降伏
連邦の騎士は、ゆっくりと毒泥沼に沈みゆく中、闇の最高司祭ユピテルから 降伏の言質を取る事が出来たので、沼から出ることに決めた。
もしも、相手が徹底抗戦であれば、不本意ながら本気で潰す覚悟はしていた。ソドムを含む闇の信徒が何に変身しようが、殲滅できる自信はあったのだから。
ユピテルが連邦騎士の兜を軽く叩き、出て来るよう促すと・・・
騎士の鎧兜の後ろ側が、縦真っ二つに割れるように開いた。
そこから、ヌルリとした人影が飛び出て、地面に「ベチャリ」と着地した。
それは、全身が透明な粘液でヌルついた人物で、長い黒髪が白い肌にへばりついているため、皆に不気味な印象を与えた。
第一声は、シュラ。
「あっ、冴子さんだ!」、まさかの正体に驚きソドムの肩を叩く。
冴子は、特に反応せず、淡々と魔法の詠唱を始める。
すると、沼に半ば沈んだ鎧が姿を消し、既に沼から脱けだしている冴子の横に再び姿を現した。
これを見て、ソドムはようやく理解した。様々な攻撃に耐えた連邦騎士の鎧は、召喚されたゴーレムだと。
(前に冴子から鉄ゴーレム一体を保有していると聞いたのがコレか!まさか鉄の鎧型ゴーレムとはな。魔術師の欠点を全て補うとは・・天才か!?完璧な防御だけで、闇の大神殿が大騒ぎだからな・・更なるゴーレム召喚や攻撃魔法使われたら、かなりヤバい)
「連邦のマントだから、てっきりタジム兄だと思っちゃった」、シュラは膝カックンごめんね と、小声で冴子に謝った。
「知ってた」、腕組みしていたソドムは、目を閉じて平然と言った。
「ウソつけ!さっき、普通にタジム兄だと思って話しかけてたじゃん。しかも、スルーされてさ」、シュラは怒ってから笑った。なかなか忙しい娘である。
「知ってました!」、ソドムは譲らない。相変わらず、ごちゃごちゃ揉める二人。
冴子はヌメッた黒髪をかき上げて、後ろに流しユピテルに一礼した。ソドム達との馴れ合いより、国益が絡んだ交渉を優先させるのは当然である。
相変わらず、黒の下着姿のままなのだが、ユピテルも似たような普段着なので、違和感は少ない。
儀礼上、名乗りを上げようとしたが、ユピテルに先を越された。
「連邦王国・宮廷魔術師長 冴子=ガンダルフ=アスガルドさんだったよね。見かけによらず、度胸あるわね」、ユピテルの正直な感想だった。
「いえいえ、この度の無礼な申し出をお受けいただき感謝しております」
「連邦と闇の教団とは対立関係ですので、念の為 鎧代わりに鉄ゴーレムにてお邪魔した次第。ただ、ゴーレムの中に入ってしまうと、互いの声が届きにくいので、書面で用件をお伝えさせていただきました」冴子は、強引な乱入の経緯を説明した。
まあ、ソドム達と共に着岸した直後に、投網で絡めとられて、弓兵に囲まれたのだから、警戒するのは当然である。
大悪魔ドゴスが、巨体の片膝をつき、謝罪と釈明を始めた。当然、周囲に埃と瓦礫が飛び散る。
「申し訳ないことを致しました。連邦の手練れが襲撃してきたと勘違いしてしまい・・・。我等も、ご婦人が書状を携えてのご来訪とわかっておれば、手荒なマネは致しませなんだ」と、ドゴスは項垂れた。
「そうですとも、私たちだって鬼ではないのですから」信徒達も謝罪する気持ちはあれど、少し腑に落ちないようだった。
ソドム一行は、ツッコミたかったが雰囲気的に自重した。 「鬼じゃないけど、悪魔だろ!あんたら・・」、と。
冴子が揉め事承知で、連邦の鎧型ゴーレムに乗り込み乱入したのは、力の差を見せつけて交渉を有利にするためで、その試みは成功したと言える。
ユピテルは意外にも、大神殿の焼失には怒ってはいないようだ。
「まあいいや。書状の真意を理解するのに時間がかかってこの有様だけどさ。ストレートな内容を書いたら後々厄介って事情は理解してるよ。・・・で、今後の監視役である騎士達は・・」とユピテルは本題に入った。
