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91.海の王を驚愕させるおっさん

91.


 クラーケンとともに、私達は深い海の底へとやってきた。


『真っ暗でなんもみえねー……』

「こんな海の深い場所では光は届かぬじゃろうて」


 古竜、そしてガンコジーさんが話してるのだが……おや、おや。


「もしかして、二人とも見えてないのですか?」

「何をじゃ、副王?」

「あそこで眠っている、大きな竜ですよ」

「竜!? どこにおるのじゃ!?」


 おやおやおや。


「海底にとぐろ巻いて眠っているではありませんか」


 竜、というより龍といった、手足のない蛇のような龍がいた。


「見えないのじゃ……」

『ドワーフのおっさん、落ち込まなくて良いぜ。そこのおっさん、人間じゃねーからよ』


 人間じゃない?


「いえ、人間ですが」

『どこの世界に、こんな深海に素潜りで平気で、海底の様子を肉眼で見える人間がいるんだよ!?』


「ここにいますが?」

『だからあんたは人間じゃねえんだよいい加減自覚しろってんだよぉおおおおおおおおお!』


 さて。

 私達が近づくと、龍は目を覚まし、こちらを見てくる。


『なんであるか、クラーケン……? 今日の餌か、そいつら?』


 龍がクラーケンに尋ねる。

 ふむ、この威圧的な感じ、クラーケンに命令してることといい、こいつが海王なのだろうか。


『【海王、ぼくはもうおまえの言うことを聞きたくない】ってさ』

『……ほぅ』


 海王の闘気オーラが揺れ動く。怒っているのが伝わってきた。


『我に逆らうのか? この海の王に』


 海王の体から発する怒りの闘気オーラに、クラーケンは萎縮してしまっている。

 私は……ふむ。まったくだ。


『な、なあ海の王さんよ。悪いことは言わない。もう人を襲うようなマネはやめておいたほうがいいぜ?』


 古竜さんが海王さんに対話を試みる。

 ふむ、私がやろうとしたことを、やってくれてます。ありがたい。


『なんだ貴様……? 見たこところ、我と同じく古竜であるな?』

『え、あんたも古竜なの?』


『うむ。しかし……ふっ』

『あ? なんだよ馬鹿にしやがって』

『いや……古竜のくせに、人間と行動を共にするだけでなく、従うなんて。滑稽この上ないな。古竜としてのプライドがないのか?』


 ぐぎぎぎ、と古竜が歯がみする。


『おれだってこんなおっさんの言うことききたかねーよ……』

『言うことなんて聞かなくて良いではないか』


『あんたは、このおっさんの異次元な強さを知らねーからそんなことがいえるんだよっ。同じ古竜のよしみだ、おまえ、もう人は襲うな』

『断る。人に屈した腑抜けの言葉なんぞ、聞くつもりはない』


 おやおや。

 ずいぶんな言い草だ。


『まじでさ、海王。やめとけって。おっさんマジ強いんだって。戦ったらやばいって』


「ずいぶんと熱心に諭していますね」


『そりゃそうだろ。だって戦ってもかてねーもん。どうせこいつ』


 びきっ!

 あ、古竜さんが地雷を踏んでしまったようだ。

 

『……馬鹿にするのもいい加減にするのである』


 ごごごごご! と海王の口に闘気オーラが集中していく。


『あ、いや! 違うんだって! おまえを馬鹿にしたわけじゃないんだって! 事実を述べただけなんだってマジで!』

『ここまでこけにされたのは初めてである! そこの人間よりまず、おまえから先に殺す!』


『なんでだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』


 海王は口に貯めた闘気オーラを、一気に放射してきた。


『水神豪雷砲!』


 超圧縮された青色闘気をビームのようにして飛ばしてきた。


『はや……よけ……死……』


 敵の攻撃が古竜の土手っ腹に穴を開ける。


『ぎゃぁああああああああああ!』

『ふ……他愛ない。そのまま人間ごと、あの世に送ってやるのである』


 敵の攻撃がそのまま私に向かってくる。

 私は木刀を構えて、下段から振り上げる。


「攻撃反射」


 パキィイイイイイイイイイイイン!


『な!? 我が一撃が弾かれただと!?』


 敵の攻撃を、私が剣で弾いてみせた。

 ビームは方向を変えて海王の顔面すぐ横を通り過ぎていく。


『あ、ありえん……人間の目で追える速度じゃない……攻撃だったのに……』


 私は土手っ腹に穴を開けられた古竜のもとへいく。

 手でふれて、そして白色闘気を流し込む。


 瞬間、古竜が再生する。


『ば、バカな!? 我が必殺の一撃をうけ、そこの腑抜けは死んだはず!?』

『わかるぜ、同胞。おれも最初は驚いたさ。信じられないよな。けどな……いるんだよ』


 古竜はどこか、諦念の表情を浮かべながら言う。


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