鎖国されていた国に旅行に来た俺
夢で観たのを書いただけなので深く意味もないですし、矛盾だらけです。
まとまりも悪いです。
無理そうならお戻り下さい。
突っ込まれても内容ありませんので、すみませんが詰められません。
今から25年程前の事だ、世界は、死に至る奇病と言われる病によって大多数の人が生命の危機に瀕した………その結果、ヒノモトと言われる島国は、鎖国してしまい近々まで、それは、解かれる事は、なかった………かれこれ半年程前からになる旅行者を受け入れるようになったのは。
本島の中心部に聳え立つ大きな大きな木は、隣国からもよく見える程で………25年前までは、なかったものだ。
木が某かで突然変異したにしても大きくなるまでの期間が余りに短い事から専門家も首を捻っていた………最も……鎖国したとは、言え、奇病の対策薬を出したのは、ヒノモトで他国は、それを受けて生き長らえた訳なので…………詮索出来ない。
ヒノモトは、他国を否定しない。
ヒノモトは、他国を受け入れない。
ヒノモトは、自国のみで全てを済ませられる。
ヒノモトは、自国のみで良い。
そう言う国なのだ。
実際、奇病後にこの国は、変質したのだろう。
ぐるりと本島を囲む壁は、決して高くないはずなのに外から中が見えない。
以前は、普通にヒノモトの海域に入れたと言う話を聞くが、今は、迂闊にヒノモトの海域に船で入り込めば水没する………水流にしろなんにしろ、それこそ一秒単位で変わるのでこちらは、対応出来ない。
ヒノモトの水に関わる神官のような者だけが分かるらしく、ヒノモトの国に入るには、ヒノモトの国の者と船でないと無理なのだ。
空は?と、上空を飛んだ飛行機は、乱気流にまかれて隣国の土地まで飛ばされて墜落した………それは、何度やっても変わらなかった。
好奇心、と言うには、良くないのかもしれないけれど、俺は、この不思議な不思議な島国に観光で行く事にした。
きちんとヒノモトの者が動かす船に乗り、きちんと注意を聞く。
存外、この国に対して興味を持つ者が多いのか、船には、多くの外国人が乗り合いしていた。
船は、穏やかな波に揺られながらかヒノモトの国へと向かったのだった。
ヒノモトの国は、鎖国していた。
そう言うけれどぐるりと囲まれた壁の中に門から入れば賑やかなものだった。
洋服で歩く者やひらひらとした袖を垂らした独特な服装の者も居た。
立ち並ぶ屋台からは、美味しそうな香りがしてついつい目移りがひてしまう。
ヒノモトの国は、滞在は、基本的に二日間しか出来ない。
仕事等の場合は、申請して通った場合のみだが、それこそ政治家や医療関係者程度だろう。
何せ物流のやり取りもないし、ヒノモトの国は、外国人を住まわせないのだから。
現在のヒノモトの人口は、全てヒノモトの者のみである。
どこまでも排他的なのにこの雰囲気は、なんだろうか?そう思わずに居られない程気さくに話しかけられる。
串焼きを買えばおまけと言って更に一本つけてくれた。
飲み物を買えばなみなみに注いでくれた。
土産は、決まったもの以外は、取り扱い禁止とされていて、並ぶ品は、似たり寄ったりの物ばかりだ……それでも、その異国情緒豊かな品々は、俺の目を奪うばかりで………楽しく屋台を回る。
滞在は、二日間と言うけれど、中心部には、行けそうにないなと思う、何故ならば足がないのだ。
ここには、車がない。
文明の発展がないのだ。
俺の国には、勿論車があるし、何なら全自動なので中等部を出れば免許が取れるのだ。
それまでは、自動自転車がある。
行き先を登録しとけばそこまで勝手に連れていってくれる便利な物だ。
しかし、ヒノモトの国には、ない。
皆が歩いている。
恐ろしい程の医療技術で病気や怪我での死者や障害者を0とした国は、どこまでも原始的に生きていた。
料理は、俺の国は、レンジで温めるだけの物が主流になっている。
栄養計算された冷凍品でまとめて買って冷凍室に入れれば良い、冷蔵室には、ジュースやアルコール、一部のデザートを入れる程度なので現在の冷蔵庫は、冷凍室が大きな物がメインになっている。
料理は、確かに飲食店等あって料理する者は、居るけれど、どちらかと言えばその食事は、嗜好品に近い物となっていた。
賑やかな中を翻訳機を頼りに進む、耳にきちんとはまっているのを度々、確認する……無くなったりしたら意思の疎通が難しくなる為だ。
耳にはまっている翻訳機は、きちんと作動していて聞き取りもスムーズだ、所々翻訳出来ない物は、ヒノモトの国の独自的な物言いや物なのだろう。
独特な街並みを眺めて更に歩むと一際華やかな衣装のふくよかな女性が複数の人間に囲まれて立っていた。
観光客も多く取り囲み見ていたので俺も覗く。
「では、神子様を案内してきます」
華奢な10代だろうか?白い肌にヒノモトの国民らしい黒い髪と瞳の少年が初老の男性達に告げていた。
少年と女性が連れ立ち歩き出すと観光客も一定距離を開けて着いていく………好奇心は、隠せず、俺も着いていく……しばし進むと屋外から見渡す限りの長い長い壁の用な物の所にたどり着き、少年は、大きな門をくぐり内部に入っていく………観光客の一人が着いていくと少年は、くるりと振り返り……
「着いてきても構いませんが……目的地は、御神木で私は、神子を御神木に案内するだけですよ?