「もちろん、厳選した若い騎士見習いを昼夜三人つけさせて頂きます。奥の院以外、建物がなくなってしまったので100人駐屯させるのは難しいですが、テントに30人くらいは住まわせることができるかと」、ザックリとした数字を示す冴子。
「わかった、ここの信徒達が外界に出て、定着するまでの一年くらいは、世話になるよ」、ユピテルはニヤリと笑う。
「はい、以前と違い 光の教団内の過激な派閥を押さえ込めるかと」
冴子は左遷されている穏健派の高司祭が、「亜人の子供や、罪を犯していない闇の信徒を迫害・討伐するのは神の意志ではない」と主張を発信して、影響力が増していると説明した。
そして、自らも闇の信徒であるソドムと行動を共にし、闇と犯罪者は異なるものと実感して、独断で先ほどの条件をだした、と伝える。
「しかし、この時期に手打ちとはねぇ?」、それとなくユピテルが理由を聞いた。
「実は、ここへの包囲軍を縮小することになりまして。それに焦ったタカ派が、闇の大神殿に総攻撃を主張し、手柄と発言権を強めようとしておりましたので、先手を打たせてもらいました」
「ふーん、まあ いいんだけどさ。ちょうどソドムが来たから、最高司祭を譲ろうと思ってたんだよね」、とソドムの方を向くユピテル。唐突な話に周囲は呆気にとられた。
「ま、わたしも とっくに思春期じゃないから、光とか闇とか言って はしゃぐのは卒業しようと思う」
「受け取ってもらいたいモノって、最高司祭の地位だったんですか!?」、少しづつ理解してきたソドム。
「ちょっとした儀式をして終わりだよ。で、降伏・解散だ」
「待ってくださいよ姉御!そんな面倒な事やりたくないです。てか、最高司祭になったら目の虹彩が赤くなるじゃないですか!ちょっと疑われたら討伐されてしまいますよ、マジで!」、ソドムは猛反発した。
それはそうだろう、その目立ち具合といったら、賞金首が自らの手配書を胸と背中に貼り付けて歩くに等しい。
だからこそ、こんな辺境の干潟にユピテルが住んでいるわけで。
先代のザームは、連邦王国の宮廷魔術師長を兼任していたのだが、大神殿から出たときは常に目をつむり【盲目の魔術師】として職務についたという。
だが、盲目の演技が仇となった。
ザームは、連邦王ファウストと賭け将棋をやったのだが、ファウストは盲目のザーム相手に、どうせ見えないだろうとズルをした。
薄目を開けていたザームはイカサマを目撃して、ウッカリ指摘してしまったのだ。
そこからは、言った言わない・やった やってないの不毛な口論になり、結果 ザームは連邦王国を追われ、今では北の辺境・悪魔王の大迷宮前で隠居がてらに雑貨屋をするはめになった。
静観していたレウルーラが、メリットがあることを思い出し、ソドムに近づき助言をする。
「確か最高司祭を引き継ぐってことは、闇の神から授けられた能力を引き継ぐということよね。【影武者】と【邪神の加護】が使えるようになるわよ」、そう耳打ちした。
【影武者】は分身一体作って、同じ攻撃をさせる事ができて、【邪神の加護】は信徒達が戦をする時に 最高司祭の力で援護できるとソドムは記憶している。
だが、そこは暗黒魔法・・何かしらの欠陥がある。
「だがなぁ、【影武者】は弓矢直撃で消えてしまうほど脆弱で、【邪神の加護】を使うほど 闇の信徒は組織力がないから役に立たないだろう」、ソドムはリスクの割にリターンが少ないので消極的だ。
ザームが最高司祭だった時代、大規模な闇の軍勢による戦いが一度あり、連邦王国側にいたソドムは加護発動を見たことがある。
闇の軍勢上空に、巨大な黒衣の邪神らしきものが投影され、その邪神が闇の軍勢に【狂戦士】をかけたようだった。
