことは目をつぶり、魔女のお金を管理した。魔女が稼いだお金全部を後も考えず使ってしまうからだ。
「全部尊いの!だから全部…全部買わせてくれよ……ニア……ノア……。」