Ep.112 ネクサス・メガロポリスにて、不審な人物のポスターが確認されています。調査によると、そのポスターには自身を『ダウナー吸血鬼お姉さん』と自称する不審者が描かれており……
◇超巨大異界交流浮遊都市群型兵器ネクサス・メガロポリス———とある渡り人
「……なんだこれ?」
彼(姿は女性)が見つけたのは、とある1枚のポスター。
普段から、この街ではこういった宣伝用のポスターがいたるところで表示されているのだが……
それは他よりもかなり目立つデザインだった。
大きく表示された『12/23』の文字。しかもフォントがとてもダサい(語彙力)
そして、その文字の後ろに貼り付けられたニコニコ笑顔の白髪美女。右手はVサイン、左手は腰に手を当てている。
彼女の口元からは吹き出しが伸びていて、その先には『日本サーバー、セントリアにて大規模プレイヤーイベント!吸血鬼お姉さんが全プレイヤーをキル!?』の文字が。
これまでにこのポスターで宣伝されていたのは地方の企業だったり、配信者の小規模イベント告知だったりと……そこまで興味を引くものは無かった。
しかし、これにはなんというか……そのプレイヤー、ひいては無数のプレイヤーに期待を抱かせる『何か』があった。
「いやフォントダサすぎるだろ流石に……」
……『何か』は悪い意味ではない、はずだ。
◇???———夢島アカリ
「……なるほど?」
DREAMAKER社長・夢島アカリはとあるデータを表示し、それを見つめていた。
そのデータには白髪の美女が映っている。
「いや、まぁ……やりたいことは分かるけどさ……もうちょっといいデザインとか無かったのかな。まさかこの時代に手作り?」
逆にこちらの方が目立つのかもしれない。アカリはそう考えて思考を止めた。
「あー、ジェネシス。前に言ってたやつはちゃんとやれてるよね?」
『オリジンズ・ウォー通信のフォーマット変更はすでに実行済みです。公式サイトを表示します』
彼女の目の前に、ホログラムの画面が表示される。
そこには魔王襲来を予告するオリジンズ・ウォー通信のページが表示されていた。
「あー、おっけおっけ。これでいいよジェネちゃん。後は……アレをもうそろそろやっておこう。オリジンズ・インフィニティのシステムロックを解除して」
『確認します。もう一度要求してください』
「オリジンズ・インフィニティのシステムロックを解除。もうセーフティとか不要でしょ。アステリアちゃんがやろうとしてることにとっても邪魔だし、今後プレイヤーたちが強くなることも考えると今の内にやっておきたい……まぁ予定よりはかなり早いけど」
『オリジンズ・インフィニティのシステムロックを解除します。ゲーム内での干渉が可能となりました』
笑顔を浮かべる夢島アカリ。
無機質な画面だけがそれを見ていた。
「ま、これでゲームが酷いことになっても自己責任ってことで……」
◇オリジンズ・ウォー総合 Part331
21 :名無しの渡り人
[リンク:画像]
なんかネクサス・メガロポリスでこんなの見つけた
このダウナー吸血鬼お姉さんは誰ですか
22 :名無しの渡り人
>>21
おはアステリア
23 :名無しの渡り人
>>21
デザイナー呼べ
24 :名無しの渡り人
>>21
何これ?
プレイヤーイベント?
25 :名無しの渡り人
何やるつもりなん
26 :名無しのダウナー吸血鬼お姉さん
まぁ、魔王よりも先にセントリア滅ぼそうかなーと
てな訳でみんなでダウナー吸血鬼お姉さんを止めようね!
27 :名無しの渡り人
>>26
今のセントリアは戦闘禁止が付与されてるし、街を守るバリアもラグナロクの時と同じ無敵バリアに変更されてる
無理でしょう
28 :名無しのダウナー吸血鬼お姉さん
>>27
実はあれ壊せるってこちらの検証で把握済みなのよね
だから心配しないでいいよ
あと皆が私に勝ったらASMR配信が甘々になります
私のチャンネルに急げ!
[リンク:アステリアちゃんねる]
29 :名無しの渡り人
登録者5000人でワロタ
つーかそんなチャンネル持ってたんすね
30 :名無しの渡り人
>>28
よーし荒らすか
31 :名無しの渡り人
>>28
マジかよアステリアさんの味方やめます
ぶっ殺して甘々ASMRもげっちゅだ!
32 :名無しの渡り人
初心者です
なんか変な流れをぶった斬る質問で申し訳ないんですが、オリジンスキルってどうすれば入手できるんですか
33 :名無しの渡り人
>>32
さぁ?
34 :名無しの渡り人
>>32
知らん
変なことし続けてたらわりと誰でも取れはするイメージ
35 :名無しのダウナー吸血鬼お姉さん
>>32
初心者ならとりあえず根源解放使えるようになった方が良いんじゃないですか
そこ基点に自分がやりたい事やっていくと取れそうな気がする
◇栄光の道———アステリア
「諸君、百剣天帝ならぬ千剣天帝だ。どうだい、結構様になってると思うんだけれど……」
「ぐ……」
「急に自分語りし始めたんだけどコイツ」
「まぁまぁ、好きなだけ喋らせてあげよう」
【終末街 フィナーリア】と【瘴気の領域】とを繋ぐエリアである【栄光の道】の中盤にて、私は背後に千本を超える剣を浮かせながらプレイヤーたちと対峙していた。
彼らはおそらく中堅クラスの攻略クラン。名前は聞いていないが、規模感的にはそこそこ大きいはず。
「さて、それでは私からの宣伝だ。心して聞いてくれたまえ」
「王様気取りか?」
「違う。王様ではなく……ダウナー吸血鬼お姉さんだ!!!」
「……?」
なんか変なテンションになっている気がする。リアルの方で赤い飲み物を飲んで酔ったのが原因かもしれない。
「来たる12月22日、私はセントリアを襲撃する」
「あの、ポスターには23日って…..」
「……23日に、私はセントリアを襲撃する!」
「大丈夫かこの人……?」
うるへー! なんか頭がぐるぐるしてるんだよ!
そっちこそ地面に倒れ伏しながら聞いてるだろ! ばーか!
「ダメそう」
「ちょっと可愛いかも」
「分かるー! 私可愛いでしょー?」
おい、なんでお前たちそんな微妙な表情してるんだ。
ダウナー吸血鬼お姉さんにそんな表情を向けるなんて……許されない。
「うわーっ! みんな死ねーっ! 【虚滅】っ!」
「は、ちょ待……うわぁぁぁっ!?」
私の周囲に黒い嵐が吹き荒れ、地面に倒れていたプレイヤーたちを切り刻んでいく。
嵐が消えた後、もうそこには何も残っていなかった。
……はて、私は何をしにここに来ていたんだったっけ。
分からない……血が……血が飲みたい……!
酔ってるアステリアは変(マイルドな表現)
宣伝しに来たの一瞬で忘れとりますよこのお姉さん(お姉さんではない)




