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120.正々堂々



 天然理心流の使い手、ミブロと相対してる。

 彼女は本物の、新撰組の剣を使ってきている。


 そこに加えて、彼女は見えない刀身の刀を使っているのだ。

 間合いを絶妙に計りづらい。つまりは、避けにくいということ。


「おおおおおおっさん! 速くあいつぶっ殺してくれよぅ!」


 古竜がガタガタと体を震わせながら言う。


「できませんよ。相手は女性ですしね」

「あんたを殺そうとしてんだぞ!? そんな相手に情けなんていらねーだろ!?」


「いえ、だとしてもです。女性を殺せません」

「ふぬぐぐぐぐ!」


 古竜は私の手から、すぽんっ、と木刀を奪い取る。


「ちょっと?」


 古竜は私の木刀の先端に白いハンカチを付ける。


「こうさぁん! 降参ですぅ! ミブロさまぁ……!」


 ……この古竜。

 まさか、寝返った……?


 自分だけ助かろうとしてるのか?

 おやおや。しょうがない子です。


「ミブロ様ぁ! あのおっさんの武器をとってきてやりましたよぉ!」


 古竜はミブロの隣までやってきた。

 そして、木刀を差し出す。


「へへへ! これでやつは丸腰ですぜ!」


 いちおう聖剣ファルシオンがあるから、丸腰じゃないのだけどっも。


「さぁ! あのおっさんをぶっ倒してくだせえ! ミブロ様ぁ!」


 するとミブロは古竜から木刀を奪い取る。

 そして……。


 ばきぃい!


「ほんげぇあああああああああああああああああああああああああ!」


 自分の剣ではなく、木刀で、古竜に三段突きを放ってきたのだ。

 古竜は体を【く】の字にして、凄い勢いでぶっ飛ばされる。


 このままでは空の彼方に消えてしまうだろう。

 やれやれ。


 私は闘気で体を強化し、ジャンプし、古竜を回収する。


「いでえ! いでえよぉお! 死ぬ、死ぬぅううう!」


 これだけやかましくできるのだから、死ぬわけがない。

 私が着地すると……。


 ミブロが持っていた木刀をぶん投げてきた。

 その木刀が回転しながら、古竜の頭の激突する。


「ぎゃふん!」


 落ちてる木刀を拾って、ミブロを見やる。


「武器を返してくれたのですね。ありがとうございます」

「……勘違いするな」


 ぎろり、とミブロが私をにらみつける。


「……こんな形で決着なんて、嫌なだけだ。白黒をはっきり付けたい、ただ、それだけ」

「…………」


 なんと正々堂々とした子だろうか。

 こんな子が、どうして氷鬼なんかの配下をやってるのだろう……。


「……まさか。何か弱みでも握られてるとか……?」

「……勘違いするな。私は、弱みなど握られてない」


「本当ですか?」

「……ああ」


 嘘だ。私には、わかった。

 彼女の闘気に、ゆらぎが見えたのだ。


 おそらくは彼女の言動は監視されているのだろう。

 だから、真実を言えないのだ。


「…………」


 彼女がどういう弱みを、氷鬼に握られてるのかはわからない。

 が、無理に従わされてるのは確定だろう。


 ……私はあの子を助けたい。

 できれば、氷鬼の呪縛から解放してあげたい。


「わかりました、では……全力で挑ませていただきましょう」


 いずれにしろ、彼女を呪縛から解放するためには、彼女を戦闘不能にする必要がある。


「いけぇ! やれぇ! おっさん! あいつぶっ飛ばせぇ……! ぎゃふん!」


 三下古竜の頭を木刀で軽くたたく。


「いってえ! 女は殴らないんじゃなかったのかよぉ!」

「あなたはメスの竜でしょうが。それより、黙ってそこで見てなさい」


 


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