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Ep.92 ORIGINS WAR /* 私のために死ね */

 ……まぁ、ひとまず逃げた触手の化け物のことは忘れよう。さっきまでより身軽だしね?



「ん、んー……なんか普通の身体で戦うの久しぶりだね」


 少し体を伸ばす。別にストレッチというわけでもない、ただの無意味な行動。

 しかし心は軽くなった。


 私は薬指に嵌められた指輪を確認、そして黄金の巨人へと向き直り……




「やろうか、アルテルト。」



$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

『《《VIP専用》》 確実な“死” 今なら$5,000,000 ゴルでご提供!!』

『《《大出血サービス》》で 素早い《お亡くなり》』

『主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました』

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$


 翼を広げ、空へと飛び上がる。この羽使うのも久々だね……吸血鬼なのに。



 まずは小手調べからいこう。左手をアルテルトの方へと向け、特に意味もなく指を鳴らしながらスキルを発動した。



「【幽月ノ(セレナトリス)夜狂恋牢(・ルナグラシア)】」



 空が一瞬で灰色に染まる。




$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

『こん な範囲が“狭い狭い、狭すぎて笑” な《《Attack》》ォ 『避ける??』 ノーコスト 簡単 《《簡単》》』

『…,,,,,,。 ン??』

『足 動か な,,,…..。』

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$



 奴は楽勝とほざいたが、いつの間にやらアルテルトの足首にはわりとガチなデザインの足枷が装着されていて……それによって奴の動きは鈍くなっていた。

 そして、その隙を突いて灰色の光がアルテルトを襲う。


 レーザーの如き無数の光が、アルテルトの肉体を貫いた。



$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

『ホギャァ!!??』

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$


—————————————————————

オリジンスキル【幽月ノ(セレナトリス)夜狂恋牢(・ルナグラシア)


消費MP:66666

CD:2m


《使用条件》

【AbyssMoon Ring】装備中にのみ発動可能。また、装備中は本スキルの消費MPを0に減らす。


《能力》

・特殊エリア【幽月ノ(セレナトリス)夜狂恋牢(・ルナグラシア)】を展開する。本エリアは2分間持続し、解除されない。本エリア展開中、範囲内に【夜】【暗闇】を付与し、エリア内の敵キャラクターすべては【挙動補正】が弱体化し、移動速度が非常に低下する。また、エリア内のランダムな敵キャラクターに対し、1秒毎に【灰永ノ世界(アシェルネ・)ヲ照ラス光(アークレイシア)】を発動する。

・戦闘終了まで、自身に【誓約・狂夜】を付与する。

—————————————————————



 【永誓の隷(ルミナビアス・)環と星(ドミナリッジ)光の淵月(・ディグレイム)】は発動後、私に大量のオリジンスキルを期間限定で解放してくれた。

 おそらくこれらを使えるのはこの戦闘中のみだろう。ならば……



「全部使い潰そうか、【哀艶ノ夜囁(ヴェルミュナシア)()瑠璃ノ(クロア)神域(ネシア)】」


 再び周囲の景色が変化する。今度は……なんだこれ、式場?



$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

『ワレ 観客???』

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$


 その式場結界の中心部、大きなケーキのようなものの中に……アルテルトの巨体が閉じ込められていた。



—————————————————————

オリジンスキル【哀艶ノ夜囁(ヴェルミュナシア)()瑠璃ノ(クロア)神域(ネシア)


消費MP:66666

CD:2m


《使用条件》

【AbyssMoon Ring】装備中にのみ発動可能。また、装備中は本スキルの消費MPを0に減らす。


《能力》

・特殊エリア【哀艶ノ夜囁(ヴェルミュナシア)()瑠璃ノ(クロア)神域(ネシア)】を展開する。本エリアは2分間持続し、解除されない。本エリア展開中、範囲内に【愛】【幸運】を付与し、エリア内の敵キャラクター1体に【行動不可】【被ダメージ上昇】を付与し、【英雄補正】を0にする。その他の敵キャラクターには【攻撃不可】を付与する。

・特殊武器【誓約の神聖剣アストライア】を召喚する。本スキルによって【行動不可】を付与されたキャラクターに対して、この武器を用いて攻撃した時、特殊エリアの持続時間を0にする。

・戦闘終了まで、自身に【誓約・LapiS Lazuli】を付与する。

—————————————————————



 いつの間にやら、私の右手には白い剣が握られていた。今回は『アストライア』の名を冠しているが、ちゃんと神聖な雰囲気を醸し出している。



「ケーキ入刀、行くよーっ!」


 空中へと飛び上がり、同時にどこからともなく現れた亡霊状態のラピスも武器を構えて———



「【桜吹雪・惨劇】」

『【究極之一太刀あるてぃめっとぶれいぶ】』


 赤黒い桜が散るエフェクトと同時に、私とラピスによる連携攻撃がアルテルトに向けて放たれた。


 真っ直ぐに振り下ろされた斬撃がケーキになってしまったアルテルトのど真ん中を切り裂き———式場の景色が砕け散る。



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『イタイイタイイタイイタイ!?!?』

『おま,,,….。 《【殺す気】》力???』

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「そりゃあもちろん。私のために死んでくれ」






よければぜひ、この小説が面白いと思った方は☆☆☆☆☆をいただけると嬉しいです!

本当にね!!!

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