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 機械獏のベッドに横たわるとMRIのようにドーナツが頭に迫ってきた。

 気付くと意識は絵に描いたようなヴァーチャルな空間にいた。

「そこに並んでる武器から好きなものを選んで準備完了と呟けぃ」

 ヴァーチャルな空間の壁にはナイフやクナイ、刀や槍刃物に限らず弓や棍棒に銃器まで用意されている。中くらいの長さの刀を手に取り準備完了と呟くと視界が歪みまるで現実のような草原が目の前に広がった。草原に生えた一本の木に寄りかかって待っていた老師は口を開いた。

「まずはお前のスジを見るところからじゃ、その刀で好きに切りかかってこい。」

 切りかかってこいと言われたが当の老師は丸腰だ気が引けると腰も引ける、快はへっぴり腰な姿勢で刀を構えはしたが一歩も踏み込めなかった。

「遠慮はいらん貴様のような雑魚に素手であろうと儂が負けるわけ無かろぅ」

 流石にバカにされカチンときた衝動のまま距離を詰め一太刀、素人にしてはスジのいい袈裟切りだ。だが達人である老師に当たるはずもなくまるで剣がすり抜けるかのように紙一重で避けられ、仕返しと言わんばかりにカウンターのチョップを振るう。

 快はひるまずに姿勢を立て直して横一文字に2撃目を放つが老師はなんと刀の(つば)を蹴りそもそも刀を振らせてくれなかった。

「そんなに脇を開けるとこうやって振らせてすらもらえんぞ。間合いは腕を伸ばすよりまず踏み込んで詰めろ」

その後なんども老師に切りかかるがあの手この手で全ていなされ、毎回チョップを食らう。そうしているうちに快は息が上がってきた。

「ふん、これだけ真剣を振れたのだから体力はあるほうだなそろそろ仕舞にするか」

「最後にもう一合」

「ほぅ今までにない気迫じゃ、面白い受けて立とう」

~老師~

北居流武術の継承者。桜の国最高の武人と敬われ現役を退いたのち宮中指南役を預かる。彼に弟子入り出来る人間は少なくさらに免許皆伝された人間の記録は残っていない。北居の神主の弟にあたる。

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