表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/51

Ep.39 スキルゼロ 魔法のみ 勝者あり

Season 3開始! それは本当です?

この辺は長くなる予定無かったのに過去一長くなりそうっていうね……

 ヒバナの店で色々と買い物をしてから少し経ち、私は買ったものの整理と……前のイベントで手に入れたアイテムの確認をしていた。


 今見ているのはシャマザリエの撃破報酬……アーティファクトとかいうこのゲームで未発見の種別のアイテムだ。


 名前も大層な感じになってるから、どんな性能か楽しみなんだよね。



 さて、気になる性能は……?



—————————————————————

アーティファクト【Arcallom, Sword of the WorldEnd】

《特殊裁定》

・このアーティファクトは武器としても扱う。

・このアーティファクトの能力は装備時以外で発動しない。

《装備条件》

・【英雄】と【ワールドガーディアン】の職業を同時に設定しているキャラクターのみ装備可能。

《能力》

・不壊

・すべてのHP、MPと一定値のレベルを消費することで特殊スキル【Arcallom】を使用できる。ただし、こうしてHPを消費する時、HPは0にならない。このスキルを発動した時、発動キャラクターは【身体崩壊】が強制付与される。このアーティファクトによって与えられた【身体崩壊】はいかなる方法でも無効化できない。また、この【身体崩壊】によってキャラクターが死亡した場合、そのキャラクターのデスペナルティが非常に強化される。【身体崩壊】は一定時間経過後、解除される。

—————————————————————



 ……これ私じゃ使えないね! 【英雄】も【ワールドガーディアン】もどっちもまだ未発見の職業だね!


 ドミノ! 英雄とかワールドガーディアンになるにはどうすればいい!?



『ご主人様が【英雄】と認められることはないんじゃないですか? その職業は民や渡り人(プレイヤー)からの膨大な信仰が必要ですよ!』


 おいマジでこれ産廃じゃねーか。どうしてくれるんだ。ラピスに渡す……?

 いや、でも彼女は最終的にはあのクランを放棄してこっちに付く予定だからな……



「……まぁいいや、どうせ使えない物に執着しても仕方ない。アイテム整理も終わったことだし……何か面白そうなことないかな?」


 こういう時は気分転換するべきだ。私はその辺をぶらつき、そしてとある1枚のポスターを発見した。



「ステータス公平、スキル禁止、アイテム持ち込み不可、装備固定、特性無効の完全実力勝負闘技大会……ふぅん?」


 これつまり、ついさっきやったようなルールで大会しようぜって話だよね? いやまぁ、こっちはスキルが完全に禁止っぽいけどさ。


 なるほど……なるほどなるほど。


 時間は本日20時開始……あと10分。場所は第一の街、メイニオンの闘技場。

 商品とかは……称号とゴル、それに名前の掲示……ショボいね。でもおもろそうだからやろうか。

 



「ふふふ……あっははは! 私の力を見せてやろうか……!」

「お、不審者発見」


 私はインベントリから銃を取り出し、発砲しようとして……



『!使用不可!』


 クソが、命拾いしたなお前……オーバーワールドで会った時は覚えてろよ。





◇メイニオン———闘技場



「〔フレイムバースト〕!」

「〔超過(イクシード)複写マルチ・アクア・ランス〕」


 火の壁がこちらに迫る……しかし、それは私の水魔法によって打ち消される。


 この流れを10回は続けた。正直に言って全部ワンパンだとそこまで楽しくはない。


 結局このルールだとみんな火属性魔法ばっか使ってくるし、見栄えも変わらない。いや、本当につまらないなこれ。



『決勝戦:勝利!』

『優勝者:【アステリア】』


 優勝……そう、優勝だ。しかしこれは……なんだろう、あんまり嬉しくないんだよね。



「お前らもっと本気で来いよ! 手応えねぇぞ! あぁ!?」

「優勝しといて文句言ってんじゃねぇぞクソが!」

「死ね!」

「なんかズルしてるだろ!」

「ネカマって噂あるけど本当ですかー?」


 クソ共が! ヤジしか飛ばさねぇモブのくせによー!



