表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/109

Ep.71 レイヴィ・グレイ←誰……?

Season 4開始。

カラーウォーズの話を1話入れる予定だったんですが、あまりにもつまらなかったので没になりました

◇神蘇国エル・レイヴィア


「ゲーム世界は工場を野晒しにしても問題なくていいよね! ホコリないって最高!」

「だからってわざわざ外でやる必要、あるかなぁ……」


 いや、この……何これ?

 ヒバナが『あなたがストーンを探している間、ドミノちゃん貸してくれない?』とか言ってたけどさ……まさかこれ作らせてたの?



「へへへ、機械人形は目の精度が良くて助かるね……まぁいつでも使えるって訳じゃないだろうから、こうして彼女と同じ挙動ができる機械をたくさん作らせてるってことよ」

「オリウォの生産職はよく分からないとこまで来てるね」

「今はスマホ再現しようと奮闘中だよ」


 スマホ……スマホ!?

 そんなん作れるの!?



「理論上はね。だからユキちゃん……楽しみに待っててね。まぁ時間かかるだろうけど」

「なら期待しすぎない程度に待ってるよ。じゃ、私は次のオリジンストーンでも探しに……」

『待ちなさい』

「ん?」


 私を呼び止めたのはゴスロリ風の衣装、灰色髪の少女……レイヴィ・グレイ。


 影が薄すぎて多分忘れている人が多数だろうから説明すると、彼女は神蘇国エル・レイヴィアの元王女であり……私に【神蘇黎明譚】のクエストを受注させた張本人でもある。


 シャマザリエを撃破したことによって復活したとか、そんなことを言っていたような……そうでもなかったような……まぁとにかくよく分からない存在なのだ。

 しかし、私たちの味方だということはシステム的に保証されている。



「どしたの、グレイ?」

『私も久々に外に出たくなったの。あなたが行くのなら丁度いいわ、私のことも連れていきなさい』

「んー、いいよ」

「おいちょっと待てやグレイィィ! アナタはここでの作業が面倒になったから逃げたいだけですよね!? そうですよね!?」


 ドミノがくわっ!と目を見開き、クッッッソうるさい声で叫んでいる。

 しかしグレイは両耳に手をあてて目を閉じ、なんなら口元をにんまりとさせながら口笛を吹いた。意外と仲良いね、キミら。



「まぁ、ドミノはこのままヒバナの手伝いしてもらって……」

「ご主人様ーっ! ヤダヤダ助けてーっ!」


 私とグレイは駄々をこねる赤ちゃんのようなメイドロボを無視して、エル・レイヴィアから離れた。

 まぁ……頑張れ!



◇スケイホアラ森林奥地のオリジンホール



 ヒバナと赤ちゃんとの会話を終え、私とグレイは神蘇国から外に出る。


 そして、忌まわしき【アビスウルフ】の住まう地……【スケイホアラ森林奥地のオリジンホール】へとやってきた。


 まぁね、そろそろリベンジしてもいいでしょ。私も強くなったことだし……ね?



『あら、あなたにも失敗したことがあったのね? 少し意外だわ』

「誰でも失敗はあるんだよ、グレイ。私だって何度も……うん」

『……?』

「いや、なんでもない。ところでグレイは戦闘できるの? 特に戦ってるとこ見てないけどさ」


 私がそう問いかけると、グレイは人差し指を立て……そこに灰色の小さな炎を灯した。


 そして、それを遠くへと飛ばし———不運にもそれに当たってしまったアビスウルフが、爆炎に包まれて死滅した。



『どうかしら?』

「うーん、ヒバナより強い」

『アレと比べられても嬉しくはないのだけれど……まぁいいわ、褒め言葉として受け取りましょうか』


 でもヒバナ以外のメンツは結構強いし……まぁ褒め言葉のつもりではあるよ、ちゃんとね。



『さて、目的の場所に辿り着いたことだし……一緒に飛び込みましょうか。この大穴の底が目的地なのよね?』

「そう。多分地底にオリジンストーンが存在してる……で、地底に行けそうな場所の中でも特に怪しいここに来たってワケ」

『ふぅん……まぁそれは正しいわね。深淵の大穴に消え去った遺物の伝説については、私も耳にしたことがあるわ』


 それ早く言ってよ〜〜〜

 まぁ確信はできたしいいか……?



