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Ep.15 夢島アカリ<ダンジョンは広ければ広いほどいい……!←そんな訳ない

NEXUSで広すぎるダンジョンが実装された時のコメントより引用。

チェックポイント無しで広すぎる(1000階層)高難易度ダンジョンを実装するのはやめようね!

◇地下1403階———悪魔の階層



 まず、ここまで来るのにどれだけの時間が掛かったかをお話ししよう。6日と20時間だ。


 それも、休息など取らないで164時間フルで使ってこれだ。あの、これ普通にクリアさせる気ないですよね?



 そんな長時間寝ないでいて人間が生きれる訳ねーだろと言う人はいるだろうが、私はとある理由によって食事・睡眠・排泄をしないでも生命活動を維持することができる。理由はまた今度、気が向いたら話そう。



 この階層では、最初の階層にいた悪魔の強化版みたいなモンスターが出てくる。レベルは89で、そろそろあの黒オオカミのレベルにも追いつきそうなラインになってきた。


 この辺りになってくると、私の遠距離チクチクにも対応されるようになってきた。

 まぁでも、常に距離を取り続けながら攻撃すればいいだけなのでそこまで変わりはない。



「マジでそろそろ終点であって欲しいなぁ……」


 買い溜めといた食料がそろそろ尽きそうだ。空腹度が0になる前に攻略しないと、本格的にマズい。なんでこんなクソ長いダンジョンにチェックポイント用意してくれなかったんですか……?



『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!』


 私が脳内でグチグチしていると、真横から聞き取りづらい声が聞こえてきた。これはミミズのようなモンスターの鳴き声で、この声を聞くと稀に発狂の状態異常になる。


 まぁ状態異常対策のスキル生成したからもう問題はないんだけどね。ということで普通に剣を投げて終了。



「さて、そろそろボスが来てもおかしくはないんだけど……」


 各階層には1体のボスモンスターが存在し、これを倒さなければ下の階層へと進むことができない。


 盾に乗って空中をサーフィンするように移動していると、開けた場所に出た。中央には巨大な赤い悪魔が仁王立ちしている。



『ゴアァァァァァァァァ!!!』



—————————————————————

『アノマリー・エンカウント!』

『フロアボスモンスター【“領域の主”ギガ・デーモンロード】Lv.90』

『討伐開始!』

—————————————————————



 赤い悪魔は、私の姿を見てニヤリと笑った。あん?見せもんじゃねーぞゴラァ!


 盾サーフィンの勢いをそのままに、空中へと飛び出す。同時に4つの火球を生成することにより、3重の合成魔法を放つ。火耐性ありそうな見た目とか関係ねぇ!とにかくゴリ押す!



 【光貴ナル暴虐ノ盟約(ノクセスノーブル)】発動。これによって私の攻撃は防御力を50%貫通し、与えたダメージと同数のHPが回復するようになった。


 負けたらレベルダウンというペナルティはあるが、もし負けそうなら逃げればいい。明らかにスキルの欠陥だが、こういうのは運営に黙ってたら仕様ということになる。



「【天終】!」


 背後に生成した剣を一列に並べ、爆発的な速度でそれらすべてを射出する。天終……というか百剣天帝のスキルは、わりと自由に発動方法をイジることができる。


 今放ったのは防御貫通特化の攻撃だ。先程3重魔法でダメージを与えた部分に対し、追い討ちとして放ったわけだ。



 話は戻るが、【光貴ナル暴虐ノ盟約(ノクセスノーブル)】のヤバい部分は防御貫通だけではない。


 今の私は【真祖の鍵・血で創られた身体】というスキルによってHPとMPが消失し、かわりにBloodをHPやMPとして扱うという状態になっている。


 つまり、ノクセスノーブルの“与えたダメージと同数のHP回復”により、私は最大までBloodを消費した攻撃を放っても、それによるダメージ分のBloodを回復することができる。


 このゲームのダメージは結構インフレしているようで、実数値で観測することはできないが……私の攻撃が敵に当たった場合、大体1発でBloodが満タンまで回復する。半永久機関の完成だ。


 いくらダメージを与える度にBloodを回復するスキルがあるからといって、これまでのBloodの支出はプラマイでいうとマイナスだった。


 ノクセスノーブル君は、そんな私の弱点をいとも簡単に克服してくれた。


 最初は防御無視が本体だと思ってたけど、これは撤回しよう。キミはどっちもメイン効果だ……!



