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Ep.38 超巨大異界交流浮遊都市群型兵器ネクサス・メガロポリスでの一幕

長すぎる

 メニューを開くと、そこには新たなタブが追加されている。先日アナウンスされた追加要素……『交流都市』のタブが。

 なんだかんだでこのゲーム、要素の追加頻度が高くて飽きないね。



「キル不可能、スキル発動不可能、ステータス制限、攻撃不可。はじまりの街が破壊されたから、その代わりとして使ってね……暴力は禁止。まぁそういう感じかな?」


 まーオークションとかやる場所無くなったからね、そういうのすぐに対処してくれる運営はいい運営だよ……まぁこれの原因私だけど。



「とりあえず……面白そうだから行ってみようか」


 私は脳内で『交流都市』の欄を選択した。











 この場所……【超巨大異界交流浮遊都市群型兵器ネクサス・メガロポリス】は、3つの巨大な浮遊都市がそれぞれドッキングするような形になっているそうだ。



 第一の街、メイニオン。テーマはアングラ。


 第二の街、キルスタック。テーマはアングラ。


 第三の街、イコロート。テーマはアングラ。



 ……おかしいな。普通こういうエリアが分かれてるタイプの街ってさ、それぞれでもうちょっと特色出すと思うんだけど……


 いや、中華風とファンタジー風とリアル風に分けてるのはいいよ?

 いいんだけど……もうちょっと栄えてる場所あってもよくない? 近未来とか。



「まぁ好みの雰囲気ではあるね」


 私はその辺で購入したプレイヤーメイドのサンドイッチを頬張りながらそう呟く。これうまー。



 現在地は第二の街、キルスタック。ここは中華風と言ったが、多少は近未来的な意匠も施されていて新鮮な雰囲気だ。サイバー中華(マフィア風)みたいな?



「お、オークション会場だ」


 やたらと大きいその建物の中に入れば、そこには多くのプレイヤーがワイワイと騒いでいた。



「お、アステリアじゃん。アイテム返してくんね?」

「やだね〜!」

「クソが……!」


 悔しかったら殴ってこいよ〜ッ! あーでも? ここ戦闘できないんだっけなぁ〜ッ!?



「そこに闘技場あるから来いよ。ボッコボコのボコにしてやんよ」

「ダルいからパス。あと勝敗が目に見えてるからね」

「おーおー、アステリアともあろう方が逃げるんだなぁ! いやーっ! これSNSに書き込んでやろうかなぁー!?」

「やってやろうじゃないか……!」


 私は両手をポキポキと鳴らした。思ったより可愛い音しか出なかった。







◇キルスタック———闘技場


—————————————————————

『戦闘開始!』

『ルール:ベーシックルール(レベル50固定、ステータス固定、スキル固定、特性なし、一定クラス以上の魔法使用不可)』

—————————————————————



 あ、あの野郎……自分が勝てるルールでやろうって魂胆か……!?


 だがまぁ、そんなんで勝てると思われちゃあ困る。



「どうやら私のことをナメてるようだけど……この状態だろうと私に勝てるとは思わないことだね」

「ハッ! 俺の完璧な作戦に沈みやがれーっ! 〔ファイアー・ボール〕!」


 結局火属性かよ!

 まぁその程度なら全然問題ない。私は魔法が得意だからね……!



「7重合成……〔超過(イクシード)複写(マルチ)・アクア・ランス〕」


 私の背後に無数の水槍が生成され、そしてそれらは一斉に敵に向かって射出される。


 いくらなんでも、通常の魔法と合成魔法とでは威力が違いすぎる……それも7重ともなると尚更だ。


 〔ファイアー・ボール〕を掻き消し、水の槍が相手プレイヤーを襲い……一瞬で勝敗がついた。



『勝利!』


 口ほどにも無いなぁ!?







