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 受肉した魔神の蹴りは相当なものだった。

 だが……。


「ほほぉ! 我が蹴りを受け、肉体を保っていられるとは! 驚嘆に値するぞ!」


 魔神が実に楽しそうに笑う。


「闘気操作の早さ、そして練度。どれも一級品だ。その強さ、魔神に匹敵するほど」

「す、すごい……神が、あれくさんだぁさんを認めてる……」


 倒れ伏すミブロが言う。

 彼女も立ってるのがやっとのようだ。


 古竜はノックアウトしてる。

 他のドワーフたちも同様に、意識を保っていられないようだ。


「だが、我には決して勝てない」

「そんなことは、やってみないとわかりませんよ」


 私は一瞬で距離を詰める。

 背後に回り、聖剣ファルシオンで切りつける。


 天王剣。

 空間を切り裂く斬撃で、袈裟に切りつける。

「やったか!?」

「残念だな」

「なに!? 無傷だとぉ!?」


 ミブロが驚愕するのも無理はない。

 天王剣はもろにあたったはずだ。


 魔神の体は虚空へと消えたはずだった。

 だが、すぐに戻ったのである。


 相手が瞬きする間に、百回の斬撃。

 だがやはり攻撃が通らない。


「そんな……いったいどうなってるんだ? どうやって防御を……?」

「いいや、ミブロ。相手は防御していないです」


「防御をしていない!?」

「ええ。攻撃そのものが、通っていない感じがします」

「!?」


 ほぅ……と魔神が感心したようにつぶやく。

「よく気づいたな。そう、人間では神を決して殺せない」

「なっ!?」


「【神は神でしか殺せない】。これは、この世界が創生されたときから定められし、絶対理だ」

「そんな……」


 ミブロがその場に崩れ落ちてしまう。


「そんな……人間では、倒せないなんて……。ずるい、ずるすぎる……もう、おしまいだ」


 にやぁ……と笑う魔神。

 だが……彼は私の顔を見て、不愉快そうに表情をゆがめる。


「なんだ貴様……? なぜ、絶望に顔をゆがめない……?」

「簡単なことです」


 私は、身につけている胴着を脱ぎ、上半身裸になる。


「なんだ……? 急に服なんて脱いで……」


 ひょいっ、と私は胴着を放り投げる。


 ズドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!


「「なっ!?」」


 胴着が地面にめり込んでクレーターを作る。

「な、なんだ!? なんだその服は!?」

「重しですよ」


「重しだと!? つまり……貴様はずっと、そんな重い胴着を身につけた状態で、神と互角に戦っていたということか!?」

「ええ、そのとおり」


 私はファルシオンを構える。

 魔神の表情が驚愕に染まる。


「闘気量が……跳ね上がった! どんどん……上がっていく! これは……人間の領域を超えている! まさか……! 貴様ぁ……!」


 魔神が顔を怒りで真っ赤に染める。


「力を、セーブしておったなぁ……!」

「ええ、そうです。今まではレベルを落として戦っておりました」


 ちゃき、と私はファルシオンを、両手でしっかりと握りしめる。


「さて……仕切り直しです。ついてきてくださいよ、魔神?」

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[一言] こいつ…… 神だ……
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