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アンノウン  作者: 己銀
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EP1『日常は変わりゆく。』




天才というのは、周りが『()()()()()()()』から、天才と言われるのだと言う。

周りがそれに気付かなければ、それはやはり、凡才だと言うに正しく、そして私も、その凡才なのだと信じて疑わなかった。

その日、私は帰りの電車にて、自分の落書き帳に絵画の原画を小さく描いていた。

昔から絵を描くのが好きで、方法は最近、爆発的に普及してきたデジタルではなく、アナログな絵の具と筆。

色彩が高いものだろうが、低いものだろうが、人物だろうが、風景だろうが、全部、絵の具と筆でやっている。

中学の頃からの趣味で、成人してなお、ずっと絵を描き続けてきた。

どこかコンテストに出す予定もなければ、正当な評価を貰いに行くつもりもない、単なる遊びの延長線上だった。

だが、電車の中に貼り出されていた、とあるポスターを見かけた。


『芸術家 生羅 暁継(せいら あかつき)の創作物コンテスト』


ポスターにはそう貼り出されており、生羅暁継とは、いわゆる、芸術家として才能を見出した、天才と呼ぶべき人間。

弱冠十四歳にして、処女作を百万円で落札された絵画を描いた少女であり、十八歳になった現在では、最高額、一億円という値が着いたほど。

これで、まだまだ発展途上中なんだから、才能の献花を感じざるを得ない。

そんな天才が、直々に絵画や立体物、彫刻などの、作った作品を評価してくれるのだという。

レベルの高い作品であれば、その作品を買ってくれると言う好条件付き。

彼女を目標にしている人間にとっては、またとないチャンスに映るポスターだった。

私も絵画を描く上で、名前は聞いたことがあるくらいの有名人であり、テレビでも見たことがある。

しかしながら、私は別に、彼女の絵画に興味があるかと言われればそうでも無く、目標にしている訳でもない。

なので、私は目線を落書き帳に下げて、次の原画を進めて行った。

今現在、描いている風景画は、あと少しで完成する。

なので、家に帰ったらとりあえず、その絵を完成させよう。

私はそう思い、帰路に着いた。

一人暮らしで、家に帰ると、部屋はいつもと変わりなく散らかっていた。

今描いている、架空の風景画が、不透明水彩のアクリル絵の具を使っているため、あちこちに絵の具や筆、筆洗がある。

そうして、キャンバスを乗せたイーゼルの近くに、無造作に置かれた椅子と、エプロン。

高校時代から本格的に描き始め、使っている絵の具は全て、アクリル絵の具。

水彩は失敗すると修正が出来ないし、油絵はぶっちゃけ毎月の出費がキツイ。

なので、手っ取り早い、アクリル絵の具と言う選択にした。

修正は効くし、油絵ほどの出費や手間もない。

部屋の半分を絵画関係で占領された部屋に上がり、私はカバンを下ろして、周りを見る。

絵画以外にも、そろそろ部屋を片付けないとヤバい。

キッチンはカップ麺やら、汚れた皿やらで汚いし、ゴミもろくに捨てられてないので、何個も膨れた大きい生ゴミが玄関前に鎮座してる。

ベッドや絵画が置いてあるリビングは言わずもがな、少ない下着やら、洋服やらがしまってあるクローゼットは、洗濯物を畳まずに収納するから、ぐちゃぐちゃ。

荒れ放題の部屋を見て、いつか、こういう部屋の中で孤独死するんだろうなぁ……と、私はほんのり寂しくなる。

昔から、私は何をやっても、下の部類にしか入れない人間だった。

学生時代は、運動も出来ない勉強も出来ないダメ人間で、集団で生活しなければならないクラスから疎まれるような存在だった。

勉強に関する成績は、大抵一か二、良くて三。

問題が解けないと、挫折してすぐ諦めるから、そこで立ち止まったまま、何も出来ず、暗記も苦手だから、何をやらせても得意な科目がなかった。

運動に関してもそう。

五十メートル走が、十秒以上かかってゴールなんて当たり前だったから、運動会やら体育祭では、『勝ち』を目指してるクラスにとって、私はお荷物以外の何者でもない。

自覚があったから、せめて邪魔にはならないようにと、隅っこでひっそりと暮らしてきた。

たまに、ペアで組まなきゃいけない授業も、隣の席に座っていた子は、大抵、嫌そうに拒否するので、いつも先生と組まされるか、余り物同士で、残っていた子と組まされた。

そんなんだったから、やがて先生からも、腫れ物を扱うような態度で私に接するようになり、本格的に自分はダメなんだろうなと気付いたのは、高校一年の、美術の授業でのこと。

