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ギルドの話をしようか

フーディの街郊外 ー黒き森ー


冒険者ギルド北端支部拠点――

障壁魔法が張り巡された周囲に冒険者たちが数名警戒の為に巡回していた。


遠征部隊としての訓練がされているのか張られているテントもきっちりと整列されており、其々の目的を明記した垂れ幕が出入り口に掲げられている。


その一つの救護テントに内部でつながるように設営されている細長いテントで、仕切りがされたベッドでイーライこと、リゼルは目が覚めた。


「…怠い、筋肉痛とかかこれ?」


随分とぐっすり寝ていた、処方された薬に睡眠薬でも入っていたのではと疑う、、

経験したことがない緊張感の中で数時間動き、魔力切れ程までいき、死も間近にあった。それを思えば随分と自分は落ち着いているようにも思う。


(一度死んでるからかな、…と言っても前世の記憶なんてほとんど…個人的な事は覚えてない)


名も顔も、ただ何となくエピソードのような事を時折思い出していたが。



>>>>>


洗い立ての昨日の服に着替え身支度を整える。

外を出れば医療スタッフに食事後に診察しますねと告げられ、まずは配給所となっているテントへ行く。

ちらちらと見られているのが部外者だからか、ガーゼやらケガしてるの俺位だったわ、としまったと思ったがスルーしておいた。


「ほらよ、しっかり食えよ」とシェフだろうか男に言われながらトレイに乗せられた食事を受け取る。

豊富な根菜や野菜に肉もたっぷりと入ったスープに柔らかいパンと酢漬けの野菜などが出る。

小さなデザートもついていた、朝食にしては随分と豪華だ、がもう日が高いので殆ど昼近い、設営されているテーブルの一つに座り、食事をとる事にする。野菜も肉もスプーンですぐに崩れた。


「うまっ」


ほっと腹の中を満たす暖かさに漸く一息ついた。



顔を洗う時にガーゼを取っ払ってから診察へ行くとおやおやって顔をされたが

「傷も随分といいですね、このまま軟膏は付けておいてください。保湿大事にね。瘴気も念の為に気になる時には神殿に行くかこの聖水を飲んでください。薬代などはこちらが負担になってますので後日請求なんてこともないので安心してください」


お大事に、と言われ軟膏と聖水入りボトルを数本受け取る。


(ふーん?北端支部はギルドが独自に定めてる地域全般みてるっていうギルドの中でも上位部署、くらいしか知識がないんだよな)


身支度と荷物を確かめて外へと出る。

帰る前に寄ってくれと言われていた拠点中央にあるひと際大きいテントへと向かう。


外にいた人間に声を掛ければすぐに案内された。

ばさりと跳ね上げられた布の先は思いのほか広く感じる、天井から光が入る仕様のようだった、入ってすぐに絨毯が敷かれソファとテーブルが置いてある簡易応接間が出来上がっている。


「どうぞこちらへ」とソファの傍で立つ男が今回の責任者なのだろう、にこやかな笑みを浮かべている。



「わざわざお越しいただいて恐縮です、イーライさん。私は北端支部より参りました支部長補佐アライエと申します。この度はご協力いただきありがとうございます、大変助かりました」


「……いいえ、俺もどうしようかと迷っていたので」


自分も少し緊張していたのか少し声が上ずる、相手は気に留めずに ささどうぞ、お座りください。と促され男が立っている反対側のソファへ促された。

さくっと座った、座り心地が随分といい。


にこやかにアライエと名乗った男は冒険者というよりは官僚のような出で立ちだ、よく通る声と感じのいい笑み、見えてるのかわからないくらい細目をしている。


「北端支部についてあまり詳しくないんだ、…あるのは知ってたけど」


「皆さんそんな感じでしょう、あまり直接かかわりませんからね、基本的に街中にあるようなギルドの本部、支部、出張所などは個人やパーティ単位の冒険者達とのやり取りが主ですが、我々北端支部はそれよりも大きな地域を一つとして見て動いています。イーライさんは確か東方支部管轄で冒険者登録されていますね」


頷く、ギルドの証明書にもそう記載されている、特に地名は表示されず「登録:東方支部管轄」となっているのは個人情報保護とかそういう?と思ったことがあるが地名は被ってる事もあるのでその配慮だろう。

なるほど、と相槌をうつアライエは更に説明を続け


「大まかにですが、世界を4つにわけて東方、西域、南原、北端と冠した支部が四つ、そして中央本部という部署があります。色々と小難しい話になりますので割愛しますが、管轄としている地域に大型の魔物や異常が出たら出張ってくる部署だと思って頂ければよろしいかと」


ついで管轄内の冒険者ギルドにも幅が効くのだろう、ギルドに登録した時に軽く説明を受けるがほぼ覚えてない。


「地元の権力者とか知人とかそういうしがらみを無視して、動けたり?」


「…土地に癒着しすぎていると利点もありますがいざという時に動きが鈍くなりますのでその点我々はその辺りはサクッと無視できます。ですが――流石に大貴族や王家などとはある程度交渉が必要になりますが」


大変そうだな、なるほど中間管理職…又は交渉人か。

苦労してます、という雰囲気をアライエが出すが、さてと気を取り直すように咳ばらいをしたのち身を前に乗り出してリゼルへと微笑む


「ご相談なんですが、今回の屍竜ファムリアの件は内密にして頂きたいのです。報酬は弾みますよ」


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