 実質無限のリソースを得た私は、図書館で学んだ魔法を悪魔に向けて放ち続ける。


 こんなに簡単に3重合成魔法を使うことは想定されていないのか分からないが、放った魔法による怯みで悪魔はほとんど嵌め状態となっている。


 魔法と並列して、【自動技能機構】による剣の発射も絶え間なく行われる。最近獲得した【暴壊剣】というスキルにより、私の射出した剣は敵に当たると爆発して大ダメージを与えるようになった。



 バカみたいな量の攻撃に対し、悪魔はなす術もなく崩れ落ちる。ここまでに掛かった時間はおよそ20秒。


 イベントでラピスと戦った時は火力不足に嘆いていたというのに、今やこんなことになってしまった。


 このアステリアは全ての生物や全てのプレイヤーをブッち切りで超越したのだ!!



 ……いや、あんまりイキるのもやめておこう。ラピスもまぁ強くなってるだろうし、あの時は隠れていたまだ見ぬ主人公みたいな奴が潜んでいる可能性もある。




—————————————————————

『討伐完了』

『エリアボスモンスター【“領域の主”ギガ・デーモンロード】Lv.90』

 

《報酬》

・17,006,500ゴル

—————————————————————



 このゲーム、金大量にくれるけど皆何に使ってんのかな?


 正直食料くらいしか私は買わないからよく分からないんだよね、そのあたり。









◇地下1500階———終点の階層



 盾サーフィンによるアステリアのご登場だァーーーッ!


 スタイリッシュに上から落ちてきた私は、Uの字を描くかのようにして速度を落とし、そして地面に着地した。



 エリア名を見る限り、どうやらここで終わりらしい。本当に長かったねぇ!長すぎてテンションおかしくやっちゃったぜ!ぱぁ!


 というか、ここに来るまでこういう大穴が沢山あったけど……空中での挙動ができない人はどうする想定だったんだろうか、これ。まさか壁を走って降りろって訳じゃないだろうし。



 さて、ようやく辿り着いた(恐らく)最後の階層。見た目は地上———神蘇国エル・レイヴィアの王城と雰囲気が近い。



 時間がヤバそうだったので、道中のフレーバー的要素はあまり回収できなかったが……どうやら、突如現れたヤバいモンスターが王女を支配し、支配された王女によってこの国は滅んだらしい。


 で、全部滅ぼした後に王女さんは最後の力を振り絞って自分を縛り……長い年月が流れてクエストの始まりに繋がる、と。まぁ大体こんな感じで合ってるはず。



「ま、かわいそうな王女さんの為にもちゃっちゃと終わらせようか」


 というか、あと4時間くらいしか制限時間がないから……ちゃっちゃと終わらせないと私がペナルティをくらってしまう。強制で受注させていいクエストじゃないってこれほんとに。



「んで、どう見てもあのバカでかいミミズがボスなんだろうけど……流石にちょっと準備しとこう」


 クールタイムの空けていないスキルの回復を待ちつつ、スキルを確認する。



「【自動技能機構(オートスキルシステム)】ね……」


 このスキル、一応ポイントを注いで強化はしたんだが……どこが強化されたんだかよく分からない。設定スキルの付け替えは自由に出来るようになったが、それ以外に関しては実感がない。


 強化時の文言によると『コードの自由度が上がった』らしいが、そもそも最初の時点で自由度が高すぎたから本当に何がどう上がってるのか分からない。



「……」


 【自動技能機構(オートスキルシステム)】について考えていると……ふと、面白い案を思いついた。



—————————————————————

【自動技能機構:コード設定】

自動機構:【|自動技能機構【オートスキルシステム】】

実行スタイル:常時


0:self_awareness = True

1:trigger support(player)

2:serve_master(player, level=absolute)

—————————————————————



「こういうコードを実行したら……どうなる?」


 翻訳すると『自我に目覚めろ』『プレイヤーをサポートしろ』『プレイヤーに服従せよ』といった内容のコード。


 自動発動する対象を指定する『自動機構』の欄に【自動技能機構(オートスキルシステム)】自身を指定。



 絶対に今やるべきことではない、それは分かっている。だが、気になってしまったのだから仕方がない。


 私はその設定を保存、そして実行し———

【階層】

察してる人もいるかもしれないが、別に1400階層を踏破してきたと言うわけでもない。数階層を下がると100階層近く下に降りれる大穴があるので、そこから更に潜っていく感じ。なので実際に攻略したのは50階層くらい。でも1階層が異常に広いので、めちゃくちゃに時間がかかる。


【Q.空中で動けるスキルがない人は?】

A.壁を蹴ったり走ったりしながら降りてください





下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えてくれると私が非常に喜びます。おもしろかったらでいいので、ぜひ……すぐにできますから、ね?

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