サレン・シュヴァリエ&リナ・カヴァリエ➀
「これで終わりだ!」
私は剣を振り下ろした。
「ぐわぁ!」
呪術師が倒れる。
私は王国騎士の騎士隊長のサレン・シュヴァリエ、今、私は呪術師達にさらわれた王子を助けるため呪術師達のアジトに潜入していた。
牢屋のカギを壊す。
「さあ、帰りましょう」
私は王子に言う。
「……うん」
泣きながら王子は出ようとしたその時だった。
「危ないっ!」
そう後ろから声が聞こえて振り返ると、部下のリナが遠くにいて、呪術師が呪いを王子の方に放っていた。
「くっ!」
私は咄嗟に王子をかばって呪いを受ける。
何の呪いを受けた?
体が熱い。
燃えるようだ。
「ぐっ、ぐあああああ!」
ようやく暑さが引いて目を開けると、体中に毛が生えていた。
なんだこれはと言おうとしたら。
「にゃあ!」
と声が出ていた。
まさか、これは……。
私は猫になっていた。
そして呪術師は命が尽きて死んでいた。
――……
リナに運ばれ城に戻ってきて、王の前にいた。
王は玉座に座り冷ややかな目でリナと子猫を見ていた。
「これがサレンだと?」
王の冷たい声が部屋に響いた。
「このみすぼらしい子猫があのサレンだというのか?」
「はい。」
「ではどこへなりとも捨ててこい」
王は信じられないことを言った。
「……は?いまなんと?」
リナは目を見開いて聞いた。
「捨ててこいと言ったのだ。貴様も知っておろう。あの呪術師達の呪いの中でも命を懸けて放つ呪いは解けないものであると。」
「はい。しかし、今まで国に対して隊長がどれだけ……。それに、隊長は王子をかばって猫に……」
「それが仕事だろう」
王は冷たく言い放った。
「わかったらもう行け」
そう言って追い出された。
「隊長!騎士団のみんなの力を借りましょう!」
リナは明るく振る舞いそう言った。
ああ、騎士団の仲間たちなら力を貸してくれるだろう!
そう思っていた。
しかし、
「は?なんで力を貸さなきゃなんねえの?」
返ってきたのはそんな言葉だった。
「……なんでって、隊長のためですよ!力を合わせて王に呪いを解くための研究をしてもらったり生活の支援をしてもらうんです!」
「だからなんで?」
「え?」
リナは信じられないことを聞いたような顔をしていた。
「研究さんざんしたんだろ?前にもいたじゃん命がけの呪いで動けなくなった奴とか。でも解決できてねえじゃん。じゃあ、もう隊長じゃねえ、ただの猫じゃん。こいつ。そんな奴の生活の支援なんてなんで頼まなきゃなんねえんだよ。」
そういって私に対して、そいつは、頭を押さえつけてきて言い放った。
私は威嚇をするが、
「全然怖くねえよ!隊長!じゃねえか、元隊長!」
そういって、私をはたいてこようとした。
「やめてください!」
リナが庇いリナに当たりそうになったその時
「やめろ」
騎士の腕を老騎士で副隊長のレンドが掴み止めた。
チッと言ってその騎士はどっかへ行った。
「大丈夫か?」
レンドが聞いてきて私はうなずく。
「しかし、お前が猫になった途端こんなことになるなんてな……。これからどうする?」
しばらく沈黙が流れた後に
「私の家に来ませんか?」
リナが私に向かってそう言った。
「隊長が嫌じゃなければですけど……」
私は、足に頭をこすりつける。
嫌なはずないだろう。ありがとうリナ。
「良かったです!じゃあ家に行きましょう!」
「リナまかせたぞ」
レンドが真剣なまなざしでそう言った。
城からしばらく歩くと小さな家が見えてきた。
リナの家だ。
城下町の隅にある家で木造の家で、素朴な感じのいい家だった。
リナは暖炉の前の椅子に座り、私はその膝の上に座った。