御神木までは、距離もありますし、私は、観光案内係では、ないので皆さんがはぐれても責任は、負いませんし関わりません、それで良ければどうぞ…ご自由に」
告げる少年に50人近く着いてきていた観光客の半数近くが離れて半数近くが近くに行った。
「…ああ、そうだ、後ひとつ……25年前の奇病は、御神木を傷つけた者が居たからと言われています。
決して御神木にいたずらしたり、ましてや傷つけたり…なんてしないで下さいね」
少年は、くすりと笑うとくるりと回って歩きだした。
30人程の観光客も着いていく。
壁内部は、外と違うながらも店があった。
外は、屋台だけれど内部は、フードコート等もあって随分と近代化したように思う。
しかし、不思議な事に俺の国で見たことのない物が並んでいた。
所狭しと並ぶ店に目移りしてると少年達を見失いそうになるので俺は、慌てて後を追った。
壁の中は、店が立ち並ぶも広くて一つの市のようだった。
少年は、その中を曲がったりなだらかな坂を下ったり上ったりして進む………二時間程進むと、賑やかだった回りがしーんとしていた。
シャッターがしまっている店にぼろぼろな店が増えてくる。
後ろを見ると30人が20人を切っていた………
「あそこなら店の人に聞けば帰れるよ」
少年は、振り向かずに告げてきた……俺は、置いてかれないように歩を早め少年に近付いた。
少年は、女性と話すでもなく更に進む…………回りは、既に開いている店がなくなっていた。
錆びた鉄の枠が残っていたり崩れた棚が剥き出しで見える……過去、店であったのであろう物が見えた。
と、ごりっ………と、音がして俺は、一度振り返る。
人数は、少年と女性を抜いて………俺を含めた18人……18?19じゃなかっただろうか?
はぐれたのか?………はぐれたの、だろう。
少年は、振り返りこちらを見てから小さく口の端を上げてから正面に向き直り進む。
かれこれ更に30分も進むと壁にたどり着いた、少年は、大きな門を開けてそこを通り抜けるので、後を追う。
再び、ごりごりっ……と、音がしたが、古い店が並んでいたから何か崩れたかもしくは、換気の何かの音だろう。
壁から外に出ると日が少し傾きかけている。
時計を見れば時刻は、14時を少し過ぎていた。
少年は、更にすたすたと進む………疲れた!と思わなくないがここまで来たら御神木を見てみたいと思い俺は、後を追った。
木や雑草が生えている舗装されてない土の道を歩くと時折ガサガサと音がするが更に進むと少し先に家が見えてきた。
更に先には、家や店が見える………最も、不思議な事に建物の数に反して人が少ない……電灯は、柱が木で出来ていて裸の電球が付けられていた。
建物は、木造の作りで……家の柵や壁もブロック等では、なく木製だ。
窓ガラスも曇っていたり模様が入っていて………どこかノスタルジックな雰囲気を感じる。
ふっと後ろを振り返ると人数が15人になっていた。
ふんわりと鼻に入る香りは、近くの店からで肉と惣菜を売っていた。
よく見れば外国人が1人並んでいたので、こうやって皆がはぐれていってるのだなと思いながら進む少年を追った。
進むうちに日も傾き町は、夕焼けに染まっていく。
店が看板を仕舞い、町の住人が家に向かう………この町の1日が終わるのだろう。
「ここでは、夜は、家で過ごすんだ。
仕事も夕方には、帰路につけるように振るのが当然でね………むしろ、夜出ては、いけないんだよ」
俺は、少年を見た……少年は、振り返りもせずに言葉を紡ぐ。
「…夜にふらつくと帰れなくなるからね」
「君は、平気なのか?」
どう考えても御神木にたどり着いて帰るのは、夜じゃないのか?そう考えてしまう………いや、御神木の所に泊まれる宿でもあるのだろうか?
