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101/153

101.凄腕料理人おっさん



 私は魚をさばいて、皆さんのために料理を作った。 

 やはり新鮮な魚は刺身にするに限る。


 食堂のテーブルの上には、刺身やつみれ汁などの、魚料理が並んでいた。


「どれもうまそうじゃ……」


 ガンコジーさんをはじめとして、皆さんごくりとつばを飲んでいる。


「さぁ、どうぞ。古竜も食べなさい」

「おれ……生魚って苦手なんだよなぁ……」


 人間姿の古竜が舌を出して言う。

 おや、意外。


「生魚って臭いからな……あれが苦手なんだよ……。あとべちゃべちゃしてるっていうか……」


「まあまあ。ほら、一口食べてみてくださいよ」


 古竜は嫌そうな顔をしている。

 そっか……嫌か。まあ食べたくないものを無理に食べさせるわけにはいかない。


「では、ドワーフの皆さん。召し上がれ」


 ドワーフさんたちが箸を手にとり、刺身を一口食べる。

 ……パクッ。


「「「うっ……!」」」

「う?」

「「「うまぁああああああああああああああい!」」


 全員が涙を流しながら、バクバクと食べている。


「すげえ!」「こんな刺身くったことがない!」「感動だぁ……!」


 ばくばくばくばく!

 ふふ、皆さんが喜んでくださってるみたいで良かった。


「そ、そんなにうまいんか……?」


 何度も刺身とドワーフとを見比べている。

 ドワーフさんたちはバクバクと凄い勢いで食べてく。


 刺身が無くなりそうになって焦ったのか、古竜が刺身を食べる。


「うぉお! やべえええ! なんだこのぷりっぷりの刺身ぃ!」


 古竜もまた、ドワーフさんたちと同じく、凄い勢いで刺身を口に放り込んでいく。


「ありえない! ちょー新鮮! ちょーうま! なにこれ!? ただ斬っただけじゃないのかよ?」

「ええ。鮮度が落ちないように斬りました」


「鮮度が落ちないように……斬る?」

「ええ。斬られた、と認識されないように斬ったのです」


 ほえ……? と古竜が可愛らしく首をかしげる。


「ど、どういうこった?」

「まあ実物を見てもらった方が速いかもですね」


 私は刺身を作ったあとの魚の死骸をもってきた。


「ほげぇええ! 生きてる! 魚……骨と頭だけになってるのに、びちびち動いてる! なにこれきめえ!」


「このように、一流の剣士は、斬った相手が斬られたと認識できないように斬ることができるのです」


 魚相手に、斬られたと認識できないように斬った。

 結果、鮮度が保たれているということだ。魚は死ぬとそこから鮮度が下がっていきますからね。


「あんた宮廷料理人にもなれるなこりゃ……」

「いえいえ、私程度の腕では無理ですよ」


「あんたのそれ……謙虚っつーか最近嫌みに聞こえるぞマジでぇ!」

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