『ほら、黙ってないで行きましょう? 今度は私がエスコートしてあげるわ……』

「え? ちょまっ……」


 私の手を引きながら、グレイは大穴に飛び込み———








『ふふふ、どうかしら? この傘はヒバナが作ってくれたのだけど……』


 グレイはどこからともなく黒と白を基調とする傘を取り出し、開いた。

 その瞬間、落下速度が緩まり……私たち2人はゆらゆらと落ちていく。



『ほっ……と。さて、ここが最初の階層かしら……暗いわね』

「神蘇国にあった大穴もこのくらい暗かったね」

『あれは滅殺獣の影響でああなったのよ。本来こういった場所はもう少し明るく、瘴気も薄いのだけど……』


 じゃあオリジンモンスターいるじゃん。なんか多くない? 最近ユニークモンスターより見る気がするんだけど……



『わざわざそんなものに近づく必要もないでしょう? 刺激しないように進めば問題ないわ』

「あ、じゃあシャマザリエも無視してよかったんだ」

『いいえ? あれを消滅させてくれたから、私は蘇ることができたのよ。だから……』


 グレイは耳元に近づき、小さな声で囁く。



『これでもあなたに感謝してるのよ?』

「ありがとう。私は人に感謝されることが何より好きなんだ」

『それはなぜ?』

「自分の方が上だって思えるから」

『あら、中々捻くれているわね。でも私も似たようなものだから気持ちは分かるわよ?』


 あれ、それは意外だな……正統派王女ってイメージだったけど、もしかして結構内面はこっち寄りだったのかな?



「おっと、話の途中だけど……敵が来たよ。ちゃっちゃと片付けようか。〔超過(イクシード)複写(マルチ)・エンチャント・プライム〕」


 私たちの目の前に、アビスウルフの群れが現れる。数としては8体ほど……まぁまぁ多いね。



『あら、いいわねその魔法。でも私も色々やれるのよ? ———【神蘇神権(レイヴィ・ギフト)】、そして【神蘇(Divine)(vival)】』


 2つのスキルを発動した彼女の背後から、灰色の魔力が溢れ出す。そして、その魔力は剣のような姿へと変化し……



『殺しなさい、悪の剣(アグノス)


 彼女の命令と共に、灰色の剣が大量の斬撃を放った。

 狼の群れは一瞬で消し炭になり、ポリゴンへと変化する。



『これなら評価は上がるかしら?』


 そりゃあもう。多分これスペックだけ見るならモーヴちゃんや狂夜よりは確実に強い……少なくとも拮抗以上はやれるだろう。


 アクロン? 知らない子ですね……

 いや、まぁ彼女は無限耐久があるからこういう比較には向かないんだ。そこは本当だよ。



『ふふ、評価を是正できてよかったわ。この調子で進みましょうか?』

「そうだね。でもこのままだとペース遅いし、もうちょい急ぐ感じで行こう」

『そうね』


 そして、私たち2人は大穴の攻略を進め……時に休憩を挟みながら、3日ほどかけて最下層まで辿り着いた。

 やっぱりダンジョン広くしすぎるのはやめてほしいな……

Season 4開始。

タイトルでどんなことが起きるのか分かる人もいるんじゃないかな、多分。一応言っとくと対象はグレイではない。



Season 4開始記念ということで、この小説が面白いと思った方は下の方から☆☆☆☆☆をいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このゲームにはホコリがない? じゃあ、人為的に作ることができれば!? お掃除を大変にさせられるなぁ(棒)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