141.かせ
まだ師匠が存命だった頃……。
私は師匠より、一つの枷をつけられていた。
『アレクよ。今日よりおぬしは、これを身につけて修行せよ』
デッドエンド村にいたころ。
師匠が私にくれたのは、1枚の胴着だった。
極光剣流の胴着だ。
『これはなんですか?』
『これには【高負荷】のまじないがかかっておる』
『高負荷……? 重しですか?』
『左様。重しをつけて修行することで、筋力が何倍にも上昇する。と、同時におぬしの体を守る防具にもなる』
『防具……ですか?』
私は師匠に言われたとおり胴着を身につける。
ずんっ、と私の体が何倍にも重くなったように感じだ。
これで動くのは中々骨が折れそうだ。
『アレクよ、おぬしは強い。強すぎる。おぬしが全力を出すと、反動でおぬしの肉体が壊れてしまうじゃろう』
『なるほど……だから、全力が出せないように、負荷をかけるのですね』
『そういうことじゃ。これから修行の時、日常生活でも、それを身につけるのじゃ。胴着には成長とともにサイズを変え、さらに負荷が増大するようになっておる』
という感じで、私はこの高負荷の胴着を着けて日常を送ることになった。
ちなみに、胴着以外の形にもすることが可能。
妻達とベッドをともにするときは、リストバンドに替えて身につけていた。
師匠に言いつけられた日から今日に至るまで、私は己の体に負荷をかけ続けてきた。
……そして、今日。
魔神を相手に、私はこの戒めを解いて、戦うことにしたのだった。
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