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Ep.78 $$€@“¥&@Arc>>>>———接続。暗闇でも、見えている、私は、私は誰だ、敵は誰だ、なぜ不自由、次の夜明け、私の、私の、妹は?剣は?自由は?

Season 4:⬛︎リ⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎ォ⬛︎

◇Liberty Plains———決戦開始1時間前



「お、雑魚モンスターが湧き出した。これ狩ってイベントまで暇つぶせって?」


 リバティー・プレインズ……アメリカサーバーにおける【ジマリハ平原】のような立ち位置のエリア、その端の方で私は呟く。


 周囲には、最近アメリカサーバーでは確認されていないはずの機械モンスターたちが大量に湧いていた。


 私はイベントまでの時間を確認するため、メニューのカウントダウンタブを開いた。すると……



—————————————————————

『メインイベント開始まで:00:00:59:54』

『開催地&&¥)3:.,¥&%}}??{{count}}』

『ヤァヤァ《《アステリア》》!!』

『ワレだよ ワレ ワレワレ』

—————————————————————


「……アルテルト?」


 突如、ログ画面にバグが起きたかのような表示。そして文字が置き換わり、推定【商売魂!のアルテルト】がこちらへと語りかけてくる。



—————————————————————

『アナタに[[BIG]]なチャソス!!』

『今ワレの《陣営》所属スルならば,,,アナタ《超優遇》を【契約】しまショウ』

『アナタ《在籍》ならばワレの$$優勝$$間違い《アリナシどっち??》』

『ナンナラ“カネ”をあげよう《アステリア》』

『贈与:10,000,000,000 ゴル』

『求ム:《敵》全滅。』

『《天使ちゃん》には断られチャタ(・Д・)』

『あの《鎖の天使》からアナタの趣味悪いこと《《明白》》,,.,《アステリア》…。アナタ, ワレと共に[来い]』

—————————————————————



 まぁ悪い誘いではない。しかし、今回はそういう感じじゃないのでパスです……! 残念でした……!


 あと私のことディスっただろコイツ。絶対後でぶち殺してやるからな。



—————————————————————

『《《《フザケルナ!!!!》》》』

『コノワレの提案を((断ル))トはドーいう了見だ!!!?』

『100億“ゴル”だゾ!! 《《100オク》》だゾウ???』

『通常ナラ《ドヤ街》一帯買エテしまう程の金品!!!』

『ユルサナイユルサナイユルサナイユ¥&&&@@97¥&:/.?..?)6((¥!@@“””?!!$$$$$$$$$>>>>>>>———接続。夢創神、クリエイター、呼び出す、どこへ?』

『《天使ちゃん》に続イテ貴様も!? マサカ!! マサカの《《二連続拒否》》!?』

『夢、創る、場所、あの先に、果てに、2人の楽園』

『ワレの《《プライド》》を¥¥消す¥¥のか《《アステリア》》!!』

『必要、変数、世界、外、優しき、あるいは』

『ソノ「趣味の悪イ」趣味の悪イ趣味の悪イ!! 趣味の悪イ趣味の悪イ貴様だッテ!!』

『なぜだ……なぜ私だけが気づいたんだ……! なぜ私だけがこれに苦しまなければならないんだ……!』

『ワレの【カネ】と【地位】と【権力】と【栄光】に!! [[ヒレ伏シテ]]当然!!当然!!当然!!当然!!』

『どうするか、不明、何も、何が?』

『あああアアアア!!!! クソ!! クソクソクソ!!《自主規制》!!!《自主規制》!!!《自主規制》!!!』

『死、計画、再生、百剣、錬金、世界、記憶、輪廻、終幕、希望、接続、永遠』

『覚えてオケ*オリジンズ・ウォー*!!《《アステリア》》!!』

『天帝、求む、世界、外、真の、命、妹、どこに?』

『【契約】シないならば!,??’”。アナタはワレの《敵》デアルヨ!!』

『私は諦めない。いつか必ずたどり着いて、そして……』

『[[殲滅対象リスト]]に《《《最優遇》》》で載セテヤル!!!!』

『私たちの黎明は永遠に訪れない……そう、今しがた分かっただけだ。』

『ワレの“商売”の邪魔ヲスル奴ハ……!!!! 容赦セヌゾ!!!!/*ここにArt01の《心の声》を♡挿入♡!!*/』

『優しき光、邪悪な笑み、すべてが虚像、何もかも、やがて消えるだけ』

『グギャアアアアア!!!』

『目標、殺害、』

『夢島アカリ。』

『———<<<<<<<<<^£$}]|>€£’bfxc??:5¥!!&@&&@&(4;¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥$$$$$$$$$接続終了。このログは削除されました。』

『(O_O)』

—————————————————————


 おうおう、過去一長いログだね……こいつブチギレライン低くない?

 こんなんだっけ……こんなんだったわ。



「さて、どうしようか……1時間は暇だね。キルも禁止されてるし……私のPKクランのメンバー共は全員勝手にアルテルト側についたらしいし……」


 このゲームはわりと容赦なくこういうことをしてくる。

 今回、イベント開催地のリバティー・プレインズでは……開始1日前から、周囲での攻撃がプレイヤーに“当たらなく”なる。


 暴れるのならばイベント開始直後にやれ!という運営からのメッセージが聞こえてくるね、まったく。



 しかし、少し考えてみたが……特にやることも思いつかない。私はその辺の機械犬どもをばったばったと斬り刻んでいた。



「ドミノー? しりとりでもしなーい?」

『なぜ今そんな事を……? 戦闘準備とかないんですか……?』


 クソ、こいつに真面目な指摘されると本気でちょっとイラつくな……ポンコツのくせに!