闇の軍勢は、凶暴化と痛覚半減の効果を得て、数に勝る連邦王国軍を蹂躙したが、体力が向上したわけではないので、途中へばって包囲殲滅された凄惨な戦いであった。
強力さは認めるが、闇の教団のために起ち上がるつもりもないソドムには、魅力がない。
「確かにそうね。でも、その使い道を考えて最高の効果を引き出すのは貴方の得意とするところでしょ。もしも、いらないなら誰かに譲渡すればいいんじゃないかしら?」
レウルーラは、貰うだけ貰ってから判断しようと勧めた。
言われてみて、ソドムも可能性を一瞬検討した。
(【影武者】が一撃でやられるなら、自分が体を張って守れば、単純に攻撃魔法の手数は二倍になるわけか)
責任やしがらみは厄介だが、決定打のない暗黒魔法を強化できるなら悪くない・・・ソドムは合理主義なので、人の助言に耳をかたむけ、良さげなら 執着を捨てて方針を変える。
そして、詳しい内容をユピテルに確認し始めた。
冴子はユピテルとの交渉も順調に進み、心に余裕ができ、ようやく周りが見えてきた。
ソドムに耳打ちした黒コートを羽織った女性・・・10数年前の記憶を辿り、憧れの女魔術師レウルーラと気がついた。
「ルーラ姉!お久しぶりです!呪いの話は本当だったんですね!」冴子は己の立場を忘れ、少女時代に戻ったように、飛び跳ねながらレウルーラのもとに駆け寄った。
容姿端麗、少しクールだが面倒見が良く、魔法学院を首席で卒業、そんなレウルーラは後輩の女子の憧れであり、よくモテた。
今でこそ、アーティファクトである[召喚の腕輪]があるため、召喚魔法を中心に研究しているが、かつてはオールラウンダーで、攻撃魔法や付与魔法などあらゆる分野で才能を発揮したものらしい。
レウルーラが10数年間 犬であったため、冴子とは年齢が逆転していて、他の者達からすると、大人の女が年下の小娘に懐いている変な絵図なので、皆の奇異な視線に冴子は気づき我に返って、姿勢を正した。
(おっと、取り乱してしまいました。しかし、魔術師・光の司祭でも解呪できない強力な呪いを解くなんて、ユピテル殿の力はガセではなかったのですね)
一方、レウルーラは自然体だ。
「冴子ちゃん、その鉄鎧ゴーレム秀逸ね。発想と実行力に驚いたわ。物理攻撃は効かないし、魔法攻撃も効かない・・呪いのターゲットにしようにも、中の術者を対象にできないわけね」まじまじと鎧を見て言った。
(これは、本当に素晴らしい)
「いえ!恥ずかしながら、まだまだ改良すべき所がある試作品です」憧れの先輩を前に、赤面する冴子。
「さて・・、どこかしら」、そう言ってレウルーラは鎧に近づき、様々な角度から見て検証し始めた。探究心が強く、未知の魔法には めがないレウルーラ。
「音と・・、乗り心地かな?」
「ですね、外部の音が聞こえづらく、大柄な男性のサイズですので擦れて痛いこと・・後はゴーレム共通ですが、細やかな命令ができない所です」
「摩擦対策に裏起毛を採用し、私自身 海草由来のローションを頭からかぶって摩擦に備えています」と、ヌメッた体の理由を明かした。
「なるほどね」
「このヌメりは、魔法以外の炎対策にもなるんですが、正直・・不快なのですけど」と、冴子は苦笑いした。
「でも、研究対象に対して試行錯誤するのは楽しいことよ」、とレウルーラは微笑み、二人の魔法女子トークは加熱していった。
「あっ、冴子さん・・トリスが服持ってきてくれたんだよ」そう言って、シュラが佇むカーニバル=フランソワ=マリーを指差した。
冴子の目が、少女のような輝きから、獲物を狙う蛇のような目つきへと変わった。
服 云々(うんぬん)の問題ではない、服の入った籠を持つ銀髪の男・・・名乗りは「カーニバル」だったのに、シュラからは「トリス」と呼ばれているので、ピンときた。
(干潟で自由がきかない中、散々イタズラをしてきたコカトリスかぁ!許さん!)
