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Ep.75 《自主規制》

AI<こんなんグロすぎて規約違反だわボケ

作者<こ、これならどう……?

AI<あ?ナメてんの? アウトに決まってんだろ

作者<これなら……

AI<うーん……まぁ、ギリギリ?

閲覧注意

「さて、それで……痛みで気は変わった?」

『ぐ……ぁ……っ!』


 アストラは顔を歪めに歪め、私のことを未だ睨み続けている。前と比べて心が強くなったなぁ、キミ……



「まだ変わらないかぁ……」

『もっと直接的に支配すればいいじゃない。吸血鬼なら、噛みつけば眷属にできるでしょう?』

「いや、前実験したんだけどさ……それやっちゃうと弱くなるんだよね」

『あぁ、だからそのまま心を折って味方にしたいのね。そこまでする価値がこの娘にあるとは思えないけれど……』

「ちなみにこれは建前で、本当は虐めたいだけ」

『あらあらあら……本性表したわね』


 顔が笑ってますよ、グレイさん。



「うーん……まぁでも、眷属化とは言わずとも血は吸ってみたいかな」


 そう言って、彼女の首元の装甲を触手で無理やり引き剥がす。



『ぐぅっ!?』

「ということで、いただきま……」

『が……あぁっ!!』


 私が首元に顔を近づけると、彼女はその頭をこちら側に振って抵抗してくる。


 ……そうですか、そうですか。



「ねぇ……ねぇねぇねぇねぇ、アストラちゃん。キミさぁ……立場分かってる?」

『がっ!?』


 触手でビンタをお見舞いする。彼女の顔に小さな痕がついた。



「あぁ、もしかして痛いのが好きだったりする? それならご褒美になるかもしれないけどさぁ……なぁなぁ、おい。聞いてる?」

『はぁっ……はぁっ……ぐぅっ!?』


 彼女の首を掴み、私の眼前に持ってきてそう言い放つ。


 一応言っておくけど、これはあくまでロールプレイであって……私は実際、こんなに破綻した性格してないからね。してないったらないからね。



「私はキミと仲良くしたいだけなんだよ。優しくしてあげたいのに、キミが暴れるから……こんなことしなきゃいけなくなる。私がキミを叩いて心が痛まないとでも思ってるの?」


 まぁ別にデータの塊を叩いてもなんとも思わない。チャットAIにパワハラしたり、突然怒ったりする時に心が痛むか……答えは『痛まない』だろう。まぁ例外はいるかもだけどね?



『ふ、はぁっ……はぁっ……あ、あな……た……が……』

「んー? 聞こえないなぁ。人に質問する時は大きな声でって……習わなかったのかなぁ!?」


 再び、今度は私の手によるビンタが彼女を襲う。痕はさらに大きくなった。



『ぐぅっ……ゃ……やめ……』

「そうそう、アストラちゃん。最初の話に戻るんだけどさ、やっぱり私たちがこの広い世界で偶然出会うなんて……運命的だと思わない? 私はそう思う。キミは?」

『そん、な……わ……け……』

「否定しないでよ、悲しくなるから」


 ひゅ、と神聖剣を振り下ろす。

 アストラの右腕の装甲ごと、それが切り離された。



『ッ———!?』


 声にならない悲鳴。

 スーツの内部から倫理フィルター無しの血が噴き上がる。

 もったいないと思った私は、顔を近づけてその血を全面に浴びた。



「あぁ……いいね、キミの血はかなり……イイ。これまででTOP10には入るかもしれないぐらい」

『うぅ……っ!』


 アストラは口をパクパクさせながら、必死に痛みを耐えている。痛そうですね(小並感)



「実は私さ、《規約的に危ないので自主規制》って性癖もギリギリ……本当にギリギリ理解はできるんだよね」

『あら、そうなの? やはり私と相性がいいわね』


 異常拷問愛者は黙ってなさい!



「これからキミの全身を斬り刻む。そして、死にそうになったら回復させてあげる。何度も何度も、キミが私のモノになるまでやってあげるから……」

『ひっ……!』


 全身が痛みに襲われていて苦しいだろうに、彼女は後ろへと後ずさっていく。

 しかし、途中で痛みを思い出したのか……その場で転んでしまった。



 いいね、少しづつ追い込まれてきてる。これならもうちょい押せば……いけるか?



「そういえば前にお仲間とも会ったんだ。確か……“リアリティ”だったっけ?」

『な……っ!』

「あぁ、心配しないでいいよ。彼はちゃあんと救出されてるから。でも……」


 耳元で、小さく囁く。



「キミが従わないなら、かわりにあの子が苦しむことになるよ?」

『……っ!』

「実はさ、彼と私の友達が知り合いでね……その友達は私の言うことをなんでも聞いてくれるんだ。だから、あれを呼び出すなんて造作もない……この意味、分かるよね?」

『ぅ……くっ……がぁっ!?』


 再び剣を振り下ろし、彼女の左腕が本体から離れた。



「だから頼むよアストラちゃん……」


 触手で彼女の《自主規制》をぐりぐりと弄り続ける。さすがに死にそうなので、回復魔法のサービスもオマケしちゃう。



「言うこと聞こうよ……」


 両脚を斬り離す。

 そして、そのまま彼女を軽く蹴り……地面に倒す。



「あ、左手を斬ったから指輪が……まぁいいや、それなら……」

『ぐがぁ……っ!?』


 えい、えい。中々上手くいかな……お、入った。じゃあ低レベルの回復魔法でその部分を癒してあげよう。これでよし。


 このゲーム、NPCの『装備』判定は結構ガバガバだからね……大体の行動がプレイヤー有利に働くっていうのは、かなり面白いシステムだと思うよ。



「これでよし……さて、心は決まった?」

『ぅ……ぁぁ……ぁぁぁあ……あ、あ……』


 な、泣いちゃった!


