サレン・シュヴァリエ&リナ・カヴァリエ②
「行ってきます!隊長!」
「にゃあ」
そんな風に見送るのがいつものことになっていた。
私は暖炉の前で横になり、彼女の帰りを静かに待つ。
そんな生活をしていた。
そんなある日だった。
「隊長」
真剣な表情でリナが目線を合わせて話しかけてきた。
私はちゃんと座りなおして聞く。
「実は、明日、呪術師達のアジトを壊滅させる作戦をするんです」
それを聞き、私は目を見開いた。
「最近、呪術師達の市民への被害が多くなってきて、それで王が決めたんです。私、頑張ってきます!」
そう宣言した。
私は、彼女の手に前足を乗せる。
それで、がんばってこい!という思いを渡した。
「隊長……、ありがとうございます!」
そうして、一緒に寝た。
翌日、リナは扉の前に立ち、深呼吸をした。
そして
「行ってきます」
そう告げて、戦いに向かった。
私は扉の前で座りひたすら待ち続けた。
何分も、何時間も。
あいつならやれるはずだ。なんといっても私の部下なのだから。
そして、その時が来た。
キィと音を立てて扉が開く。
そこには
小さな少女がいた。
茶色の髪に赤く腫れた目。
その姿は小さいがどう見てもリナだった。
「隊長……」
私は驚き声を上げると
「ドジっちゃいました。私も味方をかばって命を代償にした呪いに。えへへ」
そう笑っていた。どう見ても無理に笑っていた。
「しかも、余計なお世話だって……あはは」
私は、リナに近づき頭をこすりつける。
リナはそれを見て私を抱きしめる。
私を抱きしめて泣いていた。
「隊長……。わ、私、私、騎士団からも、追い出されちゃって、ただの、子供に、用は、ないって……、私、私、隊長、みたいに、かっこいい、騎士に、なりたかったなあ……」
言葉に詰まりながら、涙が頬を伝っていた。
私を抱きながらリナは泣き続けた。
そして泣きつかれて私を抱いて寝てしまった。




