表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星に願いを  作者: 水城十夜
1/1

1.始まり

ー誰が言ったのだろう。流れ星に3回願いを唱えれば、きっと願は叶うと。





一面黒の絵の具をひっくり返したような月のない夜に、それはやってきた。

「うっきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「阿呆ぅぅーー!誰が助けに来るってんだ!落ち着けぇぇぇぇ」

空から滑空するように流れ星が落ちてゆく。

眩い光を放つそれは、少女の姿をしていた。

金色の長い緩やかな髪を高く結い、瞳の色はエメラルドのようにキラキラと輝いていた。しかしその瞳には涙がいっぱい溜まっている。

「こんなに早く落ちるなんてきいてないぃぃぃぃ」

「いいから早く体勢を整えろ、地面に叩きつけられるぞ!!」

少女の杖に捕まりながら、黒猫が叫ぶ。

「落ち着けばなんてことない!自分を信じろ!」

地面が目の前に迫る。

少女は目一杯目を見開いて地面に向かって手をかざした。すると地面から砂煙が上がり、落下が止まった。

「ふー。間一髪……」

ボサボサになった髪のまま、放心したように少女が呟く。

「しょっぱなからヤバかったな。1ページ目で物語が終わるところだったぜ」

冷や汗をかきながら黒猫はゆっくりと地面にジャンプした。

「で?誰か3回唱えられてたか?」

「あ…それどころじゃなくて全然きいてなかった」

ブチッ

黒猫の血管が切れた。

「ばっかもーーーーん!!!」

暗闇に黒猫の怒声と少女の嘆きが響く。



そしてここから、すべてが始まった。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