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Ep.20 神蘇黎明譚 最終章

『あぁ、そういえば言うのを忘れてました。魔法演算の補助要ります?』

「どのくらい早くなるのかによる」

『ワタシの計算によれば、およそ1.12倍早くなりますね』


 なんとも言えない数値だ、それをやるくらいなら他のサポート方法で私を助けて欲しい。



『他の方法だと……分身があるなら、それの操作はできますね。ワタシが分身を操作する場合、ご主人様の0.7倍程度の効率で魔法を使えます』



 【深紅の影群】は【赤月の天軍】に進化し、今の私はどんな場面でも分身を2体まで生み出すことができる。


 しかし、それを操作させたところでこの敵をどうにかできるなんてことにはならないだろう。つーか高性能AIっぽいスキルなのに、人間に演算能力負けてんのおかしいだろ。



「ダメージが……もっと必要、だよねっ! 【刃壁】!」


 百の剣を正面に、正円を描くように配置する。


 【刃壁】は真正面にバリアを展開する百剣天帝の奥義だ。元々はこんな技無かったのだが、ずっと百剣天帝のスキルを使い続けてたらいつの間にか増えていた。あの、スキル名に『完成』って付いてたはずなんですけど……



 展開したバリアは泥のビームを防……げない。バリアが貫通され、私のBloodにダメージが入る。


 もうダメだ、コイツは正攻法で倒せる敵じゃない。何かしらのギミックがあるはずだ……というか、無いと勝てない。どうせこいつも3形態ぐらいはあるはずだしね!



「となると、土魔法……いや、火で蒸発させるか?」


 奴のメインウェポンは泥だ。すべての攻撃が泥に起因している。だから、まずはその泥を狙ってみるべきだろう。



「6重合成……〔ビッグ・ボム〕」


 それは、火属性の魔法。効果は指定した座標の爆破。


 放たれた赤い魔力が、奴……これなんて読むんだろう。シャマザリエ?の胴体へと辿り着き、爆発する。



 シャマザリエの胴体に赤いヒビが入り、うめき声のような音が鳴る。なんか魔法だと思ったよりダメージ入るな……?


 というか、火属性か? そっちが弱点だっていうならこっちにも考えがある。



「5重、〔複写(マルチ)・エンチャント・フレイム〕!」


 発動回数を嵩増しした〔エンチャント・フレイム〕により、私の背後の剣すべてに炎が宿る。このまま……



「【天終】ッ!」


 一直線に並べた剣が、紅蓮の軌跡を引きながらシャマザリエへと飛翔する。


 百の剣は奴の分厚い肉体を貫きダメージを与え、周囲には焦げすぎた焼肉のような匂いが広がった。お、お前もしかして食べれるのか……?


 いや、食べたら変な状態異常になりそうだしやらないけどさ。あんな化け物でも食えるんだなって……



『おいしそうな匂いですね! アイツ殺して食べましょうよ、ご主人様!』


 お前は蛮族か何かか?

 私はドミノがどんな性格なのか分からなくなってきた。せ、性格がブレすぎている……!



「〔超過(エクシード)・フレイムバースト〕……んー、爆破の方がダメージは入ってそう」


 多分火属性は弱点なんだろうが、火で攻める前にちょっとだけ確認したいことがある。



 どうやら、奴の身体は泥による鎧のようなもので護られているらしい。


 それなら……土を操る〔グランド・シェイカー〕や〔ジオクラフト〕といった魔法をその泥に向けて使えば、防御を剥がすことができるんじゃないか?



「ちょい溜めて7重……〔超過(エクシード)・グランド・シェイカー〕!」

『ピギャルァァーーーッ!!!』


 シャマザリエが悲鳴を上げる。普通に悲鳴が音響兵器レベルだが、どうやらこの考えは当たっていたらしい。つーか悲鳴でダメージ受けてるんだけど……


 たかが防御を剥がされたくらいでとんでもない声を出しやがって、そんなに嫌か?



