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111/153

111.片手間に倒すおっさん



 私は覇闘気で、雪崩を起こした。

 ややあって。


「死ぬ! まじで死ぬところだった!」


 雪の上で、古竜(人間)が大の字になって倒れている。

 おやおやこれくらいでへばっているなんて。

「つーかよ、これもういじめだろっ。他の兵士達にこんなことまさか、してるんじゃあねえだろうな!」

「まさか。そんなことはしてないですよ」


「ほんとかよぉ……。一歩間違えれば死ぬ修行とかさぁ、望んでないやつにやるのはいじめだぜ。まじでよぉ……。雪崩とかさぁやりすぎじゃんな?」


 ふぅむ……そうか。


「すみませんでした。これでは、弱いモノ虐めみたいになってましたね」

「いや弱いモノて……! おれ古竜! 最強生物! って、おっさん、どこいくんだい?


 私はざふさふと雪の上を歩きながら、そこへと向かう。


「仕留めた敵を確認しに」

「仕留めた……敵ぃ~~~~~?」


 ほどなくして。

 私は雪原のど真ん中にいた。

 

 ずぼっ、と雪の中に手を突っ込み、取り上げる。


「なにその、でけえ猿?」


 そう……猿だ。

 人間と同じくらいの大きさで、青白い毛皮の猿。


「おそらく氷鬼の眷属でしょう」

「はぁ!? 氷鬼の眷属!? どうしてそんなのわかるんだよ!?」


「? 闘気を見れば一発ですが?」

「まーーーーーーーーーた闘気ですか!? 闘気でなんでもわかりすぎやしないか!? なぁ!?」


 なんでもはわからないが……。


「この猿は氷鷲と同じ闘気をしています。おそらく眷属とは、体から分離されてできるものなのでしょう」

「な、なるほど……元となる氷鬼(の眷属)と同じ闘気をしてたから、こいつも眷属だと」 


「そういうことです」


 完全に事切れている氷猿を見て、古竜が尋ねる。


「まさか、おっさん。この猿がこっちに襲ってくるのがわかってたから、雪崩を起こしたのか?」


「? それ以外に何か?」


「いや、弱いモノ虐めかと……」

古竜よわいもの虐めなんてしませんよ」


「古竜と書いてよわいものって読むなや!!!!!!!!! おれ最強生物ぞ!?!?!?!?!?」


 疑わしいモノです。

 

「つまり、おっさんは氷猿が山の近くにいるのがわかったから、闘気をとばして雪崩を引き起こし、雪の下敷きにしたと」


「ええ、修行もできて一石二鳥かと思ったのです」


「修行の片手間に強敵を倒すとか……やっぱおかしいよ……」


 おや?


「強敵とは……?」


 いったいどこに強敵がいるのだろうか。

 私はとっさに木刀に触れる。


「そこの猿だよ!」

「? 他にも猿の眷属がいるのですか?」

「ああぁあもぉおおおおこの強さバグりおっさんがよぉおおおおおおおおおおおおお!」


 しかし、反省だ。

 やはり今回のような修行はよくなかったな。

 もっとその人にあった強さに、あったレベルの修行を付けるようにしよう。


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