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エレイル・ラーテス④

朝、目を覚ます。


ここは……。


私は、見回す。

そして隣に寝ている少女に目を移す。


ああ、そうだった。


「ん、んん……」


そう隣の少女、ルルが目を覚ます。

そして私を見つめて


「……おはよう、お姉ちゃん」


「ああ、おはよう。ルル」


ルルは起き上がり、どこからかパンを一切れ出す。


「これは?」


「昨日、拾った」


「そうか。ルルは?」


「私はいい」


この子は

唯一の食べ物を

私に?


……。


私はその食パンを半分にしてルルに


「一緒に食べよう」


と渡した。


「いいの?」


「当たり前だ」


そうして一緒に食べた後私は、


「職に就こうと思う」


そうルルに言った。


「職?」


「ああ」


そう言うとルルは伏し目がちで


「でも、どこも雇ってもらえないかも……」


そう言った。


「どうしてだ? 私が魔物だからか?」


「それもあるけど……」


「実は私も、雇ってもらえないか聞きまわったことあるけど、ボロボロの服や子供だからってどこも雇ってくれなくて、だから……」


「私も確かに、見た目ルルより少し年上という感じだな」


「……うん」


私はルルのボロボロの服や家の中を見る。

絶対お金は必要だ。

そう思う。


「まあ、雇ってもらえないかもしれないけど、一回この街の店を回って頼み込んでみるさ」


そう微笑んで言った。


ご飯を食べて少し休んだ後


「じゃあ、行ってくる」


そう言って私は家を後にしようとした。

そしたらルルが


「私も行く」


そう言った。


「え?」


「行く」


そう言って譲らなかった。

私を心配してくれているのだろうか。


確かに私一人で行けば何をされるかわからない。


「ありがとう」


そう私は言って手をつなぎ、街へ出た。


店から店へ、移動していく。


しかし、


「魔物なんか雇えるか」


そればかり。


魔物なんか雇って問題を起こされたら。


客が不安になる。


理由はいろいろだろう。


そうして、店を訪ね続け、いつのまにか夕方になっていた。


「お姉ちゃん、ここが最後のお店だよ」


そこは、丘に建っている鍛冶屋だった。


「すみません」


そう言って入ると、カン!カン!という音が聞こえてきた。

一人の老人が刀を金づちたたいていた。


私達に気づいていないようだった。


「すみません!」


声を張り私は呼びかけた


「あん?」


そう言って老人は手を止めてこちらに振り返った。


「なんだお前ら」


「あの、働き口を探していて……」


「別に働くやつ募集してねえよ。帰れ」


そうして、仕事に戻ろうとする。


「ま、待ってください!何でもします!雇ってください!」


私はそう言う。

ここを断られたら本当に働けるところがない。

頼み込む。


老人は、こちらをじっと見つめる。


「お前何ができる?」


そう聞いてくる。


「剣を振っていた経験があるので試し斬りとか……」


「……じゃあ、ためしにこれ、振ってみろ」


そう言って立てかけてあった刀を渡された。


私はその刀を持ち、外に出て、何回か振る。

工房に戻ってきて、一言


「少し重いですね。この感じの刀だったら軽くして振りやすくした方がいいと思います」


そう伝えた。

老人は、刀を受け取り、観察する。


そして、


「明日から来い」


そう言われた。


「あ、え?」


「採用だ」


「あ、ありがとうございます!えっと……」


「フォルだ。お前は?」


「エレイルです」


「私はルル」


「お前は聞いてねえよ」


そう言われてルルはむくれていた。


「じゃあ、明日の朝から来い」


「はい。ではまた明日。フォルさん」


「ああ」


そうして私たち帰ろうとすると、


「おい」


そう呼び止められて、振り返ると袋を投げられる。


「持ってけ。給料の先払いだ」


フォルさんはそう言ってお金の入った袋を渡してくれた。


「え、でも……」


「いいから持ってけ。空腹で倒れてこれなくなっても面倒だ」


「あ、ありがとうございます!」


そう言って私たちは帰る。


「ルル、何食べたい?」


「お姉ちゃんとなら何でもいいよ」


「そうか」


そう言って私達パンを買って帰った。


家につき、ルルはクロワッサンを口にする。

一口口に入れると、ルルは目を見開き、バクバクと食べる。


「そんなに急いで食べなくてもだれも取らない。ゆっくり食べろ。のどに詰まるぞ」


「うん」


そう言って一緒にパンを食べて寝た。


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