◇キルスタック———オークション会場


 さて、邪魔が入ったが……再び私はオークション会場に戻ってきた。まぁオークションってよりフリマに近いんだけどね、ここ。


 一応デカいオークションは後々やる……らしい。



 ちなみに今回の目的は掘り出し物探しだ。プレイヤーメイドの武器とか防具とか、はたまた変な魔導具とか……そういったものが欲しいね。



「いらっしゃい。なんか買ってく?」


 そう言って声をかけてきたのは赤色髪の少女アバター。どうやら色々と特殊な魔導具を作っているらしい……



「んん? アンタもしかしてユキちゃんか? それなら……なぁユキ〜? アタシの魔導具買ってくれよ〜」


 そう言って赤髪の少女は私に手を回す。私の本名知ってるってことは、この人は私の知り合い……そして、この話し方に該当するのは1人だけ。



「まぁサキの頼みなら買ってあげてもいい」

「アタシゃこっちでは“ヒバナ”だよ。そこんとこよろしくね、アステリア?」


 おめーそれ本名もじった(火華サキ)だけやないか。まぁ分かりやすくて助かるけどさぁ。



「で? どれか気になったのある? 今ならアタシがなんでも説明してあげるけど」

「じゃあこれは?」

「それ? 銃だけど……威力が低いよ。マトモに使えるけど、それだけって感じ。弾も要るしね」


 見た目は完全に普通の銃だ……その全身が真っ赤なことを除けば。



「銃って完成してたんだ。なんかまだ試行錯誤してるイメージだったけど」

「まぁ銃自体はみんな作れたんだよね。あんまり強くなかっただけで」


 私は銃を手に持ち、発砲しようとして……



『!使用不可!』


 脳内にアナウンスが走る。



「ここじゃ使えないよ。試し撃ちしたいなら……買ってね!」

「ヤバい商売だ……まぁ買うけどさ」


 はい100万ゴルお買い上げー!

 高くね?



「無駄に手間かかるからこのぐらいは貰わないと……」

「今調べたら相場は50万くらいだったんだけど」

「塗装料です」


 塗装かぁ……ほなら仕方ないかぁ。



「で? 弾は別売りなんでしょ?」

「6発セットで10万でーす!」

「高くない?」

「こっちは本当に原価が……」


 なるほどね。まぁ気前よく買ってあげよう。

 私は300発分買うことにした。



「フゥーッ! お金がいっぱいだぁーっ!」

「その顔やめた方がいいよ」

「うへへ……ボロいぜぇ……そりゃあこんな顔になっちゃうでしょうよぉ……!」


 ヒバナはとても人に見せられない顔を私に見せた。人ってこんな顔できるんだね……



「で? アステリアさんやい……他には何を買ってくれるのかなぁ?」

「うーん……これ気になるかも」


 そう言って私が手に取ったのは、金属でできた謎のキューブ。何に使うのか検討もつかない。



「あー、これ? これはね……こうやって手に持った状態で脳内でコマンドを出すと……」


 キューブが突如光を発し、流体のように変形していく。

 それらは彼女の腕を覆い、上半身を覆い……やがてその全身を覆う。


 彼女を覆った流体金属は少しづつ固まっていき、やがて機械のアーマーのような姿に変化した。


 ……ほーん?



「どうだい、アステリア? これは結構……“良い”だろう?」

「“良い”ねぇ……いくらで買える?」

「これは結構頑張ったからいっせんま……10億ゴルぐらいかな!」


 こ、こいつ私が金持ってそうだからってふっかけやがって……!

 まぁ払うけどさぁ……!



「毎度ありぃ! うひひひひ……これでアタシも大金持ちだーっ!」

「ちなみにまだあと5,000億くらいあるけど……なんかいいモノないかな、ヒバナ……? 金ならいくらでも払っちゃうけど……?」

「う、うひっ!? うへへへ……なんでもアタシに頼んでいいっスよ、アステリアの旦那ぁ!」


 ヒバナは両目に$マークを浮かべ、私の足元で靴を舐めながらそう言った。

 ちょっろ^^



次回からSeason 3!

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本当に……マジで……!

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