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Ep.119 THE END III

『〔超過(イクシード)独自(オリジナル)・エンチャント・コズミック・ミアズマ〕』


 私の脳内で即座に瘴気の理論を構築し、隕石系統と闇系統の合成魔法から得られた情報を元に、新たな魔法を創造する。

 そして、その魔法陣をすぐさま9つ重ねて圧縮し、それを3つ構築してさらに重ねて圧縮、そのすべてに魔力を流し込んだ。


 瘴気が実体を帯びて私の鎌に纏わりつき、まるで銀河が内包されているかのように輝きだす。



『キャシャシャシャシャーーッ!!』


 化け物の触手数百本が私の元へと殺到し……



『あはぁ♡』


 アクティブスキルすら発動せずに、私が適当に振り回した鎌が無数の触手を叩き斬った。



『グギギギィィーーーッ!?!?』


 これでも元々私の身体だっていうなら、そんな情けない声出さないでほしいなぁ……



『私の糧になってもらおうねぇ……〔超過(イクシード)独自(オリジナル)・ミアズマドレイン〕』

『ギギギィ!?!?』


 先程と同様の工程を経て発動された魔法によって、化け物の内包する力すべてが私の手のひらへと流れ込んでいく。


 ウチは闇金だからね。私の力を勝手に使ったのなら……利息含めて全部回収させてもらおう!



『くくくく……あーっはっははは!! はぁっ、はぁ♡ 力が流れ込んでくるねぇ……っ!!』

『ギ、ギ……!』


 数秒で化け物の身体は萎みだし、10秒程度でその体積がほとんど消え去って……やがて、黒い臓器だけになる。

 そして、それすらも風邪で崩れ落ち……ポリゴンと化して消え去った。



—————————————————————

『アノマリーモンスター【“精触(ザーロスリビ)虚誕・ドミセンシ”アステルス】Lv.19999撃破。』

『特殊称号獲得:【欲望を映す鏡】』

『オリジンスキル獲得:【ネクロヴェイル・ザーロスリビ・ドミセンシサイズ】』

『白き怪物はその心の中に隠された。』

—————————————————————


—————————————————————

オリジンスキル【ネクロヴェイル・ザーロスリビ・ドミセンシサイズ】

《常時発動能力》

・自身が制圧済みのエリア内において、【英雄補正】が1増加する。

・自身と自身の連携攻撃の発動確率が上昇する。

・【白】【命】【愛】属性の最終ダメージが10%増加する。

・【支配】の状態異常に対する完全抵抗を得る。

—————————————————————



『ガラ空き……【キリングドロ『気づいていないとでも思ったか!?』


 『ぷぎゃらっ!?』とかなんとか、変な声を上げながら吹き飛んでいく巨大な鬼人。


 姿を消すユニークだかオリジンだかを使っての【キリングドロー】は確かに強いだろうが、私の第六感の前にそんなものは無意味だ。



『まだまだいっぱいいるなぁ……あは♡』

「おいテメーっ!降りてこいやクソがーっ!」

「飛行手段持ってない奴のこと考えろよ!」

「根源解放すら出来ねーんだぞ俺らは!」

『うるせぇ、黙れ♡』


 その言葉と共に、下の方で喚いていたチンピラみたいな奴らが黙りこくる。

 言霊が勝手に発動でもしたのだろうか?



『ま、いいや。全部壊そっか! 〔超過(イクシード)独自(オリジナル)———「奴を止めろーっ!!」


 竜騎士……?みたいな軍勢がこちらへと高速で飛来する。

 どうやらNPCの部隊らしい。


 あぁ、そういえばラピスがそういう騎士団がある街のこと話してたっけ……



「【ドラゴンスピア】!」


 背後から、槍での一突き。

 ……まぁそんなの私に効くわけないね! オリジンスキルか【根源解放】持ってきてからリトライしてください。


 あ、でもNPCはリトライなんて出来ないか。


 そんな風に考えながら、こっそり創り出した血の剣で騎士隊長の頭を貫いた。



『かぁっ!』


 ギュガッ!!と口から放たれる黒い光線で、こちらに突っ込んできた奴が率いていた部隊が跡形もなく消し飛ぶ。


 そのまま方向を変えながら波動を放ち続けて、セントリア全体をグチャグチャに破壊した。



『けほっ、けほっ……喉詰まっちゃった……』


 ほら、アレだよアレ。水飲む時に詰まらせちゃうやつ。あんな感覚かな?

