146.修行をつけて
カイ・パゴスの王都ニサラキにて。
私はしばし療養することになった。
「しかしおっさん、ほんとバケモノよな」
王立治療院、病室にて。
人間の姿の古竜がミブロとともにお見舞いに来ていた。
「そうですか?」
「おうよ。あんなバケモノを倒したのもまあヤバかったけどよぉ、あんだけ瀕死だったのに、数日でもうすっかり回復してるじゃあねえか」
魔神戦から1週間ほどが経過し、体の機能はほとんど回復してる。
もう少しで退院できるだそうだ。良かった、ネログーマの皆を心配させている状態ですからね、今は。
「医者が言うには、全身の筋肉がズタズタで、内臓もぐっちゃぐちゃだったって言うじゃあねえか。死んでもおかしくない状態だったのに……今じゃピンピンしてら。うん、バケモノだ」
「……内力系活気で、あれくさんだぁさんは体の機能を回復していたのだ」
「あー……闘気を内にとどめておくってやつか」
そのとおり。
白色闘気を中にとどめておくことで、自己治癒力を高めるのだ。
「あなたも試してみます?」
「……そーだな。少し習っておこうかな」
おや?
「どうしました、古竜? 修行が嫌いだったのでは?」
「うん……まあそうだったんだけどさ。魔神なんてやべえやつが、この世にはいるんだって思ったらよぉ……自衛の手段を持っていたほうがいいかなって」
なんと。
この子が、自らの意志で、修行をしたいと言ってきたぞ。
「それはとても良いことですね」
「おう、だから、おっさん早く元気になってくれよ。おれに修行つけてくれ」
古竜なりの励ましだったようだ。
闘気のゆれをみれば、修行したいって気持ちにも偽りがないことがわかる。
良い子ですよね、古竜。
嫌いではないですよ。
「ぼくだって修行を付けて欲しいのに……」
ミブロが少しすねたように、唇をとがらせながら言う。
「ええ、もちろん。あなたもみっちり鍛えてあげますよ」
「! ほ、本当かっ。や、約束だぞっ」
「ええ」
まずは回復に努めるとしますか。
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