74.闘気武器
闘気を通すことで、魔銀は性質を変化させた。
「これは……とんでもないわよ、アル」
エルザが私の赤色闘気で作った剣を見て、目をむいてる。
「とんでもない?」
「ええ。この武器……魔法効果が付与されているわ」
「魔法……?」
エルザの手に持っている、赤色の刃を持つミスリル剣を手に取る。
確かに常に闘気が刃に纏っている。
私は剣を振る。。
ぼっ……! と炎が吹き出した。
「魔法ね」
「いや、闘気の性質変化ですね」
この剣は、自分の刃に付与された闘気を、炎に性質変化させている。
そう、使い手が闘気を込めなくても……だ。
「魔銀は吹き込んだ闘気を、ため込んでおく性質もあるようですね」
特に何もせずともこの剣は赤色闘気を作り続けている。
エルザはじっと刃を見つめる。
「やはりそうだわ。ミスリルの刃が大気中の闘気を自ら取りこみつづけている。それも……この感じなら、半永久的に」
「なんと」
「これ……本当にすごいわ。魔法効果を付与した武器って、通常込めた魔力がなくなったら効果がなくなる。けどこの武器は違う。自ら力をため込み続ける」
通常の魔道具と違い、半永久的に効果が持続する新しい魔道具となった……ということか。
「闘気って……本当にすごいのね」




