表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

129/153

129.またしてもやられる古竜

129.


 王都に侵入した私達。

 敵は遠くから狙撃してきた。


 古竜程度なら一撃で倒せるくらいの力を持っているようだ。

 

「ミブロ、あなたはここに残り、古竜を守ってください」

「いや! それには及ばねえぞおっさん!」


 おお、古竜。

 自分の身は自分で守る。だから先に行ってくれみたいなことを言いたいのですね。


「おれもおっさんについて行く! なぜなら、おっさんのそばが一番安全だからな!」

「…………やれやれ」


 いつまで経ってもこの子は成長しない……。

「あれくさんだぁさん、なぜこんなうるさいだけの無能トカゲを旅に同行させたのだ? 正直足手まといではないか?」

「古竜を無能トカゲっていうのおまえらだけだからな! この刀バカども!」


 私は剣を抜く。


「過酷な環境に放り込めば、いやでも強くなろうとするかと期待したのです」


 この子はネログーマにいるとき、自分から鍛錬しようとは一切しなかった。

 なら、危ないところへ連れて行けば、自分の身を守る家庭で、強さを身につけるかもしれないと思ったのだ。


 ……だいぶ無駄だった気がするが。

 そのときだった。


「む、来ますね」


 私は頭上を見上げる。

 上から、無数の氷の槍が降ってきた。


 アレに当たると凍り付いてしまう。ならば。


「極光剣、緑の型。旋風」


 私は剣を振る。

 すさまじい突風が吹いて、氷の矢を吹き飛ばしていく。


「……なんという、見事な剣術。素晴らしい」

「あん? なんだよミブロ。あれが素晴らしい? ただ凄いパワーで剣を振るって、槍を吹っ飛ばしただけじゃあねえのかよ?」


「やれやれ。愚かな古竜ものさしだな」

「古竜って書いてものさしって言うなや! 愚かってどういうことだよ!?」


「第二の矢が振ってくる。おまえ、竜となってその矢を吹っ飛ばそうとしてみろよ」

「はぁ? なんでおれがそんなアブねえこと……って、来た!」


 また矢が降り注いできた。


「できないのか、雑魚」

「できらぁ……!」


 古竜が竜化して飛び上がる。

 止めようと思ったが、これも修行の一環だ。

 古竜は飛び上がる。


『このおれさまが空の王だってこと教えてやるぜえ!』


 古竜がその大きな翼を広げて、羽ばたく。

 突風が発生し、氷の槍を吹き飛ばそうとするも……。


 ずぉ……!


『ふぇ?』


 槍は勢いを一切失うことがなかった。

 

『ちょ!?』


 古竜の体に氷の槍が突き刺さる。

 がきぃん!


 古竜は落下し、粉々に砕け散った。

 やれやれ……。


 私は古竜を、さっきと同じやり方で蘇生する。


「ぜえはあ……どうなってんの……?」

「当然だ。あれくさんだぁさんの風にはすさまじい量と練度の闘気が込められていた」


「な、なるほど……おっさんの風は闘気で強化された攻撃」

「ああ、一方でおまえのは闘気が一切こもっていないただのそよ風。敵の攻撃を防げるわけがない。わかったか雑魚物差し(こりゅう)?」


「おれの名前が変なのにランクアップしてるぅう……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