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Ep.36 【衝撃映像】頭がポップコーンみたいにハジける瞬間【閲覧注意】

ネカマが奇声を上げながら頭がハジける瞬間を記録した衝撃映像

 さて、1日空けてのログイン……現在地は私の支配下となったはじまりの街改め、シカバネの街オーヴァ。


 あのイベントの後、特にここら一帯に変わりはない……が、私にはどうやら変化があったらしい。



「なんか……髪が……ぬめってない?」


 サラサラを通り越してぬるぬるだ。コンディショナー流してないんスか?


 まぁおそらくこれは前に私が化け物になった影響なんだろうが……最終的には意識まで乗っ取られるとかないよね? ありそう。なんかその兆候みたいなのあったし。



「まぁいいや、とりあえずここら一帯の探索を……っと」


 後方からの〔ファイアー・ボール〕だ。やはりというべきか、プレイヤー達は変化したエリアというものを探索したいらしい。私は触手で(・・・)それを撃ち落とした。


 ……?

 なんか本格的に身体が変質しているような気もするが、とりあえず気にしないでおこう。



「私に喧嘩売るとかいい度胸だね……?」

「えっ、いやあのその……モンスターかと思って……すいません!」


 殺すぞクソが!

 いや、待て……あの反応を見るに彼は初心者。そして悪気も本当に無かったらしい。

 鏡を見るのが怖くなってきたね。まぁそれはそれとしてテメーは殺す!



「人に魔法を撃っちゃいけないって授業で習わなかったのか!?〔超過(イクシード)・メガロック・ブラスト〕!」

「あがぁっ!?」


 少年は体をバラバラに引き裂かれて死んだ。はーっ! これだから最近の若者は困るなぁーっ!



 さて、とりあえず話を戻そう。

 私は場所をボロボロに崩壊した教会へと移し、その近辺を重点的に調べた。



「アストラから聞いてたはずのエレベーター(・・・・・・)がない……どうやら教会はオリジンズ・インフィニティ直通ルートを完全に潰したらしいね」


 まぁ今の段階でケンカ売りに行くのはちょっと戦力不足ではあったし……そこまで不満でもないか?


 ともあれ、今調べたいことは調べ終えたし……そろそろ帰ろうか?


 そう思っていると、突然背後から視界を塞がれる。



「だーれだ?」

「やぁラピス。もしかして何か用?」


 声と喋り方とノリが特徴的だから分かりやすいんだよね、ラピスって。



「ふふふ……頼まれてたのとか、わたしが個人的に作ってたものとか……色々と完成したから、見て欲しいなって……ね? 今からでもいい……?」


 もちろんいいよと私は答えた。









◇隔離エリア:神蘇国エル・レイヴィア———修復された王城



「そういえばこのゲーム……隔離エリア内ならあんなことやこんなことができちゃうらしいんだけど……どう?」


 突然の爆弾発言。



「すっごく魅力的な誘いだけど、それはまた今度ね」

「ちぇ……」


 それやっちゃうとね……! ノクターンな雰囲気になっちゃうからね……!



「じゃあ、これからラピスちゃんの成果発表会を始めます……観客はユキちゃん1人で〜す。はい、拍手〜」

「ぱちぱちぱちぱち」

「じゃあまずは……これだよ」


 そうしてラピスが渡してきたのは……肉と骨のみで構成された、禍々しい剣だった。

 ところどころに黒くて硬い何かも混ざっている。

 あとなんか目みたいなのがギョロギョロしてる。キモいね!



「この剣こそがわたしの実験の成果……【神聖剣アストライア】だよ」

「どこが神聖なの……? コレ完全に魔剣だよね……?」


 こんな呪術的に何かしらの意味がありそうな物で構成されている剣のどこが神聖なんだよ。魔王でも気持ち悪すぎて使わないよこんなの。


 しかもなんか触手みたいな……触手?

 ま、まさかこれ私の身体を元に……



「この剣で殺したプレイヤーは魂にデバフが付与される……つまり、リスポーンしても影響が残るよ」


 ラピスは更に言葉を続ける。



「ちなみにこの剣の素材は、ユキちゃんが化け物になってた時に切り落とした触手だよ。だから神聖剣なんだ……それと、わたしはこの剣を敬意を込めてこう呼んでるの……ユキちゃんのにくぼ「はいストップ! それ以上はダメだよ」……ちぇっ」


 はい次! 次の発明品を発表してください!










