Ep.86 ORIGINS WAR /* Noxes Intrusion IV */
『【リアリティ・リライト】』
はい増植バグ。運営に通報します!!!
ぞろぞろと、単細胞分裂を繰り返すかのようにノクセスの身体が増える。増える。増え……増えすぎじゃないか?
え、前10体とかだったよね?
なんで急に100体くらいに増えてるの??
『『『『『『私たちがお相手しよう』』』』』』
『『『『『『これが真の破滅』』』』』』
『『『『『今回は本気で暴れさせてもらう』』』』』
『『『『『『お前が勝つことはできない』』』』』』
『『『『『『【ミソロスクリエイター】』』』』』』
『『『『【アストラルドライブ】』』』』
『『『『『『【レジェンドクラッシャー】』』』』』』
『『『『【コンバット・リサーチャー】』』』』
『『『『【オリジンズ・フィナーレ】』』』』
『『『『【カオスタイム】』』』』
『『『『『【クロノ・トラベラー】』』』』』
すべてのマネキンの手元に武器が生成されていく。銃、剣、鎖鎌、ハルバード、レイピア、ロケットランチャー、レールガン……?、なんか回転する棺桶みたいなの、バカデカいただの鉄球……
同時に空が割れ、灰色の隕石が異常な速度でこちらへと降り注ぎ———さらに、少し離れた空がまたもや割れる。
そこからは巨大な目がこちらをじっと見つめ、一瞬それを瞑ったかと思えば……
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『チャソス[到来]!!』
『乗る鹿ねぇな“この”〔タイダルウェイブ〕ニಠ_ಠ』
『《《アルテルト》》サマも,,,…。[教習]!!』
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『アノマリー・エンカウント!!!』
『オリジンモンスター【魂うまい!うまい!のアルテルト】Lv./* Loading…… */』
『錬金英雄,,《《タマシイ》》うまし、うまし』
『ワレ[[現在進行形]]デ〈〈昇華中〉〉』
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空の大穴から汚泥の滝が降り注ぎ、その中から大量の兵器たちが現れる。
私がアルテルトに作り方教えたやつも混ざっているようで、空飛ぶ戦艦みたいなやつやら普通の飛行船やらヘリコプターやらも見つかった。
漁夫する奴ってクソだよね!!!
『『『『『『よそ見する暇などあるのか?』』』』』』
拳や武器に青い光を纏わせたノクセス軍団が、私の身体目掛けて超速で突っ込んでくる。1発1発を耐える自信は全然あるが、さすがにこの数はマズい。
少し視線をズラせば、そちらには黄金の光に包まれたノクセス軍団。さらに別の方向では銃などの兵器をこちらに向けているノクセス軍団。
下の方を見れば、生身でこちらに挑んできているノクセス軍団。
空を見上げれば———灰色の隕石群。
先ほどから謎のダメージも受けている。打撃っぽいし、受けた位置的にはおそらくノクセスの攻撃……時間を無視した過去からの攻撃とか、そんな感じなんだろうか。
その上で、遠くからは機械兵器たちによる砲撃がこちらに向けて放たれた。
しかしなんだか時間の進みが遅い……なんなんだ一体、ゾーンにでも入ったのか?
いや、しかしこの攻撃は本格的に死にかねない。一瞬くらえば連鎖的にすべて当たってお陀仏確定だろう。
しかし、これをどうにかする方法はいくつかある。今この瞬間、このゾーンらしき状態で少し考えて……私はひとつの方法を選びとった。
時間の流れが元に戻り、そして———
◇
『『『『『『『『『やったか?』』』』』』』』』
ご丁寧なフラグ建設、どうもありがとう!
今現在、私の身体はボロボロになって地面に倒れ伏しているが……死んだ瞬間に、『ラピスのスキルで贈与された』オリジンスキルのひとつが発動した。
これは、彼女が私とこのゲームで初めて出会った時にも使っていたもので———
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オリジンスキル【星見る瑠璃の死天使】
消費MP:0
CD:7d
能力:自身のHPが0になった時、それが敵キャラクターの攻撃によるものなら、このスキルを発動できる。これ以外の方法でこのスキルを発動することはできない。発動した時、最大HPを10000増加させ、HPを全回復して復活する。また、敵の能力に応じて、すべてのスキルが一時的に進化する。周囲の敵キャラクターすべてに【光属性耐性低下:50%】を強制付与し、自身に【光属性】【最終ダメージ軽減:50%】【挙動補正:100%】【英雄補正】を付与する。戦闘終了後、これらの能力をすべて解除する。
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倒れ伏していた身体が、少しづつ起き上がっていく。ノクセス軍団やアルテルトの兵器による攻撃は受けているが、残念! 変身中はダメージを受けないタイプのボスです……!
『オォ……オオォォォォ……』
吐息が漏れる。なんか邪悪なボイスエフェクトがついていた気がするのは気のせいだ。多分。
背中がバリバリと音を立てて開き始める。
そこから巨大な白い羽が無数に生え、やがてその数は百対を超えた。
化け物部分の体色が、肌色と紫色の合わさったようなものから……白と黒が混ざったものに変わっていく。
触手たちには元々邪悪な目が生えていたが、その数も倍化した。
触手から浮き上がっていた鎖のような模様がさらに増えた。
触手から生えていた無数の小さな枯れた手が、みるみるうちに生気を取り戻していき……やがて赤ちゃんの手のような質感になった。
犬歯が伸びた。顔にヒビが入った。第三の目が再び開いた。爪が伸び、尖っていく。胸の中心に炎のような何かが灯った。
視界の先には無数の何かが見える。それらは浮島のような形をしていて、数は無限かと思えるほどだったが……すぐにその光景は視界から消えた。
目の奥でまたもや何かが見える。それは青い月のようなもので、じっと私を見つめていた。
しかし、その光景もすぐに見失った。
『オオォォォォ……オァァァァァァァッ!!!』
『『『『『『ぐっ!?』』』』』』
『『『『『『咆哮でこの威力か……!』』』』』』
『『『『2つの根源の波動を感じる……』』』』
視界が完全に戻る。正気も取り戻した。
さっきまではなにか変なものを見ていた気がする。なんだったかは思い出せないが、まぁこのゲームやってたらよくあることだ。
ひとまずは……
『やろうか、ノクセス。第二ラウンドだ』