「まぁ相手の嫌なことをやるのがゲーマーだから……容赦はしないよ、〔万雷刀〕」


 無属性魔法〔魔法刀〕は魔法または魔法系スキルを対象とし、それを刀に落とし込んで実際に形成する。



「火が効くなら雷も効くでしょ、多分」

『【万雷】は無属性魔法系統スキルですよ?』


 マジで?

 この名前で属性無いの?



『はい、なのであまり効果は期待できないと思います』

「そっかぁ……」


 私はその辺に万雷刀をポイ捨てした。まぁまた機会があったらってことで……



「じゃあ普通に遠くから攻撃しよう。やっぱりチクチクだよね、ドミノ?」

『相手が反撃できない場所から攻撃するのが一番楽しい……かつての偉人もそう言っていたような気がします』


 嫌だな、そんな掲示板で『効いてるw』とか書き込んでそうな偉人……



「じゃあ私は奴に攻撃するから、ドミノは分身から土魔法を使ってアイツの防御を剥がすのをお願いね?」

『任せてください、ご主人様!』


 私は【赤月の天軍】によって2体の分身を生成し、その操作権をドミノに譲渡した。さぁ、反撃開始だ!









◇30分後



「これで……終わりだ。【天終】!」


 炎を纏う百剣が、一直線に巨大ミミズの胴体を貫く。



『よっしゃ勝ったぁ! へっ……終わってみればただ大きいだけじゃないですか!』


 お手本のようなフラグを立てるんじゃない!

 一旦黙るんだ、ドミノ!



『えー? でもあんなに苦しんでますし、なんかブルブル震えてますよ? これはかなり効いてますって!』


 ドミノ、これは完全に第二形態に移行するやつだ! なんなら爆発を伴うタイプの形態変化の可能性もある! 一旦退くよ!



『そんな訳……』

『ミギョォォォォォォォォォォォォン!!!』


 シャマザリエの身体が、ビキビキと音を立ててヒビ割れていく。ヒビからは膨大な量の黒い光が溢れ、そして———



「マズい……【刃壁】!」


 周囲全体を囲うように剣を配置し、攻撃から身を守るバリアを展開する。


 ヒビ割れは少しづつ広がっていき、やがてその全身から黒い光が溢れ出し———



 最後に私の視界に映っていたのは、私の心臓部から飛び出てきた灰色の少女霊だった。





—————————————————————

『形態変化:【“虚構神蘇” Shamazalie, Ruler of the Divinevival】』

『隔離エリア【神蘇国エル・レイヴィア】が現世に出現しました。』

『アノマリーイベント【神蘇国エル・レイヴィア奪還戦】進行』

『クリア条件更新:オリジンモンスター【“虚構神蘇” Shamazalie, Ruler of the Divinevival】の撃破または撃退』

—————————————————————








 耳に残るのは、なにか……ガラスのようなものが割れる音。


 【神蘇国エル・レイヴィア】は、現世とは隔離された異空間に存在するエリア。


 だが、その空間同士を隔てる壁が……化け物を封じ込めておくための壁が今、壊された。



 灰色の少女霊が、どうやら私のことを守ってくれたらしい。彼女はゆっくりとこちらに顔を向け、そしてその指をシャマザリエへと向けている。



『———』


 なんと言っているのかは分からないが、まぁ大体ニュアンスは伝わっている。要はアイツを倒してくれってことだろう。



「ま、やれるだけやってみよう」


 私は形態変化した化け物……今は長身の黒い騎士のように変化したシャマザリエへと視線を移し、そしてカッコつけて笑う。へっ!



『⬛︎。』


 

 電子音のような鳴き声と共に、戦いは再開する。


Q.レベル差の割に削れるの早くね?

A.6重や7重の合成魔法はこんな簡単に連発される想定ではない



良かったら下の方から評価お願いします。☆☆☆☆☆のとこです。ちなみにSeason 2はまだ終わりません。

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