148.聖剣
カタクナさまが私の病室に来ている。
「おっと、ふざけてる場合じゃあなかった。本題に入るわ」
どうやら先ほどのはおふざけだったようだ。
良かった。
「ま、本気だけどね」
「どちらなのですか……」
かっかっか、と笑った後に、カタクナさまが言う。
「実は、英雄殿にご報告しないと言けないことがあるんだ。これを見てくれ」
従者が私の前にやってくる。
……おや、おや。
手に持っているお盆の上には、砕け散った神木刀が乗っていた。
「魔神との戦いで、完全にくだけてしまったのですね」
禁術闘気を使う前の戦闘時に、魔神と交戦した。
その際に、かなり木刀にダメージが入っていたのは知っていた。
しかし……そうか、砕けてしまったのですね。
私は木刀に触れる。
師匠から最初にもらった、練習用の木刀。
よくぞ、今日まで耐えてくれた。
ありがとう……。
「うちらのために、大事な木刀を壊してしまったことは忍びない。そこで、うちらが保管している宝剣を、あんたに譲りたいんだ」
「宝剣……ですか?」
「ああ、かつて八宝斎っていうとても腕の良い神職人が作った、神のごとき力を発揮する剣がこの国にあるんだよ」
そんな大事な物を譲ろうとしてるのか……?
「そんな、いけません。私のようなものに、そのような大事なものを送るなんて」
「いいんだって。あんたは国を救った英雄なんだから。もちろん、これであんたの大事にしていた木刀の代わりになるとは思わないけどさ。うちらの感謝の印として、もらってほしいんだ」
……なるほど、そういうことか。
で、あれば拒むのは良くないな。せっかくの厚意をむげにはしたくない。
「わかりました」
「よし! んじゃ、いこっか」
「いく?」
「ああ、宝剣はここにはないんだ。とりにいかねーといけねーんだわ」
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