「……ま、じゃあ準備だけしとこうかな。ね?」


 私は横の傀儡に向けて、そう話しかけた。








◇Liberty Plains———決戦開始30分前



「全員準備できました。ラピスさんはどうするんですか?」


 ラピスのクランメンバーが、彼女に向けてそう質問する。



「うーん……適当?」


 彼女が返したのはあまりにも雑すぎる言葉。しかし、彼女にとってはこれでいつも通り。



 今回はアステリアに『普通に正義側で戦ってほしい』と言われているので、彼女はこうして戦場に姿を現した。


 そうでもなければ、また勝手に自殺してアステリアへのバフをするか……あるいは、クランメンバーに怪しまれないよう、夜遅すぎて無理……だとか言ってイベントを辞退するか、そのどちらかになっていたことだろう。



「ふふふ……待っててね……」


 彼女はアステリアの《自主規制》だと自負しているが、それはそれとして一応ゲーマーでもある。

 ここまで育てた自分のキャラクターをアステリアに見せたい……そんな思いを胸に、彼女は運命の刻を待つ。






◇Liberty Plains———決戦開始20分前



「リーダー、そういえばあの宇宙服みたいな奴はどこに?」

「あー……リアリティ? あいつはどっか行ったよ。多分修復したアイアンタイタンを引っ張って参加するんじゃないかな……あぁー……」

「元気なさそうですね。よしよし……」

「うぅー……うぁー……」


 前のノクセスとの戦闘以降、彼女は……アウロンはだいたいこんな感じである。


 アステリアと一緒に最後まで戦えなかったのが悲しいらしい。それだけでこんなことに? とモーヴは思った。



「よーしよしよし……わしゃわしゃ」

「うぁー……」


 コイツやっぱ犬みたいだな……とモーヴは思った。ちなみにアステリアからのイメージはずっと前からそれで固定だったそうだ。








◇Liberty Plains———決戦開始10分前



 広大な草原を埋め尽くすのは、草花の緑ではなく……色とりどりの装備を纏ったプレイヤーたちの群れだった。


 アメリカサーバー屈指の平原エリアは今、かつてないほどの熱気に包まれている。



「サブ垢の育成全然間に合わなかった……」

「おい見ろよこれ、空の色おかしくねぇか?」

「うお、なんかUI変わってる……」


 リバティー・プレインズの青空には、時折走るテレビの砂嵐のような『亀裂』が浮かんでいる。


 そして、それらを観察する者もいれば……無視して雑魚狩りに精を出す者もいた。



「Hey! Guys! 見てるかー!? ここが最前線、リバティー・プレインズだぜ……まぁ最初のエリアなんだけどな!」

「登録者数稼ぎのチャンスだ、派手に暴れるぞ!」

「あー、まだPvPロック解除されねぇのかよ。目の前の重装甲野郎クソ邪魔だから今すぐ殴りてぇんだけど」

「あ、メンゴメンゴ。今どけまーす」


 そこかしこでプレイヤーたちの声が聞こえる。その中でも一部の……ノクセス勢力の中でも【カルマ】が高めなプレイヤーたちは、少し他とは違う盛り上がり方をしていた。



—————————————————————

『【商売魂!のアルテルト】陣営:参加報酬《5,000,000ゴル》!!!! 先着【無限名】!?!?』

『残り枠《わずか過ぎる》ヤバーイ 今すぐスーパーな契約書にサインシテ“神”ト成ル』

『※注意:契約後の裏切り行為には《甚大なペナルティ》が【大盛り】!!』

—————————————————————



「500万はちょっとシャバいな」

「勝たねーとアイテム貰えなさそうだしなぁ」


 今回のイベントでは、主に2つの陣営に分けられる。

 防衛のノクセス勢力、侵略のアルテルト勢力だ。



 そして、数で言うならノクセス勢力の方が圧倒的に多い……が、アルテルトはまだ何かを隠していることが明白。

 そんな戦力均衡。



「500万……!? マジかよ、寝返るわ」

「俺も行こうかな、金ねぇし」


 最前線のプレイヤーにとって500万など端金、しかしエンジョイプレイヤー……その中でもあまりログインしていない者たちにとってはかなりの大金だ。



「どうせ戦力調整あるしなぁ……アルテルト側はまぁ負け戦だろ。500万欲しいならどうぞって感じか?」

「それよりは勝った時の称号とかのが欲しいわな」


 プレイヤーたちは各々で好きなように、運命の刻を待っている。



 そして、カウントダウンは着々とゼロに近づいていき———

【???】

 “終幕神”と“夢創神”について、プレイヤーたちには認識阻害のシステムを掛けておいたんだ。

 え? なんで……って、そりゃプレイヤーなんて存在、すぐ考察して答えに辿り着くじゃない? だから私がせめて、それを遅らせてあげようってワケ。


 感謝してよ〜? だってこの攻略スピードだったら、多分もう本来なら色々とバレちゃってるし。

 まさかこんなに早く最終決戦イベントが始まるなんて、キミも思ってなかったでしょ?


 あぁ、もちろん“あっち”の認識阻害……というかロール付与もちゃんとやってるって。1人を除いてね。さぁ、彼女はどんな物語を見せてくれるのかな……楽しみだよね、もう1人の⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎?

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