 かわいそうに……今私が泣き止ませてあげるからねぇ。



『ちょっと気持ち悪いわね、今のあなた』

「キミに言われると納得いかないなぁ……」


 他人の妹を目の前で無惨に殺すとか、それ被害者にぶっ殺されても文句言えない所業だと思うんだよ。人の心とかないの?



『……ひっぐ、あぁ……ぁぁぁぁぁ……』


 彼女は虚ろな目で天井を眺め、ただ呻き、涙を流し続けている。

 彼女のもとへ近づき、首元を少し支えて……首筋に甘く噛み付く。



「んじゅ……んむ……ふふふふふふはははははは」

『あらあら……』


 さっきより美味しい。これならTOP5は固い……ちなみに1位はラピスで固定。アレは吸った瞬間理性が飛ぶからね。



「はひっ……ふふへへ……あー、あ、あ、あ……よし。ここからは平常運転ね、ひとまずキミの欠損部位は治してあげよう」

『ぁ……ぁ……』


 欠損も治す回復魔法。その効力によって、彼女の身体は完全に元通り……装備以外。



「でもごめん、まだキミが完全に私のモノになったかと言われると疑問が残るから……もっかいやるね?」

『あ———あああああぁぁぁぁぁぁぁ……』


 もはや彼女は叫ぶことすらしない。ただ、流す涙の量が増えただけ。


 私はまるでまな板の上で食材を切る時のように、彼女の身体の部位を次々と切り離していく。そして、回復魔法でそれを治す。



 この反復は数時間にも及んだ。


 やがて彼女の涙も枯れた。しかし、まだ信用できない。

 だから私はまだ、さらに続けた。


 何度も何度も……何度も。








◇数時間後———アステリア/アストラ



 グレイは途中までこの光景を見続けていたが、さすがに飽きたらしく……彼女はもう1人残っていた住民を同じように拷問して遊んでいるらしい。


 まだ殺すなと言っておいたので、多分大丈夫だとは思うが……ワタ人から聞かされた彼女の過去を考えると、心配になってくる。



「というわけだよ、アストラちゃん。やっぱグレイはサディスティックなところがあるらしいからさ……やりすぎないか心配だよね」

『……』


 切断、回復、切断、回復の繰り返し。



「やっぱり大事な部分は私がやらないと……私なら凡ミスなんてしな……くはないけどさ、そんなにしないよ、多分」

『……』


 切断、回復、切断、回復。



『アステリア。戻ったわよ』

「お、グレイ……あー……まぁ、ギリ死んでない……かぁ……いやこれ死んでない?」

『大丈夫よ、生きてるわ』

「元に戻せる?」

王魂の勾玉(エル・レイヴ)、回復しなさい』


 ほぼ化け物と化していた生き残りの少女の身体が、元に戻っていく……が、目は完全にイってしまっている。まぁ生きてりゃいいや。



「ちょうどいい、アストラちゃん……そろそろ私の言うこと、聞けるよね?」

『……』


 ゆら、とアストラが立ち上がる。もはやアーマーは破壊され、彼女が纏うのはボロボロの布だけとなっていた。



「ほら、進んで」

『……』


 おぼつかない足取りで、アストラが前へと歩き出す。

 やがて、白目を剥いた少女の前で止まった。



「やれ」

『……』


 彼女は手を少女に向け、詠唱もせずに氷の魔法を放つ。

 少女の身体は氷漬けとなった。



「アストラちゃん……キミは最高だ!」

『それは“最高傑作”という意味かしら? 結構酷い言い方よね』

「いやいや、そんなわけないでしょ……人柄の話だよ」

『じゃあなおさら酷いわね……』


 しかし、グレイの顔は相変わらずニッコニコである。



「アストラちゃん、キミにこれをプレゼントしよう」

『……』

「装備」

『……』


 渡すだけじゃ反応してくれないのはご愛嬌。私が彼女にプレゼントしたのは服……というかドレス。



『それは……』

「いいでしょ、本当は別の用途に使う予定だったけど……せっかくだし、ね。あ、そうだ」


 私はアストラの《自主規制》に手を突っ込んだ。もはや彼女は何も反応しない。



「えーっと、こっちじゃなかったっけ……お、あった」


 そうして取り出したのは、指輪。しっかり回復魔法でそこを治して、そして———



「装備」

『……』


 彼女は自ら、自分の左手薬指に指輪を嵌めた。相変わらず表情は“無”から変わらない。



「アストラちゃん、今度地上で面白い戦いが起きるらしいんだ。その時はさ……私と一緒に戦おうか」

『……』


 ……まぁ返事はないけど、多分通じてるだろう。



「さて、寄り道が長くなっちゃったけど……オリジンストーン探しを再開しよう。アストラちゃんも連れてね」

『……』


 よーし、それじゃあしゅっぱーつ!

 目的は光のオリジンストーン。イベントまでには見つけようね!


表現が曖昧な部分はわざとぼかしています

詳細に書くのはダメらしい


オリジンスキル【永誓の隷(ルミナビアス・)環と星(ドミナリッジ)光の淵月(・ディグレイム)

新たに獲得。効果はまだ不明。


この話読んで面白いなと思った人は、ぜひぜひ評価をください。キモいなって思った人も評価をください。

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