 おぉ……なんだこの拷問器具みたいなのは。まさか本当に拷問器具ってわけじゃないだろうな。



「皮剥ぎ機だよ。じゃあまずはユキちゃんの手足をもぎます」

「えっ?」


 ラピスは手際良く私をロッカーのような、棺桶のようなそれに詰め込み……手足を拘束する。あのぉ! これどう見ても拷問器具だよねぇ!?



「はい、じゃあスイッチオ〜ン」

「ちょ、ま……あぁぁぁぁっ!?」


 私の手足がギャリギャリと音を立てて切断されていく。断面からはポリゴンが大量に噴き出るが、ゲームなのでやはり痛みはない。でもこれ精神にクるからやめてほしいな!!



 10秒ほどが経過し……私の両手足は完全に切断された。



「で? なんでこんなことしたの?」

「それはね……じゃじゃ〜ん。義手と義足でございます……」


 そうして彼女がインベントリから取り出したのは、やたらと綺麗な手と足だった。レアリティ高そう。



「ちょっとこのゲームの仕様を調べてるときにね……欠損状態からの復帰ができないかって色々考えてたの。その結果がこれだよ」


 だからって無理に人の手足切断するのおかしくない?



「お願いしたらやってくれるだろうし……後からでもいいかなって」


 うーん、ストーカー女を頭がおかしいと評したけど……別にラピスも頭おかしいかもしれない。まぁゲームだからセーフか?



「それじゃあ……この義手義足の仕様について説明するね……?」


 まず1つ目。死亡してもインベントリに戻る。装備状態で死んだ場合、おそらくデスペナルティでもドロップしないらしい。


 2つ目。義手義足を装備時、その部位は義手義足のステータスを追加で参照する。


 3つ目。義手義足は装備欄……つまりは足装備だとか、武器枠だとか……そういったものを消費しない。もちろんアクセサリー枠も消費しない。



「つまりね……このゲームはわたしたちがこれを開発した時点で、生身で戦う意味が無くなったの……」


 どこかで見たことがある流れだ。ゲーム始めたら即手足を義手義足に取り替える……


 まぁ忌避感はあるが、そっちの方が強いならそうする……それがゲーマーだ。私はシステムによって譲渡されたそれらを即座に装備した。



「あ、そういえばリスポーンしたら全部インベントリに戻っちゃうから……毎回手足は切るようにね。はいこれ、“どこでも手足切断装置”だよ」


 やっぱり倫理観おかしくないか……?と私は心の中で思った。



『……渡り人ってみんなこんな感じなの?』


 灰色の少女……レイヴィ・グレイのその発言に対して私は『そうだよ』と返した。まぁ間違ってはいないだろう。









「はぁ、はぁっ……う、うぐ……過重合成……3じゅ……ぁ……ぉ……ぁぁあたまがぁぁぃイヤァァァァァァッ!?!?!?」


 脳内が魔法陣の構成にすべてを注ぐ。前にも話したように、まずそもそも9重の合成魔法単体ですら非常に高度な技術が要求される。


 なぜ今さらこんなことをしているかといえば、ラピスが合成魔法の検証結果について話してきて……私も合成した魔法同士で更に合成する、という方法を編み出した話をして……そこからは成り行きだった。



 9重魔法を2つ用意して更に合成するだけでかなりの負荷だったのだから……3つなんて今の段階では無理なことぐらいは簡単に理解できたはずだ。



 結果として、私の頭は『ぶしゃぁっ!』と音を立てて、ポップコーンみたいに破裂した。このゲーム、死んだ後もちょっとだけ意識残るからね……本当に変な感覚だったよ、これは。



「ふふふ……録画完了。SNSにでもアップしようかな……?」


 そこのラピスちゃん、止まりなさい。



 つーかまた手足捥いで義手義足に換装しなきゃじゃん……まぁこれは本気で戦う時だけでいいかな?


【LapiS.Lazuli】

普通にアステリアより頭がおかしい。


【義手・義足】

付けない意味、ナシ。この技術はまだラピスが独占している。

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