冴子は直ぐさま、ゴーレムに取っ捕まえるように命じた。
せっかく丸く収まった状況をぶち壊されては困るので、ソドムがユピテルとの話を打ち切り、割って入った。
「待った!冴子殿、冷静に・・。彼奴も長いこと魔獣になっていて、我を失っていたようなのだ。シュラを助けようとしたり、荷物を対岸に取りに行ってくれたりと、償いはしてくれている。なんとか、許してやってくれまいか」
ソドムは、トリスを庇いながらも、下着姿の冴子を前にして落ち着きがない。
ただ、今までと違いレウルーラの手前もあってエロ禁だから辛い。
冴子は少し思案して、軽くため息をついた。
「わかりました・・・、許しましょう」そう言って、ゴーレムを停止させた。
(まずは、服を着たいわ。そして、融和ムードを壊すわけにもいかないわね)
ソドム達のやり取りをキョロキョロ見ていたトリスであったが、冴子の激情が収まったのを確認して安堵する。
「マジ、すいませんでした」トリスは謝罪して、目を合わせず冴子に服を手渡した。
魔獣だった期間が長かったとはいえ、連邦王国宮廷魔術師長のパンツを幾度となく引っ張った罪は、万死に値する事ぐらいはわかる。
茂助が冴子の前で片膝をついて、体を洗う場所へと案内する旨を伝える。
ユピテルは察して言葉をかけた。
「ああ、そうね。話はだいたい決まったから、体洗っといで」
朝からずっと下着姿だったので、慣れてしまったが、今更恥ずかしくなる冴子。
「そ、そうさせていただきます」と顔を赤らめ、茂助の案内で奥の院裏手に走り去る。
「・・よかったなトリス。殺されずに済んで」ポンポンとトリスの肩を叩くソドム。
「はい・・皆さん寛大でよかったです」
「お前な、チャラいっつーか、軽いっていうのか、そういうの無しな」、トリスの肩を握りしめるソドム。自分もチャラい時があるのだが、自らのことは わからないらしい。
「は、はぁ」
「約束通り、お前には重責を担ってもらうから、チャラい男では困る」
「えっ!」
(キター!しかも簡単な任務なのにリターンすげー)
背筋を伸ばし直立不動でソドムの言葉を待つトリス。
「トリスよ、お前を執事に任ずる」ソドムは厳格な表情を作って伝えた。
「・・・!」、トリスは雷にでも打たれたように驚き、硬直する。
「殺されないどころか就職できてよかったじゃん」 と、シュラに頭をしばかれるトリス。タクヤも「頼むぞ」と声をかけた。
トリスはあまりの幸運に混乱していた。
(執事職っていったら、かつて大和のアシカガ将軍に代わり、兵を率いた副将軍的な管領 婆娑羅大名コウノ モロナオと同じ重職。って、えー!出世しすぎ!ソドム様、見る目あるぅー!)
