144.呪い、解除
私は魔神を討伐した。
少し休んで、王城へと戻る。
氷の柱には、このドワーフ国の女王カタクナ様が封印されている。
「おいおいどうなってんだ? 氷鬼はおっさんが倒したじゃあねえか! なんでまだ封印されてるんだよ!」
私の両隣には古竜とミブロが居る。
古竜がいうとおり、カタクナ様が凍ったママなのはオカシイ。
『ひゃははは! 無駄だぁ……!』
半透明の氷鬼が、私の前に現れる。
「あ、てめ! 死んだんじゃなかったのかよ?」
『へ! 逝くまえに良いことを教えてやろうっておもってな!』
「良いことだと……?」
『おれはこの国に呪いをかけた! おれが発生させた氷は、決して溶けない、という呪いをな!』
「な!?」
なるほど……。
この国全体は今、氷鬼のもたらした氷雪により覆われている。
『おれの死後、強まる呪いによって、この国は二度と日がおかげめえ、氷付けの国になっちまってえことだよ! ひゃはっはあ! ざまあみやがれぇ!』
すると古竜が、哀れなるものを見る目を、氷鬼の魂に向ける。
『なんだその哀れみの目は!』
「いや……なんか可哀想だなって思ってよ」
『ああ!? どういうことだ!?』
古竜は私に目を向ける。
彼女は本当によくわかってるな、私のことを。
私は聖剣ファルシオンを引き抜く。
『剣で何ができるんだっていうんだよ!?』
「馬鹿だなぁ。あんた、何見てきたわけ? あのおっさんはよぉ……」
私は聖剣に切っ先を、カタクナ様を包む氷の柱に突きつける。
ずずずうう……と禁術闘気を一気に流し込む。
パッキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
『なにぃいいいい!? ば、馬鹿なぁ!? おれの永久凍土の呪いが、溶けただとぉおおおおおおおおおおお!?』
倒れそうになるカタクナ様を、私は正面から抱きしめる。
脈を確かめる。よし。無事ですね。
『そんな……なんだあいつ……?』
「見てわかるだろ? バケモノだよ、バケモノ」
『そんな……く、くそぉお……』
さて……と。
私はファルを片手に、悪しき魂のもとへむかう。
『ひぃ!』
「あの世で己の行いを後悔なさい」
『ちょ、ま!』
ずばんっ!
私は悪しき魂となった氷鬼を切り払った。
あとには何ものこらなかった。
「氷鬼! てめえは確かに強かった……が! 残念! 相手が悪かったな! がっはっはー!」
「……なぜ貴様が得意げなのだ、三下雑魚トカゲ」
なんにせよ、こうしてドワーフ国カイ・パゴスでの事件を解決したのだった。
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