さっきの通り、絵を描くのが好きだったので、授業の時、課題で出された絵を描いていたら、担当講師だった先生から、


「気味の悪い絵を描かないでちょうだい、やり直して。」


と、そう言われたのだ。

やり直しても何も、課題に沿った絵を描いているだけだし、似たような絵を描いている子なんて、何人もいた。

なぜ自分だけが、絵を批判されるのかよく分からず、どこが気持ち悪いのかを聞いてみたが、あまりにも抽象的な内容で、どこをどう直したらいいか分からない。

強いて言うなら、乗せていく色が、どこか気持ち悪いらしく、それならと明るい色を乗せて誤魔化してみたが、ダメだった。

絵を描くのが好きなのに、講師の女性からは、いつも変な絵を描く子だと言われ、良い成績を付けてもらう事は出来なかった。

けれど、担任の先生曰く、あの美術の先生は、交通事故で、自分が助かって、子供だけ亡くしてから、少し頭がおかしくなってるんだと言われた。

それを示唆するように、最近は旦那さんにも離婚されたとかで、精神的に参っていたらしく、私が高校二年に上がる頃には、姿を見せなくなっていた。

高校二年からは、別の美術講師の人が来たけど、私の絵を見ても、特に何とも言われることはなかった。

何年も培ってきた分、画力は普通の人よりあったけど、私の絵はつまらないらしく、その講師からも、付けられる成績は三か、たまに四くらいだった。

絶対に、五の好成績を取ることは在学中叶わなくて、中途半端に画力を抱えたまま、今現在、春から大学生となった。

頭が悪くても、学歴はあった方がいいと、半ば諦め気味に、両親に偏差値の低い大学に入れてもらえた。

自分の子だからと、見捨て切れない面があるのは申し訳ないと思う。

兄弟がいれば、そっちの良い遺伝子を持った人間を育てたいと思うのが、人間の本能だろうから。

絵を描くのは趣味に留めて、今は働き口をどうにかして探さなければならないと考えつつも、私は、今の現状に甘んじている状態だった。

家に帰ってから、スマホで就職先を探すようなこともなく、数時間ほどかけて、続きの絵画を完成させた。

しかし、完成しても、置く場所がない。

なので、百均やら、ホームセンターで買ってきた物品で作った、お粗末なDIYを駆使して、絵画を天井から吊り下げている。

こうすれば、少なくとも、床に場所を取らない。

絵を天井に吊り下げた後は、一旦絵の具や、筆洗、イーゼルを片して、次のキャンバスボードを買って来なければならないと、私はスマホのメモに履歴を残しておくことにした。

絵を描いていると時間はあっという間で、明日も大学があるからと、私は早めにご飯を食べて寝ることにした。



■■



翌日、大学にて講義を受けた後、私は昼食を取ろうと、大学の地下にある食堂に出向いた。

夕方からアルバイトがあるので、それまでに次の原画を完成させたいと、行儀悪くたらこのパスタを食べながら、シャープペンシルを動かしていた。


「両利きなんですね、アンタ。」


もぐもぐと、口いっぱいにたらこパスタを食べていたから、すぐには反応出来なかった。

話しかけられたのかと、目線を動かすと、向かい側の席に影が差す。

大盛りのカツ丼と、味噌汁をトレイに乗せた男の子が、私を見ていた。

大学の中で友達のいない私が、唯一知っている子だった。

夕方から行く、バイト先の後輩くんでもある。

短髪の黒い髪を刈り上げ、健康的に日焼けした肌が特徴的な、面倒見のいい子。

少し童顔寄り、太眉が印象的な、クールで美麗な顔と、筋肉質な体付きをしていた。

大学では同学年でもあるが、私がアホ過ぎて、大学に入るのに何回も落ちてたので、ようやく受かった年に、彼がたまたま入学して来て、一緒になった。

話を戻すと、彼は、私が右手でパスタを食べ、左手で原画を描いていたことで、両利きだと判断したらしく、カツ丼を食べながら、私の様子を見ている。


「えっと…」


ようやく、口の中のたらこパスタを食べ終わり、彼の会話に入ろうとしたが、どう話を繋げていいか分からず、言い淀んでしまった。


「自分、両利きの人初めて見たんで、新鮮だったんですよ。」


改めてそう言われ、助け舟を出してくれた彼に、これ幸いと私は話を続ける。


「そ、そうなんだ。珍しいかな…?」


「自分で矯正して、両利きになりましたって人ならいますけど、アンタの場合、多分そうじゃないでしょ?自然に両利きになったんなら、どうやってなったのか気になったんで。」


矯正して、両利きになれる努力が出来るほどの人間じゃないでしょ?と含みを持った言い方の後、彼はなぜ私が両利きになったのか、気になったようで。


「うーん…学生時代、高一の時とかは右利きのままだったから……高二くらいかな、両利きになりだしたの…あんまり深くは覚えてなくて…」


「なんでそこら辺で両利きになったって、ハッキリ言い切れるんですか?」


「高二の時、期限までに課題の絵が終わらなくて、横着こいて、左手と右手に筆持って、パレットを口に咥えながらやってたから、その時に自然と両利きになったのかもって……。」


