143.超次元
禁術闘気で強化した私の体。
いつもより遙かに強い力を出せる。
……だが、その反動は大きい。
この状態は長時間の戦闘には不向きだ。
あまり長く戦っていると私の体は自壊しだす……。
「がはっ! はぁ……! はぁ……! ちくしょぉ! なん……ぶぎゃぁ!」
私は魔神の顔面に木刀をたたきつける。
吹っ飛ばされた先に回って、今度は聖剣で切りつける。
「ぐはぁああああああああああああ!」
どごん! という大きな音とともに、魔神が地面に墜落する。
「は、早すぎてなにがなにやら……」
ミブロの目では今の私の動きを捕らえることはできないようだ。
無理もない。まだ彼女はその段階にいないのだ。
「く、そぉおおおおおおおおお!」
魔神がさらに闘気を練り上げる。
「こうなったらやけだぁ! この街ごと、けしとばしてやるぅうううううううううう!」
ふむ……どうやら己の体を爆弾に見立て、このあたり一体を消し飛ばすようだ。
闘気を過剰に練り上げ、それを外ではなく内にとどめることで、エネルギーを圧縮。
一気に解放することで周囲の街を壊す……という作戦だろう。
「無駄だ」
私は両手で聖剣を握りしめる。
そして……。
振る。
地面に……大穴があく。
ズバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
「音が……攻撃の後に、聞こえてきた……」
私の目の前には深い底へと繋がる大穴があいている。
ふむ……どうやら星の逆側にまで穴を開けてしまったようだ。
私は右手を前に出し、白色闘気で壊れた地面を治癒する。
「魔神を一撃で、倒した。あとかたもなく……す、すごい……」
私は禁術闘気をといて、地上へと降り立つ。
がくんっ、と私は膝をつく。
「あれくさんだぁさん!」
ミブロが私の元へと駆け寄ってくる。
心配させてしまったようだ。
「大丈夫です。少し休めば歩けるようになりますので」
そんな私の側に、古竜がやってきた。
古竜は私に肩を貸す。
「かたじけない」
「いや……おっさん……なんつーか……あれだ。ツッコむのは……後にしてやるよ。今はゆっくり寝な」
……おやおや。
なんとも優しい子でしょう。
「では、お言葉に甘えるとします」
こうして私は魔神を討伐したのだった。
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