「ふん、まぁいいよ……称号貰えたしね」


 なんか特殊称号らしいね、これ。特殊称号は持ってるだけで効果あるからそこそこ嬉しいんだ……


 というか改めて思ったけど、私の魔法演算能力はかなり高いらしいね。まずこの大会中に1人で合成魔法を使える人すら見なかったし……やっぱりこの方面を伸ばすべきなのかな。


 【無手の極意】のせいでラピスから貰った剣……【神聖剣アストライア】もちょっと使うの躊躇うし。



 薄々思っていたけど、あとちょっと強くなったら【無手の極意】はお役御免になるかもしれない。

 アストライアのスペック高いんだよねぇ……できればこっちを使いたいところ。



「ま、まだもうちょっとだけ使うことにはなるだろうし……そのあたりは後で考えようかな」



 色々と楽しんだことだし、とりあえず通常マップに戻ろう。

 1日ぐらいここ探索しちゃったし……このままだと最前線から遅れてしまうかもしれないからね(廃人)







◇ヨイタウ砂漠


 分岐路の街から正面に進んだ先のエリアである【ワスティル荒野】を更に進んだ先に存在するエリア……【ヨイタウ砂漠】


 彼女(・・)とは今日この時間に待ち合わせの約束だった。



 ピラミッドが見えるオアシスって話だし、多分ここのはず……いや、というか人多いな。最初の頃ってこんなにプレイヤーいたかな。

 もしかしてサービス開始直後は混みすぎるから他のプレイヤーとチャンネルズラしてたとか、そういう感じか?


 正直ドリメカの謎技術はよく分からない。まぁとりあえずそういうことにしておこう。



 そんな風に考えていると、遠くからこちらに向かってくる人影が。あれはもしかして……



「アステリアコロース!」

「〔超過(イクシード)・メガロック・ブラスト〕」

「あんぎゃーっ!」


 別人だった。ドロップアイテムは……ゴミだな。シケた野郎め……!



「やぁ、ユキくん。待たせたかな?」


 ぽん、と肩に手が乗せられる。どこかで聞いたことのある声、そして喋り方。

 どうやら待ち合わせしていた人物が来たらしい。



「やぁ、狂夜。ゲーム内では“アステリア”って呼ぼうね……とりあえずしばらくはよろしく」

「こちらこそ……ふふっ」


 狂夜はにっこりと笑ってこちらへと手を伸ばす。仕方ないのでこちらから握手……両手で掴んでくるのやめーや。



「で? 私は何をすればいいんだい? 正直に言うと、私は仕事とキミの観察で結構時間を使ってたから……あんまり強くはないと思うけど」

「あー、とりあえず今日やって欲しいことは簡単だから大丈夫だよ。クエスト受けてもらうだけだからね」

「クエスト?」


 そう、クエスト。


 ヨイタウ砂漠を抜けた先……【オアシスの街 ウェルタード】の領主館では、とあるクエストを受注することができる。



 しかし、最近のアップデートによってレッドネームプレイヤーは街に入れなくなってしまった。なので、かわりに彼女に受注してきてもらおうという魂胆だ。


 聞いた話によると、このゲームでは1人が受注していれば同じパーティに入ってもクエストが共有されるらしい……あくまで一時的にだけど。



 なんでわざわざこれを受けてもらうのかといえば……ダンジョンに入るために、このクエストを受注するのが必須だからである。


 このゲームのダンジョンは、壁を壊して入るとか……そういったことができないようになっている。まぁ面倒だね。



「というわけだよ。ラピスに頼んでも良かったんだけど、彼女は別方面を攻略してるから……狂夜が居てくれたのはかなり丁度良かったんだよね」

「ふーん、なるほど……分かった。じゃあ私がそれを受注してこよう」


 そう言って狂夜はウェルタードの正門をくぐった。さて、んじゃあ10分ぐらい待ちましょうかね。


【Arcallom, Sword of the WorldEnd】

おかしな剣。


【ネクサス・メガロポリス】

街の名前はドリメカ過去作ラスボスからオマージュされている。


【狂夜】

プレイヤーネームも“狂夜”

アバターの見た目は茶髪ロング金目お姉さん、主職業は闘士、副職業は魔拳士……魔拳士!?


Season 3記念ってことで評価してくれると嬉しいです。

アカウント持ってない人もぜひこの機会にアカウントを作ってみよう! 簡単だぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