「どこの雑技団ですか、それ。」


内容もアンタらしい理由ですね。と真顔で言われ、私は彼から目を逸らして、半分ほど残っていたたらこパスタを食べ始める。


「そうだ、アンタ、今日バイトですよね?」


「うん…」


「皿割らないで下さいよ、片付けるの面倒なんで。」


バイト先で一緒な分、私は店長やバイトリーダーからいつも何かしらミスをして怒られている。

フォローしてくれるのが大抵、目の前の彼なので、面倒くさがられるのもよく分かる。


「うん…面倒だったら助けなくていいよ…君に迷惑かかるし、放っておいてくれたら大丈夫……」


正直、もう何度もミスをしてるので、皮肉なことに、リカバリーをするのにも慣れている。

もう彼に手伝って貰わなくても、一人で片付けくらいは出来るので、面倒だったら放っといてくれていいと言うのだが、彼はため息混じりに呟くのだ。


「それが、そうもいかないのが世の中なんでね。」


「……?」


「アンタがシフト入ってる時、その日起きたミス、十割アンタのせいにされてますけど、疑ったことないんですか?」


「え、そうなの……、何も聞かされてなくて……」


確かに、怒られてる最中、それは知らないってミスが、チラホラ出てくる事はあったが、そのせいだろうか。


「明らかにアンタが分身でも出来ない限り、起こせないミスを、全部バイトの奴らが、無理矢理辻褄合わせて、押し付けてるんですよ。店長もバイトリーダーも、いちいち、ソイツらに怒って辞められたり、飛ばれたりするのが嫌だから、八つ当たりも兼ねてアンタに当たってるんです。」