 あれ、これ前も言ったんだっけ? 記憶がモヤモヤする……


 さて、それじゃあ一旦周囲を確認……こりゃ酷い。セントリアボコボコじゃん。



 一応、城のあたりは比較的無事だけど……お?

 なんかあの辺り結構集まってない?



『標的はっけーん♡』









◇セントリア城前広場



「いざ参ろう、中心の王よ。刻限には早すぎ、かつ想定以上の惨状なれど……我ら侍、一命を賭して戦わん。もっとも、既に敗戦の色は濃いが、な」

「あぁ……分かった、頼む。少しでも……ほんの少しでも被害を減らすんだ」


 セントリア王とサムリオンの代表が、死を覚悟してここからの目的を定める中、1人……ウェルタードの領主だけは、違うものを見つめていた。



「奴、は……」

「む? どうしたヨイタウ。そのような形相で……もしや、仇か?」

「あぁ……教会の奴らが言っていた。白髪の巨悪が俺の息子を殺し、俺らの一族に伝わる秘宝すらも持ち去ったと……」

「あやつらの話を間に受ける必要などござらん」

「いや……アレは……あの赤いオリジンストーンは……!」

「お、おい待てヨイタウ! 単騎で突出してはならん!」










◇アステリア



 しゅたっ、と着地。

 目の前では、無数の人々がこちらに視線を向けている。


 おや、1人だけこちらに向かってきているようだけど…..誰だろう、あの人。



「お前、が……」

『ん、なんだい? 何か言いたいことでもあるのかな?』


 よく漫画とかに出てくるタイプの、強キャラっぽい雰囲気のお爺さんが私を睨みつけてくる。

 そんな、まるで()かのように私を睨んじゃってさぁ……



「あ……? まさか、お前……俺のことを知らないとでもいうのか……?」

『いや、知らないよ。初対面だろう?』

「俺の……息子、は……?」

『いや、だから知らないってば』


 こんなおじいさんに恨まれるようなことした覚えなんてないけどなぁ。

 もしかしてこれまでに殺したNPC、そのうちの誰かの家族とか……そういう感じかな?



「俺の息子はな……“終幕神”の降臨を防ぐ、そのために自ら遺跡の地下、奥底まで潜っていった。あの赤い石(オリジンストーン)と共にな」

『へー』

「すべては、あの膨大な力を秘める石を誰の手にも渡さないためだった……俺の、たった1人の……たった、1人の……」

『ふーん』

「伝承に語られる通りに、かの神の降臨は迫っていた……祖の予言した通りに、あいつは自らその人生を捧げ……地下へと、潜ったんだ」

『そうなんだ』


 正直聞いていないけど、適当に相槌を返す。まぁこういうのは喋らせてあげるのが若者ってものだよ。

 あ? 私は21歳だぞ!!



「もう一度、聞くぞ……白髪の魔女。黒髪だ。黒髪で、そしてあの墓の地下深くで眠っていた……俺の、俺の……俺に似た顔つきの、息子を……本当に、知らないのか?」

『ははっ、知らないよ。まぁ確かに、その誰かを殺した記憶はあるけどさ———』





『殺した男の見た目とか、覚えてるわけないだろ♡』


「そうか……では死ねぇぇぇっ!!!」



 あはぁっ♡

 こっちこそぶっ殺してあげようねぇ!!


殺した男の話とか覚えているわけないだろ、そういう方はEp.42を参照してください。

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