※婆娑羅とは、無遠慮・派手好きなどを指す昔の言葉
ソドムは、トリスの喜びように笑顔で頷きながら、隣にいるシュラへ小声で話しかけた。
「使いっ走り・召使い って、あんなに喜ぶ職種なのか?」
「どうだろ。あたしやレウルーラの世話にかこつけて、しょーもない事するつもりなんでしょ?」
(触ったり、覗いたり・・男はホントにバカ)
「なるほどな。まあ、お前らに手を出したら・・殺す・・いや、暗黒転生で奴隷にしてやる」
ソドムは残忍な発言をした。その割には、暗黒転生で眷族にしたシュラに対しては、無慈悲な命令はしない不思議な男であった。
水気は拭ききれないものの、着替えを済ませた冴子が戻ったので、ユピテルが話をまとめた。
「じゃ、とっとと儀式始めよっか。奥の院でやるから、ついて来て。宮廷魔術師長殿も他言しないなら、同席していいよ」、相変わらず軽いユピテル。
「ええ!?よろしいのですか?秘中の秘ですよね?」、さすがの冴子も遠慮がちだ。
「そこは信頼関係っていうの?どうせ、教団は解散して、信徒は大人しく連邦の市民になるからいいんじゃね?」、このようなユピテルの考えを否定する者はいなかった。
ドゴスや信徒は、ユピテルに代わりソドム王が闇の教団を引っ張っていくことを期待していたが、教団自体を解散するのが二人の意思であり、信徒の安全保障まで考えてくれてのことだから、反対も何もない。
「では、ご一緒させていただきます」、冴子は一礼した。
「ガハハ」、唐突に後ろで大悪魔ドゴスの笑い声がする。
皆が注目した先には、ドゴスの巨大な足をくすぐるシュラの姿があった。話に飽きたシュラは、悪魔でも くすぐったいものか試したようだ。
敵として対峙しているのをくすぐるのは至難だが、知り合いならば試したくなる気持ちもわからんでもない。だが普通は、こんなアホな試みはしないものだ。
大悪魔に変身している間に、くすぐられるのは想定外だったドゴスは、驚いて少し飛び上がり、着地した。
「ギャ!」、女の鈍い悲鳴が響き渡る。
見ればシュラの両脚が、ドゴスの踵の下敷きになっていた。
魔人の特性である物理耐性があっても、数トンあるドゴスの重さには耐えられず、骨は折れ大量出血してシュラは意識を失っている。
「キャー!大丈夫!?」、レウルーラが駆け寄った。
もちろん大丈夫じゃないことくらい分かるのだが、それ以外に言葉が思いつかない。
あまりの出来事に、タクヤでさえ心配して怪我の具合を確認した。
「おいおい、さすがにこれは・・」、らしくなく 青ざめるタクヤ。
ドゴスは、ゆっくりと足を上げて変身を解いた。
黒煙に包まれた後、人の姿に戻ったドゴスは、シュラの手を握り、涙を流し謝る。
「も、申し訳ありません・・私は取り返しのつかないことを!」
だが、ソドムは冷静だ。
「おまえら、騒いでも事態は良くならん。だいたい、痛いのは本人だし、騒ぎたいのも本人だろう。まずは、落ち着け」と、まあまあと手振りをまじえ、口調も意識して ゆっくりと声をかける。
この一声で、焦っていた面々は安堵して、ソドムの指示を待った。
「てなわけで、姉御。さっきの魔法お願いします」そう言って頭を下げるソドム。
「ん?あれは、週一度しか使えないんだよね。そして、朝から自分に回復魔法使ったりして、もう魔力は残ってないのよ」、しれっと現状を言うユピテル。
「え、え~!?」
ソドム、膝から崩れ落ちるように手をついた。
(これはマズい!俺の光魔法は、信仰力不足で軽傷しか治せねぇ)
あまりの惨状に頭を抱えて転がるソドム。
「おおぉぉ~!」などと咆哮し、前言虚しく一番騒ぐ男になり果ててしまった。