「…ふふ、私は、平気だよ。
これでも神職者だから、何事も例外は、ある。
この町の住人は、夜出歩くのは、駄目だけれど神職者と医者とかは、別だ。
きちんと加護がついてるからね」
ふと聞こえる声に俺が後ろを振り返ると15人居た筈の観光は、僅か5人になっていた………暗闇に飲まれていく町の中に人が消えていくのが見えて俺は、慌てて少年の方を見ると距離が空いていたので走って追いかける。
(離れたら駄目だ………)
白い服を纏った背中と歩く度にひらりひらりと揺れる袖を見ながら背中を伝う汗の感覚を感じた。
「ねぇ、このヒノモトが本来何て呼ばれてるか知っている?」
問われて俺は、顔を上げた。
「…イギョウノクニヒノモト」
どうにかひりつく喉から声を出すと少年は、振り返り頷いた。
翻訳機は、その言葉を翻訳してくれないので意味は、わからない。
多分………この国独特なナニカなのだろう。
「そんなに恐れなくても大丈夫だよ、ほらもう少しで着く」
示された指の先に視線を向けると御神木が近いのが分かった。
外灯もどんどんと減っていき、町を出た時点で道を照らすと言うよりも目的地を示す為だけにぽつん………ぽつん………と、外灯があるような道を進む。
勿論周辺に家など存在しない、少年を見失うのが怖いからか振り返るのが怖いのか………俺は、背後に遠く見える筈の町を振り返る事なく進んだ。
遠かった御神木が近くなる。
御神木の回りは、ぐるりと白い壁のような建物が囲むように存在していて少年は、迷わずに白い壁の入り口へと向かっていった。
建物の中は、明るく証明も煌々とついていたし、少年が来た事が分かったのか何人もの人が笑顔で出迎えてくれた。
その光景にホッとして振り向くと………俺ともう一人の女性しか居なかった。
俺は、思わず固まる………そして神子と呼ばれた女性は、他の人と朗らかに話をしていたのにスッと表情が抜け落ちるように無くなるとそれから話す事も表情を変える事もなくなって、他の人に囲まれるようにしてその場を離れていった。
俺は、そろりと御神木を見る………見たこともない程の巨木でまるでドラゴンの鱗のような表面だった。
白い木を見上げていると少年が近付いて来た。
「目的は、果たせた?」
少年を見ると背後に女性が見えた……御神木に近付い……て、持っていた何かで御神木を傷つけたのが見える………俺は、息を飲んだ……それでもどうにか口を開く。
「…凄い、木ですね……あの」
「何?」
「御神木を…傷つけた後には、何が起きるか分かりますか?」
少年は、小首を傾げる。
「さぁ?大変な事が起きるんじゃないかな?」
「…そう……ですか……御神木、を傷つけたらどれくらいだ災厄が起きるんですか?」
「そうだね、一週間以内……まぁ、ヒノモトは、オレが居るから関係ないけどね」
少年がにやりと笑う…………
どうやって、戻ったのかよく覚えていないけれど戻った俺達は、無事に各々の国に帰った。
はぐれた人達もきちんと戻っていて、やはり俺が不要に怯えてただけなのだと……思わず笑ってしまった。
皆元気に話していて、帰りの船では、色々話した。
ついつい写真を撮っていてはぐれた人も、店を見ていてはぐれた人、崩れた所にうっかり足を引っ掻けてしまいはぐれた人も暗くてはぐれた人も居た。
そして、御神木を傷つけた女性は……
「あんな話を信じるの?
島国にある木一本を傷つけた程度で世界が揺らぐなんてあり得るわけないじゃない。
馬鹿馬鹿しい……私は、それを聞いた最初から御神木を傷つけたらどうなのか試してみたくて着いてったのよ。」
と軽快に笑っていた。
見る限り特に何も起きてなくて杞憂だったのだろう。
船に揺られ国に戻って家に着いたのが二日後、そして、今が三日目となる。
テレビには、御神木を傷つけた女性の写真が写っている。
奇病は、変異していた………女性の無惨な死が語られている………次々上がる写真や名前は、見覚えがある。
あの帰りの船で連絡先を交換した……写真を撮った……その人達だ。
俺の番は、何時なのか?次なのか?
煌々と明かりをつけた部屋でテレビを見つめながら俺は、布団にくるまり震えるしかなかった………速報で死者の状況が流れるのが怖くなりギュッと目を瞑ると、ふっと違和感を感じた。
少年は、女性が御神木を傷つけた時に……口の端を上げて笑っていた………いや、女性は、隠れて御神木を傷つけていたし少年は、女性に背を向けていた!
だけど笑っていた……………帰りに彼は、何か言っていた……?
靄がかった記憶がうっすらと晴れていく…そうだ……彼は、何かを言っていた……………
オレハ御神木ノツイダカラ
ツイ?
俺は、咄嗟に動いて翻訳機を着ける。
ツイ………「対」
意味が伝わってきた…………
「……イギョウ………」
震える唇で告げると…………
「異形」
俺は、意味を知り言葉を紡ぐ
「イギョウノクニヒノモト」
「異
形
ノ
国
ノ
」
翻訳されなかった筈の言葉は、しっかりと翻訳されたのだった。
【ヒ】ノ【モト】
思いついた漢字を当てはめて頂けたらと思います。