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67.なんでも闘気で解決できる


 兵士達とミスリルを回収した。


「なんと大量のミスリルじゃ……未だかつてこれほど大量のミスリルを拝んだことはない。さすがは、副王だな」


 ガンコジーさんがミスリルの山を見て感心したようにつぶやく。


「ドワーフの職人であるあなたでも見たことないですか?」

「そうじゃな。ミスリルは希少な鉱石じゃし。それに……扱える人間が限られるのじゃ」


「と、いいますと?」

「ミスリルを加工するためには、ミタケ火山の炎が必要なんじゃ……! そして火山に入れる人間は限られておる」


 ふむ……?

 どういうことだろうか。


「ミタケ火山とは、この世界の中心にある大火山ことじゃ。そのマグマは摂氏数千度を超える暑さを持つという。その暑さに耐えられる職人でなければ、ミスリルは加工できないのじゃ」


 なるほど……。

 ミスリルを加工するには、火山の炎が必要であると。


「そんなに加工がむずかしいのですね、ミスリルって」

「うむ。超高熱によるエネルギーを加えないと、変形しないのじゃ」


 超高温による、エネルギー……か。


「ガンコジーさん。そのエネルギーさえなんとかできれば、ガンコジーさんでも加工可能です?」

「そりゃ、もちろん。じゃが、わしには火山のマグマに耐えるスキルも魔法も持ち合わせてないぞ?」


 私はクビを横にふるって言う。


「いえ、ミタケ火山に行く必要はありません」

「なんじゃと!? どういうことだ!? 火山の炎がなければミスリルは変形しないのじゃぞ!」


「炎のエネルギーじゃなくても、別のエネルギーで代用できるような気がしたのです」

「ま、まさか……」


 そのまさかだ。

 私はミスリルの塊を手に、そして、全力で闘気を流し込む。

 かっ……!

 

 ミスリルが強く、青白く輝き出す。

 その状態でガンコジーさんに手渡した。


「こ、これならいける!」


 ガンコジーさんはその場にしゃがみ込み、ハンマーを取り出す。

 かん! とハンマーでミスリルの塊を叩く。


 すると塊が変形していた。かんかん! とガンコジーさんが夢中でハンマーを打つ。

 ものの数分で1本の見事なミスリルの剣が完成した。


「し、信じられぬ……ミタケ火山の炎を使ったとしても、加工にはかなり時間がかかると聞いたことがあるのじゃ……」


 ミスリルを溶かすには、長時間高温であぶる必要があるらしい。


「それを副王が少し闘気を込めただけで、一瞬でミスリルを溶かしてしまうとは……さすがじゃ!」

 


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