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エレイル・ラーテス②

あれからどれだけ経ったのだろう。

私はいまだに森にいた。


何をするわけでもなく、ただ、森であの腕輪の破片を抱えて、木にもたれかかる。

目には光をともさずに、虚空を見つめる。


私は、なぜ。


こんなことに。

こんな目に。


私は、間違えていたのか? 何かを

手を差し伸べるべきではなかった?


あの時、叩き斬っていればよかった?


私は

私は

私は!


「違う!」


そう言って木に頭を打ち付ける。


頭から血が垂れていく。

それも気にせずに湖を覗き込む。


そこにおでこから血が垂れている魔族の少女が映っている。


そうだ。

間違っていない。


騎士として恥ずべきことは一個もなかった。

苦しんでいる者に手を差し伸べること。


それが間違っているはずがない。


私は立ち上がる。

そして森から旅立った。


――……

ある戦場で剣を拾い、埃を被ったぼろぼろのローブを拾い、それを着る。


そして、魔物とバレない様にローブを着ながら街から街へ移動して、人を助け続ける。

元の街に戻ってもあいつはいなかった。

私はあいつを探しながら人を助け旅をする。


時には盗賊を倒し、

時には魔物を倒し、

時には猛獣を倒す。


「ありがとうな、嬢ちゃん!」


「ありがとう、お姉ちゃん!」


人々は笑顔でそう言ってくれた。

私にはそれで十分だった。


私は、エレイル・ラーテス。

騎士だ。


人間でなくなろうとそれは変わらない。

苦しむ人々に手を差し伸べ、助ける。


私の心は騎士であり続けると決め、旅を続ける。



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