エピローグ
「帰ったぜ」
そう言って俺はギルドに帰ってくる。
「帰ったかライド。大変だったらしいな。魔物が大量に出たとか」
そう言って、エレナがグラスを拭きながら聞いてくる。
「ああ」
「そしてその様子から見るに、あの二人には断られたか」
「ああ、断られたよ。もう居場所があった。あと二人じゃなくて三人な」
「三人?」
「ああ、もう一人いたんだよ。あそこ」
「そうだったのか」
「ああ、でもそいつにも断られたけどな」
「いいことじゃないか。居場所がもうあるってことだろ?」
「ああ、そうだな」
俺は微笑んで答えた。
「で、なんで今回お前来なかったんだよ」
「ん?ああ、あそこ元々、私が住んでいたところでな。あそこでちょっとした有名人なんだよ。私」
そう言ってエレナは遠くを見るような眼をしていた。
「そうだったのか」
「ああ」
「それはそうと、次の話なんだが――」
とエレナが言いかけるが、俺はそれを制止する。
「少し休ませてくれ。帰ってきたばっかだぞ」
「そうだな。今度は私が行ってくる。ゆっくり休んでくれ」
「ああ、そうさせてもらう」
そう言って俺は二階に上がった。
そして自室のベットに入りながら、今までのことを振り返る。
ああ、いろいろあったな。
いろんな人間が運命のいたずらでいろんな悲惨な目にあって。
俺自身も悲惨な目にあった。
でも、最終的にあいつらは、自分の今の居場所を見つけていた。
辛く、苦しく、もう終わりだと俺も思っていた。
あいつらもそう思ったりして、立ち止まることもあったかもしれない。
でも
そんなことはないんだと思わせてくれる。
人間と出会えた。
……。
そんなことを考えてると、やっぱりついていこうかな。
そんな風に感じて下に降りて
「やっぱ話聞かせてくれ」
という。
エレナは俺を見て少し考えて
「疲れてそうだし休んどけ。無理して倒れたら元も子もない。明日たっぷり聞かせてやる」
そう言われて、二階の自室に押し込まれた。
仕方ない寝るか。
と俺はたっぷり寝て、目が覚めると翌日の夕方だった。
「いやー良く寝てたな」
「自分が思ったより疲れてたらしい」
「うん。そうだな」
「で?次はどんな奴なんだよ」
「実は、――」
そんな風にブラックシープの活動は続いていく。
世界に居場所がない人間がいる限り。




