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127.次の目的地


 ミブロが私の妻になった。

 私たちは氷鬼のいる王都を目指す。


「あーあ、しっらねーぞぉ」


 私の隣を古竜が歩いてる。


「こりゃ、帰ったら戦争だわな」

「戦争?」

「そう。戦争。おっさんの女たちの」

「? みな良いこたちばかりですよ? 争いをするとは思えませんが」

「あーあ、おれしーらね」


 ふむ……どういうことなのだろうか。

 女王陛下が戦争を仕掛けるということか?


「おっさんって、鍛錬のしすぎで、人の心無くしちまったんじゃない……?」

「……おい貴様。あれくさんだぁさんに、さっきから失礼だぞ」


 ミブロが刀に手をかける。


「ひぃ! おたしゅけぇ!」


 さっ、と古竜が私の後ろに隠れる。

 このこは本当にもう……


「おいあれくさんだぁさんから離れろよ」

「そしたらあんたおれのことぶった斬るだろ!?」

「まぁな」

「じゃあやだ!」

「離れないとぼくが斬る」

「こぇえよ! わかったよぉう!」


 古竜が私のそばから離れる。

 ミブロは満足そうにうなずくと、私の隣にピッタリと寄り添ってきた。おやおや。


「やっぱ異次元に強いやつって、強さの代価として人間性を失うんだろうなぁ。おっさんしかり、ミブロしかり」


 一人で納得したように、古竜がうなずいていた。


「そーいやよぉ、氷鬼ってもう配下いねーのかよ?」

「いる。だが、鷲、猿、犬、そしてぼくの四人以外は雑魚眷属だ。こいつらは気にしなくていい」


 ふむ。

 そうなると、あとは王都にいる氷鬼を倒すだけか。


「ん? ミブロってすげえ剣士じゃん?」

「あれくさんだぁさんと比べたら、ぼくなんてまだまだ」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おっさんの同類がまた増えたぁあああああ!」


 古竜が頭を抱えながら悶える。


「つかそれはどうでもいいんだ。問題なのはよぉ、ミブロの剣で、魔神の封印って破れなかったのかよ?」


 なるほど。

 氷鬼の目的は、魔神の封印を解き、その力を手に入れること。


 ミブロの必殺技、三段付きを使えば、魔神の封印が解けるのではないかと言うことだ。


「ぼくの三段づきでも封印は壊せなかった」

「え、じゃあ氷鬼ってどうやって封印を壊そうとしてるんだよ?」

「ドワーフの王族を尋問してる」

「王族を? なんで尋問するんだよ」

「ドワーフ王家には、魔神の封印方法が代々伝わってる、と言っていた」


 なるほど。

 封印方法と同時に、解除方法も伝わってるかもしれない。

 だから、ドワーフ王家をじんもんしてると。


「では、氷鬼は王城にいると?」

「うん。女王が確かいたよ」


 なるほど……。

 すぐに助けてあげなければ。


「あーあ、あーあ」


 古竜が呆れたように言う。


「どうしました?」

「この後の展開が目に見えてるぜ」


「展開も何も、助けに行くに決まってますよ」

「そこじゃねえよ。はーあ、まーた増えるよ女が」


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