「そうなんだ……」


「今の時代、アンタくらいだと思いますよ。あんだけ怒られても、遅刻も欠勤もせずにバイトに来るの。普通のヤツらだったら多分飛ぶか、すぐに辞めてるでしょうね。」


「まあでも、八割くらいは私のミスだし……」


「それは否定しませんけど。」


味噌汁を飲みながら、彼は無表情ながら、呆れたような顔をしている。


「とは言え、アンタがあそこ辞めるなら、自分も辞めます。」


「えっ、な、なんで…?」


「バイトが依存してるからですよ、アンタに。矛先を全部アンタに向けることで、怒られないから、犠牲有りきの良い空間が出来てるんです。」


「えっと……」


彼の言いたいことが分からず、私は首を傾げる。


「アンタがシフトにいない時、ミスが出来ないんで、自分の事で皆、手一杯なんですよ。他の人助ける余裕がなくて、誰かがミスしても、放ったらかしなこと多いですよ。」


実際それで、しんどくなって辞めていった奴もいます。と、リアルな事情を暴露され、私はどう反応したらいいか分からなくなった。


「……、」


「アンタが辞めたらその内、あそこの人間関係が破綻して、人手不足に拍車がかかるでしょうから、そうなって辞められなくなる前に逃げるんですよ。」


弱者を下に見て、それに依存する人間って怖いですよね。と、彼は食べ終わったカツ丼のトレイを持って、スタスタと返却口まで歩いて行ってしまった。

何とも言えない後味を残された私は、すでにバイトに行く気力を削がれていた。


「……バックれようかな…。」


「サボるんですか?」


「うぇぇっ」


お前食べ終わったんじゃないのか、と戻ってきた彼の手元を見ると、今度はサイダー入りのフルーツポンチが乗っていた。


「辞めるなら自分に一言言って辞めて下さい、自分も辞めて別のトコ行くんで。」


「そんなに酷いの……?」


「だってアンタがいない日、責任を個々に負わされる訳だから、極端に店の雰囲気悪くなるんですよ。」


「そんな風になるなら、君が先に辞めて別のバイト先探したら良いんじゃ……?」


なんで私が辞めると同時に、彼も辞めるんだと、私がそう聞くと、


「あそこ、金払いだけは良いんで。人間関係破綻してるから、人手不足で、アンタみたいなのでも、いないと追い付かないんでしょうね。」


と、身も蓋もない回答が返ってきた。


「そっか…、そう言えば、君、元は短期で入ってたよね?最近になって、長期に切り替えたの?」


「彼女出来たんで、金が欲しいんです。」


「へぇ、そうなんだ…どんな子…?」


「可愛い系ですよ。」


そう言って、スマホのロック画面を見せて来るので、見てみると、金色の目に、赤い首輪を付けた、可愛らしい黒猫がいた。


「確かに可愛い…良いご飯食べさせてあげたい。」


お金が欲しくなるのも分かる。

可愛いな、次の原画、やっぱ猫にしようかな……。


「次描く絵、やっぱ猫にしようかな……」


私が黒猫の画像を見つめていると、彼が何か違和感を感じたらしく、ロック画面を確認している。


「あれ、ロック画面変わってなかったか。」


「…?、猫じゃないの?」


「…サイズ間違えてますね、これ。正しくはこの子ですけど、まあ猫も似たようなもんです。」


どうやらロック画面サイズに、写真を編集し忘れていたらしく、今度こそ編集した方のロック画面を見せてもらった。

さっきの可愛い黒猫と、綺麗な茶髪の彼女さんがディスプレイに映っていた。

こう見ると、彼女さんも確かに可愛いな、猫を抱っこしてたのか。


「それで、ウチの猫でしたっけ、描いてくれるなら描いてくださいよ。部屋に飾るんで。」


「わ、分かった…何枚か写真くれる?」


「コピーして持ってきますね。紙媒体の方が分かりやすいでしょ。」


「うん。」


次は彼にあげる絵を描くことに決まったので、私はその日、アルバイトに行く前に、正方形のキャンバスを買った。

彼の部屋に飾りやすい方が良いかと、少し小さめのサイズにして、今までの原画は一旦保留。

夕方のバイトの時に、彼から、黒猫のクロコちゃんの写真を貰って、それを元に原画を描くことにした。

いつも通りの出勤の後、その日の仕事を終わらせて、店長にぶつくさ怒られながら退勤。

しかしながら、今日は怒られても、描く絵の構図をどうしようかと考えていたので、そんなに気になることはなかった。

帰りの電車の中で、クロコちゃんの写真を元に、原画をいくつか描いて、気に入ったものを絵画に落とし込めることに。

出来るだけ、クロコちゃんの顔を描いて見たいので、それがよく写っている写真を見ながら原画を描いていく。

今回は、キャンバスのサイズが小さめなので、早めに出来上がりそうだと、私は気合を入れるのだった。

……だが、その気合いは、約一ヶ月後に空振りとなって、自分の元へと返ってくることになる。

絵を完成させるのに、一週間くらい。

絵を渡して、大体三週間。

私の手元には、現在、描いたクロコちゃんの絵が返って来ていた。

絵を返してきた彼曰く、理由は三つあったらしい。


一つ、彼女の束縛が少し激しめらしく、ある日、絵が飾られているのを何気なく聞かれ、答えた所、私から絵画を貰ったことがバレて、めちゃくちゃ怒られた。


二つ、クロコちゃんが私の絵を見て、変な行動を取っている。

飾り出した頃は何もなかったのに、最近になって、絵画を見ると、シャーシャーと毛を逆立てて、威嚇するようになったり、かと思えば、絵画に甘えるように、鳴きながら擦り寄ったり。


三つ、彼自身も、私の描いた絵を見ていると、酷く変な感じになるらしく、その感情を例えるなら『気持ち悪い』と言う感覚なのだとか。


でも、彼女さんは、私から絵画を受け取った事実が嫌なだけで、変な気持ちにはならなかったらしい。

だが、クロコちゃんと彼だけが、なぜか絵を見ていると、威嚇したり、気持ちがざわめいて気持ち悪くなったり、まるで呪いの絵を見ているみたいな感覚になるらしかった。

だから、申し訳ないが、絵は返却させて貰うと、この日、大学の講義が被った時に返された。


「アンタが悪いわけじゃないけど…何でしょうね、この絵見てると、おかしくなりそうな気がするんです。」


彼に肩をくすめて、そう言われた時、私もなんとも言えなくて、「そっか……」と言うしかなかった。

人生で二度目だ。

私の描く絵を見て、「気持ち悪い」と言われたのは。

何がそんなにダメなんだろうか。

絵のタッチとか、配色のセンスとか、単純に画力が足りないからとかかな。

大学終わり、帰りの電車にて、私はクロコちゃんの絵をじっと見つめながら、しょんぼりとため息を着いた。

だが、ふと顔を上げて、次に着く駅が最寄り駅なのかを確かめようとした時、目に着いたポスターがあった。

いつかに見た、生羅 暁継の作品コンテストのポスターだった。

今までは、人にあげることのない絵画を、自己満足で作って来た。

なので、今度、人にあげて、部屋に飾って貰うってなると、クオリティの高いものに仕上げた方が良いよねって考えにもなる。

少し考えた結果、私はポスターの概要欄に目を通し、アドバイス目的で、生羅 暁継のコンテストに参加することにした。

クロコちゃんの絵を、彼女に評価して貰って、何か上手くなるアドバイスを貰えたら、それで良かった。

それで少しは上手くなって、彼がもう一度クロコちゃんの絵を受け取ってくれるようになればいいな、なんて、浅はかな夢を抱きつつ。

私はスマホを取り出し、ポスターのQRコードを読み取ろうと、アプリを開くのだった。



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