表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

108/153

108.出発



 さて、氷鬼の居場所へと行くことになったのだが。

 行く前に情報を整理しておかないと。


 ドワーフのガンコジーさん、そして街長のドワーフさんと、私は話をする。


 食堂にて。


「魔神が封印されている場所はどこにあるのですか?」

 

 カイ・パゴスを襲った氷鬼は、魔神の封印を解いて、その力を我が物にしようとしてるそうだ。


「ここ、ニサラキから東へ行った場所、王都ウフコという場所に、魔神の封印されている神殿があります」


 街長が地図を広げて指さす。

 私達がいるのは西側の街、ニサラキ。


 ここからまっすぐに行った先にある場所が王都らしい。


「徒歩だとどれくらいですか?」

「雪に足を取られるので、3日はかかります。馬車だと1日かと」


 ふむ……。


「飛んでいけばもっと速くつけそうですね」


 ちら、と私は古竜を見やる。

 古竜は食堂にしつらえてあった、ストーブの前で震えていた。


「おれは嫌だぜ。外は吹雪じゃねえか!」


 そう、到着したときはさほどだったのだが、今は外は猛吹雪だ。


「普段から、この国は吹雪いております」

「そんな吹雪のなかとんだら風邪ひいちまうよ! だから……却下!」


 ふむ。一理ある。


「そうですね」

「え!? そんな……おっさんなら、この吹雪の中も飛べって言うんじゃないかって思ってたんだけど……」


「私をなんだと思ってるのですか?」

「鬼、悪魔、鬼畜」


 おやおや……心外ですね。

 優しくしてるつもりなのですが。


「飛んでいけないとなると、歩きですね。善は急げです。参りましょうか」


 私が立ち上がる。

 

「じゃーね、おっさん。いってらっしゃい」

「おや? ついてこないのですか? 古竜」


「乗り物としての価値がないんだから、連れてく必要なくない?」

「まあそうですね」


「即答されるとなんかむかつくっ! 事実だけどさぁ!」


 しかし……ふぅむ。

 この子、思ったより弱い。今回の敵は……修行にちょうど良いかもしれない。


「古竜。ついてきなさい。修行です」

「えええええええええええええええええええええええええええええええ! やだやだやだ! 何で修行なんてするんだよ!」


「強くなるためです」

「いいよ! 強くならなくて!」

「駄目です。強い敵が現れたらどうするんですか?」

「おっさんがいれば問題ないだろ!」


 おやおや。


「確かにわたしが居れば問題に対処はできます。が、居ないときに強敵と会ったらどうするんですか?」


 現に、この子は氷鷲とであったときに、殺されかけていた。


「ということで、修行をかねて行きますよ」

「いやじゃぁ! ここでぬくぬくストーブに当たってたいぃいいい!」


「駄目。ほら、いきますよ」


 私は古竜の首根っこをつかんで外に出る。


「わしもお供するのじゃ!」


 とガンコジーさん。


「いえ、危険ですのでここで待っていてください」

「扱いの差ぁ……!」


 ガンコジーさんは戦闘員じゃないのだ。当然の扱いである。



「つーか、敵がまたここ襲ってくるかもしんねーじゃん。そんとき、戦えるやつがいたほうがいいんじゃないの?」


 む?


「……確かにそれには一理りますね」

「でしょ!? はいじゃあおれも残る! はいけってー!」


 やれやれ。良い修行の機会だと思ったのですがね。


「では、後は任せますよ古竜」

「あいあい~! はー! やっと変なおっさんのツッコミ係から解放されるぜぇい!」 


 がちゃり、と扉を開けると……。


「副王さま!」「おひさしぶりっす!」


 おやおや。

 トイプちゃんに、ワンタ君ではないですか。

「どうしました、二人とも?」

「エルザ様から、ここを守護するようにと派遣されまして! 転移門ゲートをくぐってやってきたのです!」


 なるほど、エルザはこの場を敵がまた襲うかもしれない、と考えて兵士を送ってくれたみたいだ。


「ありがとう。二人とも。では、任せますね」

「「はいっ!」」


 そろーり、と逃げようとした古竜の首根っこをつかむ。


「ひっ!」

「さ、いきますよ」

「いやぁああああああ! 助けてぇええええええええ! 殺されるぅうううううううううううううううううう!」


 おやおや何を言ってるのでしょうね。


「殺されたら、生き返らせてあげますから」

「いやぁもぉおおおおおお! おれをこの役割から誰か解放してくれよぉおおおおおおおおおおおおお!」

【★大切なお知らせ】


新作投稿しました!


『 天才魔道具師リタは、氷の国の王子に溺愛される〜家族から召使のようにこき使われ、姉に手柄を全て取られていた私、王子様に才能を見出され求婚される〜』


広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!


リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n9799jl/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